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番外編 Secret Episode Ⅱ

閃いてしまったからには投稿するしか無いじゃないか!

「俺さ、凄いことに気が付いたんだけど!」


 遅れて夕食の席へやってきた勇者はケツを丸出しにし、なんと手にはダイナマイトを持っていた……。


「アンタこれから食事なのに止めなさいよね!?」


 魔法使いは呆れた顔で勇者の奇行に溜息をつく。


「まぁまぁ魔法使い殿。もしかしたら何か凄い事かも知れませんぞ?」


「全く……しょうもない事だったら、そのケツに氷魔法をぶち込むからね!」


「ふふ、実はな……」


 勇者は怪しい表情でダイナマイトに火を点けた。


 ―――ジジジジジ!


「な! 何をするでござるか!?」

「キャー!」

「このアホ! ついにとち狂ったわね!?」


 慌てふためく3人を余所に、勇者は笑い声を上げていた。短くなっていく導火線。あわや大爆発! と思った瞬間、勇者はダイナマイトを素早くケツへと入れた!


 床へと伏せる3人。


 すると、ダイナマイトは暫くしても破裂せず勇者は高らかに笑い声を上げた。


「……?」

「勇者殿、どう言う事でござるか?」


「ふふふ、実はな? ケツに入れた物は時間の概念が止まるんだ! この前入れていたオニギリが腐らずに新鮮なままだったのに気が付いたのが始まりさ!」


 勇者は自慢気に腕を組み戦士へとケツを向けた。


「?」


「手を入れてみ?」


 戦士は実に慣れた手つきで勇者のケツへと手を入れる。すると、中には冷たいままのかき氷が入っていた!


「す、凄いでごさるぞ!? シロップをかけた直後の状態でござる! 美味しいでござるよ!?」


 かき氷を頬張る戦士。魔法使いは冷ややかな目でソレを見ていた。


「ケツから出した物よく食べられるわね……」


「魔法使いもほら……」


 勇者がケツを差し出すと、魔法使いも慣れた手つきで勇者のケツへと手を入れて中を弄った。


 手に当たる冷たいグラスの感触。それは紛う事無きキンキンに冷えたビールであった!


「あはっ! 勇者アンタ気が利くわね!!」


 魔法使いは躊躇うこと無く勇者のケツから取り出したビールを自分の胃へと一気に流し込んだ! 戦士はソレを冷ややかな目で見ていた。


「よくケツから出した物を飲めるでござるな?」


 しかし魔法使いは冷えたビールの美味さに気を取られ戦士の声は耳へと届いていなかった……。


「アンタたまには役立つ事するじゃない!」


「へへん、そうだろそうだろ?」


 その日、勇者は上機嫌で眠りについた。





 そして、それから暫くして勇者一行は魔物達に囚われる事になった。


「投獄イベントとか誰得よ! 早く出しなさい!」


 吠える魔法使い。持ち物を全て奪われ自慢の魔法も使えない状態にされた魔法使いは、それでもいつも通りだった。


「落ち着くでごさるよ。それより今は連れて行かれた勇者殿の方が心配でござる……」


「私は私の事が一番心配よ?」



 3人が収監される牢屋から少し離れ、勇者は一人処刑台に縛られていた……。


「くくく、如何に勇者と言えど首を刎ねてしまえば終わりというもの……」


 頭に角の生えた魔封じが効きそうな悪魔は、勇者のケツを曝け出した!


「さて、最後に勇者の持ち物を全て調べてくれようぞ!」


 悪魔はその太い腕をズブズブと勇者のケツへと突き刺していった……。


「んん? これは……?」


 何かを掴み、取り出した手には小さな像が握られていた。


「まあいい……他には」


 再びケツへと手を入れる悪魔。


「……どれどれ」


 しかし、勇者のケツから出てくる物はどれも微妙な物ばかりだった……。胡椒 湿った火薬 尖った骨 おばさんの指輪 馬のフン etc……。


「どれもガラクタばかりではないか!?」


 ヤケクソで荒々しく中を搔き回す悪魔! そして何かを掴み勢い良く引き抜いた悪魔は自分の目を疑った! なんとそこにはダイナマイトが握られていた!!


 しかもダイナマイトは今にも爆発しそうな位に導火線が短くなっている!!


 ―――ドォォォォォン!!!!


  悪魔に185のダメージ!

  悪魔をやっつけた。


  勇者に183のダメージ!

  勇者をやっつけた。




「何か凄い音しなかった?」

「したでござるな」

「…………」


 その後、3人は他に投獄されていた脱走囚によって助けられた。何故かケツ丸出しで死んでいる勇者を見て、3人は何かを察した……。

読んで頂きましてありがとうございました!

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