ケツのドラムと伝説の盾
勇者一行は伝説の盾があると噂のダンジョンへやってきた。ダンジョン内は暗くジメっとしており、一度入ると出られないと評判であった。
「まずは……北へまっすぐね……」
魔法使いが街の人から聞いた話をメモった紙を見ながら進む。
「ちょっと勇者!なにチンタラ歩いてるのよ!!」
はるか後方で剣を杖代わりに歩く勇者。その足取りは遅く、生まれたての小鹿並であった。
「す、すまん。ケツの具合が悪くて……」
ゲッソリとした勇者。尋常じゃない程辛そうだ。
「だからあれほど止めとけって言ったじゃない!なのに超激辛マーボーなんか食べるから!!」
「ごめん……」
今にも死にそうな勇者を見かねて、戦士がおんぶをしてくれた。
「これモンスターに遭遇したら終わりよ! オワタ式よ!全力で逃げるわよ!」
魔法使いが先頭を歩き始めた。
「あった!」
思ったより簡単に見つかった伝説の盾。しかし、近くにあった巨大な石像が動きだし勇者たちに襲い掛かってきた!!
急いで勇者を降ろす戦士。
「勇者、アレ出しなさいよ! ドラムドラム!!」
魔法使いが横たわる勇者に呼びかける。
「戦いのドラムかい? ……ごめんケツが痛いから今回は無しでお願い……」
勇者は顔だけこちらを向けて話した。
戦いのドラムとは全員の攻撃力と守備力を上げられる便利アイテムだ!
「はぁ!? ただでさえ3人でボスとか信じられないのに便利アイテムすら使えないなんて無理よ!縛りプレイなんかしたくないわよ!!」
勇者のケツに手を入れようとする魔法使い。
「た、頼む!今回はマジで勘弁してくれ〜!!」
泣きながらお願いする勇者。
「ちっ! じゃあ代わりにこっちを叩くわよ!!!!」
手を大きく振りかぶる魔法使い。
ッッパアァァァン!!
戦場に勇者のケツドラムが鳴り響いた!
痛みで声にならない勇者。右のケツが赤く腫れ上がった……。
「おお、何と綺麗な音色でござる」
戦士の攻撃力と守備力が上がった。
「重ねがけよ!」
ッッパアァァァン!!
戦場に勇者のケツドラムが鳴り響いた!
痛みで声にならない勇者。左のケツが赤く腫れ上がった……。
「おお、何と綺麗な音色でござる」
戦士の攻撃力と守備力が上がった。
「よし、後はガンガンいくわよ!」
気合十分の3人。
一方勇者は魂が抜けていた……。




