そしてケツ穴へ……
視界は全て光と化し、何も見えない世界が広がる……。
「ふふふ、ついに魔王を封印出来る……!」
今まで無表情だった命名紳がにこやかに微笑んだ。
勇者は命名紳を手を握った…………
いや、離れぬ程に握りしめた――!!
「封印はする……」
「ん?勇者よどうした……?」
「 だがお前も一緒にな!! 」
勇者はありったけの力を込め、命名紳を引っ張った!
「ゆ、勇者よ!血迷ったか!!」
命名紳が抵抗するが、純粋な力勝負では勇者に分があった。
「ほざけ!誰がお前の言う事なんか信じるか!!」
勇者は命名紳の頭を押さえ、ケツへと押し込む!!
「や、止めろ! 止めろーーー!! 私は神だぞ!!」
命名紳があがくも既に胴体の半分がケツに入っていた。
「ああ!クソッタレ神!お前にはケツがお似合いだ!!」
勇者と命名紳から放たれる光が弱まり、一同が目にしたのは命名紳をケツに押し込む勇者の姿であった。
「勇者!!」
真っ先に声をあげる魔法使い。袖で涙を拭き、勇者の元へ駆け寄った。
「すまん魔法使い! こいつを入れるのを手伝ってくれ!!」
満面の笑顔で応える勇者。
「うん!」
嬉しそうに魔法使いが返事をすると、命名紳の両足首を掴み、一思いに押し込んだ!
勇者は 勇者のケツに 神を 入れた!!
思いもよらぬ勇者の行動に呆気にとられる一同。命名紳をケツに入れ終わった2人は、どこか涼しげな表情であった。
「で、ケツに入れちゃったけど、これからどうするの?そのうちまた出てこない?」
キノコじゃんけんの朝を思い出す一行。
「……こうするか」
勇者はおもむろに懐から
賢者から貰った小さな玉を取り出した。
勇者は玉をケツに静かに入れた――
ケツの中で玉が弾け、中から光が漏れだす。
勇者のケツから光が柱となって輝き、耳をつんざく程の凄まじい轟音と目が焼付く様な眩しさが辺り一面を覆い尽くした!
やがて光は消え、音も無くなった……。
「なに? 何が起きたの?」
突然の事について行けない魔法使い。
「終わった様だな……」
賢者がぽつりと呟く。
「命名紳の呪いを解いたんだ。もうケツは元通りだ」
勇者がケツを撫でた。
「えっ、本当に!?」
魔法使いが勇者のケツに杖を入れようとした。
「いでっ! 無理無理無理!! 入らない!!」
勇者のケツが裂けそうになる。
「勇者どの!」
「勇者さん!」
戦士と僧侶が2人に駆け寄る。
「すまない、心配かけたな。賢者と魔女にも世話になった」
勇者が魔女の方を見ると、そこには姿が消えかかった魔女と賢者の姿があった。
「勇者くん。もうお別れね……。魔王の力が消えた今、誓約であたしも消えてなくなるわ」
徐々にその姿が消えてなくなる魔女。
「そうか、なんだか悪い事したな……」
悲しそうな顔をする勇者。
「いいのよ。気にしないで……」
その言葉を最後に2人は完全に消えてしまった。
「それじゃあ、帰ろうか」
勇者が振り向き、ありったけの笑顔を見せた。
「うん!」
魔法使いも最高級の笑顔で応えた。
次回、最終話です。
もう少しだけお付き合いください。




