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異常

組合近くの武具屋に寄ることにした。

そろそろ傘という異常なモノから卒業する時が来ると思っていた。


とても格好の良い大剣が飾られている武具屋のショーウィンドウ、細工の技術も高いのだろう。

クレイモアと呼ばれる両刃の剣の柄頭から切っ先にかけてまで細かい装飾を施していた。

剣だけじゃなく拳、棒、鉈に銃。

種類も豊富でデザインに富んでいる。

静也も一人の男だ。

武器に惹かれる心はいつになってもあるものだ、それに傘よりも格好がいいからだ。


武具屋に入るとまた違う気色で心が高鳴った。

防具もある。

だが、防具は見繕って貰ったものがあるので暫くは用はない。

だが、華美な防具に目移りしてしまうのは仕方の無いことだ。


しかし、当初の目的は武器を買うことだ。

脚の長いテーブルの上には小綺麗に並べられたナイフや短剣、別の大きなテーブルの上には剣などが置かれていた。

他の冒険者らしき人も居る。自由に手に持ち眺めていた。

その冒険者を真似て目の前のテーブルの剣を持とうとした。


《システム<■■■■>により制限されています。》


途端手に強めの静電気が流れたような痛みが走る。

まるで弾かれたかのような感じだ。

手は暫く痙攣していた。

もう一度剣を手に取ろうとする。結果は同じだった。

痛みは強くなっていた。

またも同じアナウンスが流れてその正体にやっと気づいた。


所有スキル一覧にシステムと言う項目があったことに

自己開示を行い、システム一覧には新たに<■■■■>があったので詳細を見ると


システム<■■■■>

とある神からの餞別。

代償として武器は傘しか使えなくなる。ただし、ナイフは使用可能。

一種の呪いのようなものであるが、解呪は不可能。神からの試練と捉えるが吉。

とある神の遊戯のために与えられたもの。

他者からは如何なる干渉を受け付けない。


静也はこの文を読んで一番衝撃を受けたのは武器は傘しか使えないと言うところだ。


しょうがなサバイバルナイフと呼ばれる刃が厚く頑丈であるナイフを選んだ。

これは店員に聞いて選んだものだ。

ついでにナイフポーチも買わされた。

あわせてなんと1500ルター。

ナイフと合わせて買ったのでポーチはおまけになった。

ナイフの売れ行きが悪いためらしい。在庫処分のものだったのもある。

貰えるなら貰う。

ということは社会人になって相手に失礼の無いようにする必要なことだと学んでいた。

それに、生きるために遠慮なんかする必要は無いというのもあった。


時間はまだ昼過ぎ、屋台に寄り道するほどの元気はなかった。

傘しか装備できない事実に落ち込んでいたのだ。

これからどうしたものかと、今後の未来を悲観していた。

(考えてみたら、傘を武器に魔獣共を討伐しているやつがいたらまず正気を疑うだろう。狂っているんじゃないのか…)

そんな奴になってしまうと考えたら、今後の未来を悲観するのも無理はない。


宿に戻ったらふて寝することにした。

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