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お手伝い

宿で所有スキルを見ていた静也

スキルの数も増えていることに気がつく。


バーサーク?狂暴ってことか?

これは、気がついたら森を出た時に手に入れていたんだろう…

だとしたら…他のスキルもその時に…


静也はライトノベルを読むことがあまりなかった。

と言うのも親からの影響が大きく、ライトノベルは認められなかった。

もし、読みたいと言った日には親は頭から湯気が出るほど怒るから読もうという気は起こそうにも起きなかった。

ゲームはしたことがあるが、レトロなゲームしかしたことがなく、流行りに疎かった。


『アンブレランスモード』ってなんだ?

アンブレラは傘だろう?ランスって武器ってのは何となくわかるが…傘が武器になるのか?

いや、気絶していた時に何かの拍子に習得したんだ。

それでスキルの中に『傘突き』ってのがあったのか…


頭が回ってきた。理解力も向上してきた。

静也自身も驚いている。


《スキル<理解・傘>を習得》


その瞬間からスキルのことがはっきりとわかった。いや、理解した。

所持しているスキルのことならほとんど分かる。

どのくらい補正がかかるのか、どのくらいの威力があるのかも理解できた。


(急にアナウンスが聞こえたと思ったら、訳がわからないけどスキルのことが分かるようになった。

嬉しいことだが、不思議を通り越して不気味だ。

スキル<理解・傘>の影響だっていうのはわかっているが…スキルひとつでこうも変わるんだな…

スキルは面白い。集めるのも悪くない。手札は多いに越したことはない。問題はそれを巧く使いこなせるか…だ。)



まだ朝で酔いも覚めきったから、心機一転依頼をこなしていこうと考える。あのときとは違い自信に溢れている。

チェストプレートを身に付け、宿を出る。



組合にたどり着き、依頼の貼ってあるボードを眺めていると一人の女性が話しかけてきた。冒険者の級位を表すネックレス状の小さなカードは銀色だ。つまり銀級の冒険者だ。勿論組合で設けられた規定なので、静也も木でできているカードを身に付けている。


「貴方がシズヤさんですか?」

「ええ、そうですが、自分に何か用でしょうか?」

「私は『アイナ』、私と依頼を受けませんか?」

「え?!自分とですか?!自分はまだ木級の冒険者ですよ?流石に自分は足手纏いになってしまいますよ。」

「大丈夫です。討伐ではなく採取ですので物を持って欲しいんです。」

「なら自分じゃなくてもよくないですか?」

「いえ、貴方が傘から魔物を出してのを見て、アイテムストレージを持っていると思ったから、是非とも手伝って欲しいんです。」


あのときかぁ…と静也は過去のことを思い出した。

過ぎたことは忘れて、この綺麗な女の人の手伝いをするか

今までは一人でやっていたご、これからは一人だけじゃできないこともあるだろうから、せっかくの機会だ、ということで受けてみる。


「わかりました。良いですよ。荷物持ちをすれば良いんですね?」

「お願いしますね。」


何の屈託のない笑みをこちらに向ける。


「で、どんな依頼を受けるんですか?」

「薬草、魔力草、珍しい物があれば採っていきましょう。」


了承し、二人は関所の外へ出る。



「あの丘を2つ越えた辺りに群生地があります。そこに多くの薬草があるのでほどほどに採っていきます。」


歩いて数十分でやっと目的地が見えてくる。

周りを見渡せど緑。なにも変わってはいないが確かに丘を2つ越えた所に薬草があるそうだ。


「薬草は雑草にとても似ているから私が採取します。もしそれっぽいのを見つけたら言ってくださいね。私『鑑定・植物』を持っているので鑑定しますよ。」

「わかりました。自分も微力ながら手伝います。」



丘を2つ越えたそこは先ほどの平原の緑より濃い緑の葉が目立つ平原だった。

緑が濃く見えるのはここら辺は魔力が多く植物が濃く見えるからだ。魔力の多い所では植物の効果も強くなるし、魔物や魔獣も強くなる。

アイナは平原に入ると2房の草を採り静也に渡した。


「いま渡した内の葉の先が微妙に丸い方は薬草、そうじゃないものはただの雑草です。見つけたら採っていきましょう。」

「なるほど、わかりました。頑張って探します。」


はじめての御依頼と言うわけか…滅茶苦茶見つけてアイナさんに褒めて貰おう。

もしかするとこれからいい関係になったり…と、そんなやましいことを考えながら薬草と雑草を見分けながら採取する静也だった。

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