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異種族との関係の鍵

[フフフ…良いものが久しぶりに見れたわ♪シズヤさん、私も貴方の手伝いを致しましょう。人間と魔族の架け橋になれるように♪]


愛の神が語る。

まるで、我が子を愛おしむような口調で。


「ありがとうございます。愛の神様。」

《有り難きことこの上ない…》

『はぁ…ったく、しゃぁねぇな…手伝ってやるよ。俺の神力はお前がいくら『起死回生の行動』をするかだ。少なからず、俺からの恩恵はあるはず。』

[私も貴方達に加護を与えましょう。愛を強く感じるわ♪シズヤさん、ノーナさん、私の神力はあなたたちがどれ程の『愛』を育むかです。私からの恩恵は…戦闘向きじゃ無いので期待しないで下さい。ですが、高位の神ですから、それなりに神力はありますよ?]


新たに『愛の神』が加護神になってくれた。

おもいの力が向上、思いやりの心の純度が高くなると、愛の神は言う。


『それで、シズヤ、これから魔族と人間の共存をすると言っても、どうするつもりだ?自分の国を造るのが一番楽だぜ?政治もルールも自分が行うんだからな。』

「それが一番楽そうですけど…とりあえず少しずつ他の人にも魔族が悪という概念を薄めていけば、良いのでは?」

[時間がかかりますわ。私たちにとっては一瞬ですが、あなた達では数百回ほど転生している位になるでしょう…]


議題が行き詰まる。

静也が生きている間には実現しない夢、しかし、静也は諦めてはいなかった。


「でも、出来るんですね?共存できる世界にできるんですよね?」

『ああ、しかし、なにもしなければ、なにも始まらない。下手すると、もっと時間がかかるかもしれないし、最悪の方向へ向かう可能性もなきにしもあらずだ。お前の行動でどう変わるかは誰もわからない。おれでもわからない。』

[起死回生のはこういっているけど、本当は神の級位が低くてわからないだけなのよ。]

『ちょっ!せっかくいいこと言ったのに!何ぶちこわしてんだよ!』

[あら?いいこと言っていたの?]


神々の会話はまだまだ続く。



[さて、シズヤさん。貴方に提案があるのです。]


唐突に愛の神が話しかける。

どこにいるのかは皆目検討はつかないがとりあえず上を向いてみた。


「なんでしょうか。」

[貴方のその夢を実現させる方法のある一つの提案です。『使徒』になりませんか?使徒になれば寿命がとても長くなり、貴方の手で夢を叶えることが出来ると思いますよ?]


愛の神の提案はとても非現実的だが嘘ではない。

神々の手先と言えばそうなるが、神々の代理を行うのだから寿命が延びる。

しかし


[その代わり、繁栄はできなくなります。]

「へ?それって…」

[えぇ、孫の顔が拝めないってわけですよ。]


あか抜けた声が出てしまった。

それもそのはず、静也はまだ21歳。

年齢的には成人を越えすぐだ。

それなりに欲求があり、その欲求の一つが無くなるとなれば流石に焦る。


「す、すいませんが…その提案は無かったことに…」

[後から、というのは聞きませんよ?それでも良いのですね?]

「はい。」


人として正を受けてまだ20と少ししか経っていないのに人をやめるなんて思わない。


《シズヤ、魔族と仲良くなろうという信念は素晴らしいが、どうやるつもりなのだ?》

[その通り、この世界の者達は皆、異種族に対する嫌悪の意識を根深く持っています。その意識をどう変えるのですか?]


言葉が達者、というわけでもなく、弁が立つわけでもない。

カリスマ性は勿論、人を引っ張っていく先導者の才覚もない。

この世界の全ての者達の意識を変えることは不可能。


そもそも不可解なのは、知り合ってすぐの女性にここまでのことをしようとすることだ。

好かれたい、頼られたい。

この気持ちがあるから、というだけでは説明できないほどの行動力が静也にはあった。


「話します。ノーナさんのことを。それで少しでも変わってくれると思うんです。魔族でも心はあるんだって。人間と変わらないんだって。」

『そううまくいけばいいけどな。人間だって魔族だって利己的だ。それにそう簡単にひょいひょい意思が変わるもんじゃない。それはわかるだろ。』

「でも、話さないことには始まらないんですよ。それに、俺の意思も変わらないです。」

『…まぁ、やってみるといいさ。やって後悔しても俺たちは何の責任も取れないからな。』

「はい。ありがとうございます。」


静也はノーナに外蓑を渡して着させ、村のほうへ向かう。



これが、後の異種族との関係の鍵を握ることとも知らず。


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