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幽霊じゃダメですか

なんか着地点を見失っている今日この頃。

「九条くん、今日部活だよね。何で帰ろうとしてるの?」

「えっと…」


そう、今日は(半ば強引に) 入部させられた『漫画・アニメ同好会』の活動日である。ちなみに毎週水曜日、大丈


夫なんかそれで…


「いや、幽霊部員でもいいって言ってたし…」

「それを魔に受けちゃダメでしょ!」

「…おっしゃる通り」


桜井にしては大きな声で怒られてしまった。おかしい、普段は隠れポンコツのこいつに僕がツッコむ側なんだ


が。あと周りからの視線が痛い。「夫婦喧嘩」だの「夫婦漫才」だの。ボキャ貧か?()


「ふ、夫婦じゃないから‼︎」

「いや、怒るとこそこ?自分で言うのもあれだけど、今中々失礼なこと考えてたんだけど」

「じゃあ何?九条くんは誤解されたままでいいの?」

「いや、正直周りの反応にどうこう言ったってしょうがないかなと。そりゃあ、桜井が嫌なら訂正するけど」

「むぅ…」


かわいい。


「はぅ…そ、それより!九条くん約束忘れたの?」

「いや、覚えてはいるというか…実行が不可能というか…」

「ヒドイ…」


おいやめろ、女子を2人泣かせたとなれば流石に僕の評判が地の底まで落ちる。ほら見ろ、周りの僕を見る目が


変わったよ。


「分かったよ…風花」


「「「「「⁉︎」」」」」


おい野次馬、なんだその連携は。


「よろしい!」

「機嫌が治って何よりだよ…」


ちなみにこの時点で僕の幽霊部員計画は破綻、お疲れ様です。


**********


「おお!来てくれたか」

「まさか、僕が来ないと思ってました?」

「す、すまない…なんかそんな気がして」

「大丈夫です。この人幽霊になろうとしてましたから。その場で私が止めましたけどね」

「言わなければバレなかったものを…」


本当に今更ではあるが、僕にも思考を読む能力欲しい。桜井の脳内をまさぐりたい。あ、これも筒抜けなんだっ


け…時すでにおすし。


「…」


無言の圧、さーせんした。


「思考の中では苗字呼びなんだ…」

「え、そこ?」

「なんだなんだ!ラノベ展開か⁉︎」

「そういう所ですよ?部員が増えないのは」

「うぐっ…中々痛いところを突いてくるな」

「あの、そろそろ始めません?」

「そうだな。といっても特に活動内容なんてないんだよな」


本当に大丈夫なんだろうかこの部活。


「取り敢えず漫画を読み漁ってくれ。1ヶ月に1回感想文を提出してもらうが」

「それ、誰が読むんです?」

「もちろん私だ!開拓は何げに面倒だからな!」

「何この人」


結局この後漫画やらラノベを読み漁った。桜井はこういうのを読むのは初めてだったらしいが、すぐにどっぷり


沼に沈んでネットを漁ってる。ちなみに僕らが読んでる電子書籍の代金は全て部費から出ている。本当に規模が


大きいなこの学校。

こういう部活なら僕も入ったかも…

参加は不定期で。

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