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新しい1日

朝は日の出と共に起床する者が多い。それはアラームや時計なんてないので起きる時間帯は決まって太陽が地平線から上り、その眩しい光に起こされるのだ。

現代で生きてきた静也もその一人になりつつあった。

生活リズムはその環境に順応する力を持っているためだ。


身の回りの世話を終えると宿を出た後、買い取り屋に目指す。今日こそは買い取って貰うためだ。


(目指せ、夢のマイホーム!)


借りるという選択肢が未だに出てきていないようで、それに目が眩んでいる。単純な男である。



「やあ、おはようさん、買い取りかい?昨日は買い取れなくてすまなかったね。今日は150体は買い取るよ。」


とジョアンは提案する。1日30体ずつ買い取る話だったのだが。


「ありがたいです。ではお願いします。」


といい、コンベアーに置いていく。

流石にこの時間帯で買い取り屋に並んでいる者はそう居なく、アイテムポーチと呼ばれる、空間拡張能力の宿ったアイテムを持つ者しかいない。

アイテムポーチ自体簡単には入手出来ないアイテムである。

制作するのにも、『空間獣』と呼ばれる、滅多に出没しない魔物からの素材が必要で、尚且つ『次元蜘蛛』の次元糸を使った裁縫が必要になる。更に空間を拡張させたいのなら、更に素材を必要とするため、滅多に市場に出回らないし、オークションに出たとしても、最低価格3000万ルターもするので、持っている者は高位の冒険者か、もしくは名のある貴族位だ。

しかし例外もあり、静也のような魔法(静也の場合は武器によるが)で、アイテムポーチと同様の能力を持つ魔法を使える者など。


鑑定と査定が終わりジョアンが膨らんだ両手の掌サイズの袋を持ってきた。


「はいよ、鑑定価格312740ルターだよ。儲けたね、背中には気を付けるんだよ。」


ジョアンの後ろがチラッと見えたのだが、後ろは汗が滝のように流れ出た鑑定士達の姿が見えた。

ある者はうつ伏せになり倒れている者だったり、立ったまま気絶している者がいたりと、裏方の地獄を見た気がした。


組合に向かった静也は今日、組合長室に行く。

それは銀級冒険者になった殆どの者が聞かれる組員になるかどうか、の話の答えを言いに来たからだ。

答えはもう静也の中では決まっていた。


「すいません、組合長に通して欲しいんですけど、『静也が昨日の話の答えをだしに来ました』とお伝えください。」


今の受付はサラだった。

サラは静也の件は知っているが、答えは知らない。

勿論、組合長であるロドムですらだ。

サラは足早に裏方に向かい連絡をとっていた。

するとすぐにサラが戻ってきた。


「連絡が取れました。組合長室に向かってください。」


静也は礼を述べ二階に足を運んだ。


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