人類が望む日
休日回。
あとやっぱローファンて難しいですね。ファンタジー要素が入らない…
現在時刻朝9時。普段なら遅刻確定どころか悟りを開くレベルの時間だが、今僕は安らかな眠りについている。それはなぜか?
そう、休日である。
これに関しては学生も社会人も…ニートを除く全ての人種が待ち望む日じゃなか
ろうか。特に土曜日は「今日が終わってもまだ明日がある…」という余裕!人に精
神的安定をもたらす日、それが休日なのである。
「兄さん、もう9時ですよ?」
「うーん、もう少し寝かせてくれないか?」
「だめです、休日だからといって寝過ぎたら月曜日が辛くなりますよ。それとも…私の朝ごはんを無駄にするつもりですか?」
「…お前、わざとやってるよな?」
「なんのことでしょうか。ほら兄さん、朝ごはんにしましょう」
この子はたまに小悪魔的な部分を見せる。まあ、そこが可愛いんだけどね?
「おお、これはまた随分と…」
内容はご飯、味噌汁、焼き魚、漬物等々…
「なぜ和食に?」
「なんとなく、兄さんが欲している気がしたので」
「…」
言葉が出なくなった。確かに、「久しぶりに味噌汁のみたいな」とは思っていた
けど、とくに紫音にリクエストとかはしてないのだ。
「なんとなくか…」
「愛の力と言ったほうがいいですか?」
「いや、結構です」
この子、1つ問題があってだな。それは…重度のブラコンということだ。幼少期な
ら「お兄ちゃんと結婚する」なんて言ってもおかしくはない。ただ、こと中学3
年ともなれば反抗期とか来るんじゃないの?兄さんなんて置いて、軽そうな男と
つるむんじゃないの?いや知らんけど。
この子はそんな子供の戯言といえるようなことを未だに貫き等押している。
「紫音…もういい年なんだしさ」
「兄さんを愛すのに年なんて関係ないです。それとも、兄さんは小さい子好きなんですか?」
「それは否定させてもらう」
これだけそういう問題に厳しい世の中だ。もし高校生の僕が小さい子好きだと知
れ渡ったら、確実にまずいだろう。誤解は早めに解いておくのが吉だ。
「兄さん、食べ終わったらゲームでもしませんか?」
「いいぞ」
「今日は負けませんからね…」
僕の土曜日は妹とのゲームに潰れるらしい。まあ嬉しいけどね。
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やるのは、ヒゲ面にオーバーオール、赤色がトレードマークの配管工主役。あの
マ●オカートである。このゲーム、老若男女楽しめるゲームではあるが、どんな
ゲームにもガチ勢というのは存在する。そしてこの僕、九条 冬馬もその一人。
なんせ世界ランキングに名を残すこと常連、1時期ワールドレコードを持ってい
たほどである。そんな僕と一緒にいるだけあって、紫音もそこらの女子中学生な
んて目じゃないほどの実力なんだが…
「むぅ、兄さんは強すぎるんです…」
「これでもアイテムテーブルは意識してないんだけどな」
アイテムテーブルとは、内部的に決まっているアイテムの排出ルールみたいなも
の。例えば、スタートから何秒以内はこのアイテムがでないとか云々…その中に
「1位と12位の距離」という項目があり、これに気をつけることで出るアイテム
を絞れるのだ。なんか上位勢は皆注意してる印象。
「流石にアイテムテーブルの把握は難しいだろうから、まずはコースを覚えていこうか」
「コースぐらいは私だって…」
「走り方を、だよ?それぞれのコースには早いルートが存在せていて、そこを確実に走ることで大きく力がつくはずだ」
「…わかりました!」
その後、負けず嫌いな妹のもと20レース…
「やった!勝ちました!」
「 CPU…許さん」
2人だけだと味気ないということで混ぜていたCPUの投げたアイテムに被弾してし
まったのだ。
「兄さん、負けたらなんでも1つ言うことを聞くという約束、覚えてますよね?」
「いや、忘れてた」
「じゃあ尚更…明日、私と買い物に行ってもらいます」
かくして僕は、紫音とデート(本人曰く)することになった。
お疲れさまです。
是非、是非!!ブクマと評価宜しくおねがいします。




