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魔女と魔王

魔女の口から放たれる驚愕の新事実!

物語の核心に迫る話が満載!!

「私はかつての勇者一族の1人よ……」


 放された魔女は倒れる僧侶の隣にうな垂れ、静かに語り始めた。


「勇者の血を引くものは『やってはいけない事をやってしまう』のが特長と言われているわ」


 魔女が蘇生魔法で僧侶を回復する。


「家に入ってタンスを漁る。大事な選択肢でふざける。重要品を捨てようとする。……数え出したらきりがないわ」


「確かに勇者がよくやっているわね」


 元の姿に戻った魔法使い。


「それで、どうしてあんたは魔物を操れるの?」


「私は300年前、勇者として魔王討伐に行きました。けれども、魔王を倒すことは出来なかった。魔王の力はとても強く、仲間は皆……そこへあの忌々しい命名伸が現れ言ったわ。自らの命と引き換えに魔王を……〇〇〇に封印しろと!! 私は迷ったわ。世界の平和と言えども自分の命は惜しかった……。今度は疲弊した魔王が私に取引きを持ちかけたわ。魔王に干渉しない代わりに魔族の英知を授ける……と」


「…………」


「私は……取引に応じてしまったのよ!隣で息絶える仲間を見て、自分も死ぬのが怖かったの!!」


「取引の誓いとして、魔王の身に何かあれば私は死ぬ事になっているわ」


 胸元をはだけさせ、黒い紋章を見せる魔女。


「そして、、、私はここへ逃げたのよ!!」


 泣きながら己の過去を話す魔女。きっとかつての仲間への懺悔も含まれているのだろう……。


「そして私はあの日、偶然出会った次世代の勇者君を封印の生贄にしようと決めた」


 魔法使いたちの表情が強ばった。


「魔王が封印されたらあんた死ぬんだから、自分でやればいいじゃない」


 魔法使いが突き放す様に問いかけた。


「ダメよ。300年の間に、私の勇者の力は殆ど無くなったわ。それに、今の私は魔物に近い……」


「そう、でも私たちはやるわ!」


 意気込む魔法使い。


「封印したら勇者君が死ぬのよ!出来るの!?」


 魔法使いに詰め寄る魔女。


「何言ってんのよ!私たちは魔王を倒すのよ!!」


 親指で首を斬る仕草をする魔法使い。


「あたし達でも出来なかったのよ……あんたらなんかに―――」

「何よ、あんた私たちに負けたじゃない?それに、こっちには伝説の武具があるんだから!!まだ2つしか無いけど……ね」


 ニカッと笑う魔法使い。僧侶もやる気十分だ。



「はは、若いっていいわねぇ……」


 魔法使いは仰向けで倒れると腕で涙を拭き、かつての仲間に思いをはせるのであった……。


「確かに……あんたらならやれそうだわ」

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