ケツの狭間
ついに伝説の武具を揃えた勇者一行。
「……で? この後どうすればいいの?」
勇者は伝説の武具を持て余していた。
「えーっと、伝承によると――」
本をめくりながら説明する僧侶。本を読むときだけ眼鏡をかける派だ。
――しかるべき時
りゅうの剣をかかげ
げかいより現れしつばさ
をあやつり 天たかく
に舞あがり勇者伝説とな
る――
「よく分からないけど、伝説の剣を掲げればいいのか?」
伝説の剣をケツから出し、天へ掲げる勇者。
……ブゥゥゥゥゥゥゥン!
白と赤色の小型飛行機が勇者一行の前に現れた!
「すげぇ! ホ○ダの小型ジェット機じゃん!!」
子供の様にはしゃぐ勇者。
「ねぇ……普通はドラゴンとかじゃないの?」
突然の現代機械に唖然とする魔法使い。
「うひょー! 乗れ乗れ!!」
勇者に背中を押され搭乗する一行。
……ブウウウウウウゥゥゥゥン!!
「なになに!? これどうなってんの!!」
自動操縦で動くジェット機は高速で飛び回り、次元の狭間へと消えていった……。
「あわわわわわ……」
超スピードに顔が歪む一同。
「せめてもう少しゆっくりでお願いーーーー!!」
魔法使いの悲痛な叫びも虚しく、小型ジェット機は次元の狭間を突き抜けるのであった……。




