第二の人生。生まれは森、育ちは…
書き直ししました。
とりあえず埋葬を終えて、町に向かおうとする。
いまだに不明瞭な点の多いスキル〈傘使い〉と〈傘の極意〉。
試したい気持ちは山々だが、ここでずっといると食料もサバイバル技術も知識もないから、早死にしてしまうと考えた。
〈傘の極意〉を手に入れてから体が滅茶苦茶強化されて、不気味を通り越して最早恐怖を感じるものだった。
しかし、異世界の人と会話できるかって懸念はまだぬぐえてなかった。
スキル〈傘使い〉って絶対ネタだろ。なんでこんなネタスキルをくれちゃったのかなぁ、あの神様は。
何故に傘なんだ?と流石にネタじゃないか感が否めない現状、自称神様の神様を恨むしかなかった。
手持ちは傘一本のみ。
現状は最悪だということには変わりない。
埋葬した手は泥まみれ。ついさっきのとりあえず埋葬をしたことに後悔をしていた。
現状を確認、理解すると自分の今置かれている立場が危機的状況であることに変わらないことに焦燥、泥のついた手でも構わず頭を掻いた。それに気づき堪らず大きなため息を漏らした。
なんとも無様としか言いようがない。
人が通っていた道があればそこを通れば町につくだろうと気づき、体力が無限に近いくらいあるからノンストップで走り続けられるだろうと考える。
現実的に考えれば、あまりにも無謀だが、今考えられる希望に今はすがるしかないと思い直観に任せ木々の間を走り抜ける。
ちっとも変わらない風景に飽きてきた、体力は減らないし、疲れすらない。
この上なく最高の状態だ。
風を切る音と草が風に撫でられる音を聞きながら颯爽と木々の間を走り抜けていくこと2時間、別の空気を感じた。
青々と茂った草木の風のにおいを2時間以上嗅ぎ続けると嫌でも別のにおいはわかるようだ。
やっとこの森から出れるかもと期待に胸を踊らせるが一つの不安な問題を思い出す。
異世界の人と会話できるのか?会話できなかったらどうするんだ?と忘れていたその不安要素が再び思い起こされ、再び頭を抱えることになる。