傘の能力の片鱗
冒険者になったし身分証もついでに発行できた。
そしてここからやっと、静也の本格的な生活が始まる。
しかし先ずは稼がないといけない。
冒険者カードを発行できたので、冒険者として稼ぐことができるようになった。
つまるところ、就職したというとこだ。
冒険者の稼ぎ方は大きく分けて2つある。
1つ目は依頼を受け、成功報酬を貰い稼ぐ。
組合は依頼人から依頼を発行し掲示板に綺麗に貼り出す。
それをみた冒険者達が依頼を受けるか受けないかを判断するようで、発行されて1ヶ月経っても受けてもらえなかった依頼は依頼人へと報告されるようだ。
冒険者は依頼内容、報酬、リスクを見て受けるので、依頼人にもその事は事前に伝えられている。
2つ目は魔物、魔獣を討伐し、そいつらの素材を売り稼ぐ。
町や村、ましてやどこに行っても魔物が蔓延うっている。そいつらを討伐し、その素材となる部位を剥ぎ取る、もしくは解体して売る。
1つ目の依頼にも、討伐依頼もある。これは依頼の成功報酬も貰えるので稼ぎは良い。
このようにして冒険者は稼いでいる。
本人の力量が高ければ級位を上げてもらえる。
級位が上がると討伐報酬額が少し上がり、力の掲示にもなる。
級位は下から木級、石級、鉄級、銀級、金級、白金級となっている。
はじめは誰でも木級だ。例外はない。
後、上の級位になると宿代が少し安くなる。
級位が高くなれば良いこともあるが、面倒もついてくる。
それを知るのは一部の者だけだ。
静也は宿をとっていないことに気づく。
幸い、関所で買い取ってもらった魔物の核の料金で少なくとも一泊は出来る。
その事でも静也あることには気づいた。
(そういや俺、魔物の核拾った記憶無いんだけど…?
どうして魔物の核が勝手に出てきたんだ?)
そう思っていると、また傘が出てきた。
黒色の長傘の内側からまた魔物の核が落ちてきた。
そこで静也は確証を得るために試しに道に落ちていた石ころを拾い、隙間に石ころを落とし、傘を上に向ける。
傘の中には石ころは消えていた。
消えた石ころを取り出したいと思い手を傘の中に突っ込むと石ころが出てきた。
そして確証を得て理解してた。
この傘にはモノを保管する能力があるのだと。