表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
31/50

ケツの故郷 前編

 勇者一行は伝説の武具の1つを求め、山奥の村へ来ていた。


「勇者どの、本当にこんな山奥のクソド田舎に伝説の兜があるのでしょうか?」


 さらりと悪態を突く戦士。


「おい、俺の故郷に何て言い草するんだよ……。まぁ、確かに田舎だけどさ」


 村を見渡しても店は小さな酒場1件のみ、旅人もめったに訪れない為宿屋すら無い。


「さっさと兜見つけて、クソド田舎からおさらばしましょ!」


 追い打ちをかける魔法使い。容赦が無い。


「勇者さんのご実家は……?」


 久しぶりに勇者とまともな会話する僧侶。いつ以来だろうか?


「ああ、魔王の魔法で無くなったよ……。俺をかばったせいで母親も…………」


 少し俯く勇者。


「そうでしたか、すみません……」


 やるせない僧侶。


「いや、いいんだ。ごめんよ泊まる所すら無くて。なんとか酒場のオヤジに頼んでみるからさ。ちょっと待っててよ」


 本当にボロ臭い酒場へ1人入って行く勇者。




 酒場の中は古臭さMAXで、近所のオッサンのたまり場の様な感じになっていた。酒場のオヤジは勇者を一目見て驚いた。


「おお!勇者じゃないか!久しぶりだな。どうだ勇者稼業の方は?」


 久々の故郷で勇者の顔も思わずほころんだ。


「まぁ、ぼちぼちかな? オヤジよ、久々ついでで悪いが俺含めて4人程泊めてくれないか?」


「おいおい、家は狭いんだぞ。それに金も無いし泊める余裕なんか――」


 勇者はお金の入った小さな麻袋をカウンターに置いた。オヤジは脊髄反射で受け取り中身を確認し―――


「ん〜俺は良いけれどカカァが何て言うか……」


 もう一声。と言った感じで渋り始めた。


「泊まる中には女が2人居る。1人はわがままドスケベボディだ!」


 小さな声でささやく勇者。


「おぅい!早く言え! いくらでも泊めてやるぞ!!」


 明らかに顔色を変え、ゲスい笑いを浮かべるオヤジ。



「いいってさ〜」


 外で待つ3人に合図を送り、ひとまず村で情報収集を行う勇者一行。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ