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帰還

ノーナと交際関係になった。

付き合ったからって何か変わる訳ではないが、何故か気持ちが踊るのだ。

浮かれていると言うのか、未だに宙に浮いたような足取りでいる。


「さて、とりあえず魔物を狩りますかぁ。とりあえず無理のない程度で。暇を見向けたら魔樹海の木を採集するのもアリだと思う。」

「あいわかった。魔樹海の木は『魔木』と呼ばれ、加工にもそれ相応の技術がいるのだ、それこそ魔法で加工したりとかの。」

「へぇ。木は家に置いておいても邪魔だから組合か、俺の知り合いの材木屋に売ろうと思うんだが。」

「そうだの、材木に加工してくれるところは、それ相応の金額で買い取ってくれると思うぞ。それこそ組合より。」


『悪意の神』の攻撃で塵と化したものはもう無理だが、折れて倒れているものならば、回収は可能だからそれを売ろう。


『悪意の神』と交戦したことで、周りの魔物は退いていったが、それも時間の問題。

中域の魔物は上域の魔物と比べ、大きく、重い。

上域は昆虫や小動物などの形をした魔物が主だったが、中域は獣だ。

しかも、鉱石のようなものを纏った獣であったりと、普通に戦っていたら勝てる気がしない相手ばかりだ。


だが、俺には傘という滅茶苦茶な性能の武器がある。

自分の力と言っていいものか悩みどころだが、ノーナ曰く、「それを担う者がいなければ、それは無いも当然。担う者があってやっと、それが一にも十にも百にもなる。」と言っていた。

つまり、担い手じゃない人間がその武器を使っても、担い手が使うよりも劣るから、俺が適任なのだとさ。


傘は雨を凌ぐための道具なのだが、前世でも暴力を振るう時の道具にもなり得るのだから、本来の使用方法で使ってやった方が傘も喜ぶのでは?と思うが、他の武器も持てない制限があるため、そういうことを気にするのは負けなのだ。

そう、うん。

負け、なのか?



獣型魔物の中に、鎧を纏っている熊、アーマードベアーというのが居るのだが、なかなか高い防御力があり、一撃で倒すことが出来ないのだ。

二回目の攻撃で倒すことができるが、どんな攻撃をしても一撃では倒せないのだ。

頭を潰したと思えば、鎧のようなものが弾け攻撃を無効化する、という厄介な能力を持っている。


弾けた鎧のようなものの破片も回収して、売るつもりだが、売れなかったらただのゴミだ。

まぁ、傘ストレージの中に持っていても、重くもないし要領がどこまであるのかわからないけどまだまだ持てるらしいから売れなくても要領を確認するために持っておこう。


ノーナの方は孔雀のような魔物と交戦している。

孔雀の羽にある飾り羽からは、いろいろな属性の魔法が放たれる。

きれいだし、魔法が使えるのが羨ましい。

その孔雀も接近されたら弱く、ノーナの見事な槍さばきで孔雀はあっと言う間に頭が飛んだ。


魔物の肉は基本的に食べることができるが、人によっては食べれない、食べたくない肉もあるようだ。

鳥類の肉は淡白な味で人気だ、ほかの魔物の中には、不味くてとても食べられたものじゃないものもある。そのため、その肉は売れないのだとか。

不味いなら食べないからいいけど、売れないという付加価値があるので狩る意味がない。



「よし、そろそろ帰るか。ノーナ帰ろうか。」

「うむ、いいだけ狩れたからの。そってはどうだ?」

「おう、鎧着た熊を何体か狩った。あとは魔木を何本か。」

「うむ、妾より多いの。流石。」


ノーナが俺の背中をバシバシと叩く。

いや、バシバシってのより、ぺしぺしってのが正しいのか?

兎に角かわいい。

だから好きになったのかもな。


俺は大きい傘を召喚して、傘に乗る。

ノーナものせて、スキル<傘操作>で空に浮かび、そのまま村の方向へ向かう。

村の方向はわからなかったが、傘のスキルにある<位置把握・傘>でわかった。

スキルって凄い。


傘の操作性も向上しているため、以前よりかは遥かに早く飛行できている。

村から魔樹海までは徒歩二時間のところにある。

さらに中域までなら魔樹海入り口から徒歩で六時間になる。

つまり、村から徒歩八時間以上のところにいるということ。



村に着くまでに要した時間は一時間とちょっとだった。

とてつもない進歩で俺自身ビックリした。


村の関所でデカルトさんは血塗れになっている俺に驚いて、大騒ぎになった。

心配させすぎた、と後悔している。

その後に質問責めされ、誤魔化すので精一杯だった。

とりあえず木登りして落ちて怪我したって言っておいた。

まぁ、「馬鹿だなぁ」と言われそれで終わった。

だが、やはり俺が木登りで落ちて怪我するなんて思ってない人の方が多く、秘密ってことで頑として一貫した。

話せる日がきたら話そう…


顔や内臓の怪我や損傷は教会にいったら治してくれるらしく行ってみたら凄かった。

回復魔法をかけて貰えたので傷があっという間に治っていく。


回復魔法は、神官や祭司などの神を信仰する身についた人間にのみ使用ができるので、わざわざ教会にいかないといけないし、回復量はあまり良くない。

切断された腕なんかは止血する程度、骨折はある程度までなら回復するが、基本的に人間の治癒力任せ。

病気も、これまた治癒力まかせなので、教会に回復を頼むのはよっぽどだということだ。



内臓に痛みがあったけど、魔法って凄い。

痛みが消えて、全身の痛みが薄くなった。


前世の痛み止めの薬よりも速攻性は高い。

魔法って便利。

使えるようになりたい。


「自分も回復魔法とは言わないですけど、魔法を使えるようになりますか?」

「魔法の適性はみてもらいましたか?適性がないのでしたら魔法は諦めたほうが宜しいですよ。」



え?魔法の適性?みてもらう?

そんなの知らないんだけど。

加筆済み小説のバックアップがなくなったので投稿頻度が落ちます。

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