休日に外出はインドア派にとって快挙 vol1
休日回は今回と次回の2パートに分割します。
「兄さん、行きますよ」
「うう…お外ヤダ…」
「幼児化してもダメですよ。約束は約束です」
考えてみてほしい。完全インドア派な僕が休日外に出るということを!まあ、それをさせるだけの力が紫音にあ
るわけだが。僕もなんだかんだ言って妹に甘いのかもしれない…
「たまには太陽の光を浴びないといけませんよ?」
「とは言ってもな…なあ、今からテレポートで家に戻っていいか?」
「許すと思います?」
「あ、はい」
怖いよ。ウチの妹怖いよ…
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かくして妹に連れ出された僕な訳だが、別に紫音と出かけるのが嫌という訳じゃない。ただ…休日は家でネトゲ
したいだけなんだ…!
「むぅ…兄さんが何か考え事をしてるきがしますが分かりません。風花さんが羨ましいです…」
「超能力の悪用ダメ絶対」
「悪用じゃないです」
我が妹は僕と違ってコミュ力お化けのようだ。普通あって数日の人を名前呼びはしない。と、不可抗力によって
異性を名前呼びしてる奴が言っております。まあ、血は繋がってないし。
「着きましたよ。夏物を揃えて、その後昼食でも行きましょうか」
「へいへい」
大人しく着いていこう。この子、僕が関わると人目なんて気にしないからな…何を言い出すか分かったもんじゃ
ない。
「では兄さん、いくつか試着しますので感想をよろしくお願いします♡」
「は?」
「可愛い妹の頼みを断るんですか?」
「いや、僕ファッションの知識とかないから…」
「関係ありません。兄さんが好むから意味があるんです」
ほらこれだよ、周りの人も「あんな妹欲しかった…」とか「ふざけんなあの子は俺んだ」とか…おい2つ目は許
さんぞ?
「はぁ…分かったよ」
「はい、素直でよろしい」
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その後、紫音が服を選ぶのを周りの視線に耐えながら待つこと数十分…ちなみに女性の買い物が長いという法則
は紫音にも適応されるらしい。
「兄さん、まずはこれです」
「おお」
最初は青?なのか白なのか…そんな色のワンピース。紫音の清楚なイメージにマッチしていて、僕が私服を勝手に思い描くならこんな感じだろう。って、この思考はキモいか?
「うん、良いんじゃないかな?よく似合ってるよ」
「もっと細かく褒めて欲しいです」
「賞賛って自分から求めるものじゃない気が…まあいいか。紫音の清楚っぽいいめーじによく合ってると思うよ。特に肩が出てる所とか涼しげな印象を与えてくるし」
「兄さん、よくそんなこと真顔で言えますね…」
「これでも恥ずかしいんだ…」
女性の服を褒めることなんてないからな。だって異性と出かけることなんてほとんど無いし☆
なんか悲しくなってきた、誰か慰めて…
「2つめです」
「ふぉ…」
変な声が出てしまった。それもその筈、紫音が来ていたのは所謂ギャルファッションとでも言えばいいのだろう
か?肩出しへそ出しは当たり前、艶めかしい生足も惜しげもなく晒されている。こんな服が売ってるということ
は、これもある程度需要があるってことだよな?…女の子怖い。
「兄さん…じっと見過ぎです」
「あ、ごめん…」
考え事してて視線移動を忘れていた。という言い訳は通じないだろう。
「で、どうします?これかさっきのにしようと思うんですが…」
うーん、正直元がいいからどっちも似合ってるけど…その格好で外を歩くって考えたらお兄ちゃんちょっと心配かな」
「なるほど、では外じゃなかったら良いんですね?」
「へ?」
「これは部屋着にします。ウフフ、狼狽える兄さんが楽しみです」
耐えろ、耐えるんだ…確か何かで読んだ。「じゃあなんで聞いたの?」は禁句だと…
あ、お会計の時に店員さんの生温かい視線を浴びました。違うんです…義兄妹なんです。
言っても信じて貰えないだろうけどね。
お疲れ様です。
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