ケツの印
「おい!こら!ここから出せ!!」
勇者は牢屋に入れられていた。後ろ手に縛られ、床に転がされている。
「くっそぉ!こんなことなら一人で来るんじゃ無かったぜ……」
勇者はお城訪問の際、勇者を名乗る怪しい人物と見なされ問答無用で捕まってしまったのだ。
城の兵士が牢の前にやってきた。
「表へ出よ!大臣が直々に取り調べを行うそうだ!」
強引に連れて行かれる勇者。
「貴殿が勇者を名乗る怪しい者か!?」
ハゲヒゲチビデブ大臣が偉そうに喋る。
ニア はい
いいえ
「どうせ、どっち選んでも一緒なんだろ?何のための選択肢だ!?」
「何か勇者の証となる物を持っているのか?」
「キタキタ。前にゲリピー王から貰った書状だろ?」
「なに?ゲリピー王と知り合いとな? ならば書状とやらを見せてみよ」
「…………の中だよ(*´д`*)」
照れながらボソボソ呟く勇者。
「ん?聞こえんぞ!」
「……★〒の中だよ!」
大事な部分をはっきり言わない勇者。
「何の中じゃ!はっきり申せ!」
吹っ切れた勇者。ハッキリ言う事にした。
「俺のケツの中だよ!!(`Д´)」
その場に居た全員が笑い出した。顔を真っ赤にして俯く勇者。
「だから言いたく無かったのに…」
「バカな事を申すでない!」
大臣が笑いながら怒る。
「そんな訳あるまい!いい加減な嘘をつくでないぞ!出せる物なら出してみよ!」
と勇者の手錠を外した大臣。
「ほら!」
ズボンを下ろし、一瞬で書状をケツから取り出す勇者。その早業に周りの兵士達は何が起きたのか理解できなかった。
「これは本物の書状……」
ゴム手袋をして書状を読む大臣。
「勇者殿。この度は数々の無礼、大変誠に申し訳ない」
頭を下げる大臣。
「……もういいよ。それより早く帰らせてくれ(;´д⊂)」
勇者がケツからアイテムを出す事が国中にばれた瞬間だった……。