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この時期初対面がコミュ障プロ

「おい、あいつはまた暴発してるのか?」

「そうみたいですねー」


授業中、数学教師の問いかけに日菜が答える。あいつって誰だよ、あと暴発ってなによ?空気が不穏すぎるん


よ。


「風花、あいつって誰だ?」

「九条くん、本当に他人に興味ないね…」

「別に興味がないわけじゃ…」

「はいはい、けど、もうすぐ帰ってくると思うよ?」

「帰ってくるって…うおゎ!」


僕の目の前にいきなり人が現れた。そう言えば目の前の席の人いつもいないなと思ってたけど…


「ひゃああ‼︎ゴメン!驚かせちゃった?」

「いや…大丈夫」

「そっか、よかったー」

「君の能力、もしかしてテレポート?」

「そうだけど…」

「そうなのか、実は僕もそうなんだ」

「ホント?じゃあお揃いだね!」


第一印象は正統派美少女って感じかな。少し茶色気味の髪に、校則ギリギリのスカート丈、日菜とはまた違った


タイプであり、風花とは正反対だな。


「九条くん、それは私が暗いって言いたいのかな?」

「別に、そういうわけじゃない…かもしれない…わけで…」

「九条君、であってる?優柔不断な男は嫌われるよ?」

「…ヨーシ、ジュギョウニシュウチュウシナイトナー」

「話を逸らしたよこの男」


別にこいつらと話すのが以後ごち悪いわけじゃない。ただな?数学教師がすごい形相でこちらを睨んでいるん


だ。「早く話を切り上げて授業に集中しろ」という念をひしひしと感じる。それに素直に答えてあげる僕なんで


すわぁ。


**********


「日菜、昼食食べないのか?」

「ちょっと部活の集まりがあってね…」

「そうか、じゃあ風花と食べるか…」

「九条君、クラスの女の子二人を呼び捨てなんてもしかしてヤり手?」

「やめろ、変な噂が立つだろ」

「もう手遅れでは?」

「…僕に現実を突きつけるのはやめてくれ」


この子、初対面で結構踏み込んでくるな?まあこの時点で初対面という事実がおかしいのかもしれないが。


「私もご一緒していい?」

「いいけど、能力について教えてもらえるか?」

「分かった。桜井さんもいいかな?」

「(コクリ)」


風花、コミュ障発動。


「コミュ障じゃない。話すのが面倒だっただけ…」

「そう言うことにしておくよ」

「むぅ…」


この子、頬を膨らませた姿が可愛いんだよな。刺さる人には刺さりそう。


「ねえ、本当に付き合ってないの?」

「付き合ってるわけないだろ?」

「でも、今の掛け合いはどう考えてもお似合いとしか…」


そうなのか?風花との会話なんてだいたいこんなものだと思うんだが…


「斉藤さん、あなたは良い人…!」

「アハハ、そう言う感じか…あと、芽衣で良いよ?」

「分かった」

「そろそろ聞かせてもらえないか?斎藤の能力について」


ちなみに斉藤という名は当然今知った。けれど、ここであたかも前から覚えてましたよという顔をするのがプロ


だ。


「私のは九条君同様テレポートなんだけど…発動の自由が効かないんだ」

「は?」


**********


斉藤 芽衣

超能力:空間転移 『テレポート』

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