ケツの杖
祠を出て、船に戻る勇者一行。真顔の戦士。上機嫌の魔法使い。よそよそしい僧侶。
「おい勇者!次はどうするんだ!?」
魔法使いが妙に上から目線だが我慢我慢……。
「次は南の海から川に入って上陸して、すぐそばの村に行くつもりだ」
「ふーん。一応当てはあるみたいだな」
「あ!魔物のお出ましでござる!」
戦士が声を上げた。
海と言えども魔物は出る。時には甲板に上がってくる奴もいるくらいだ。
海を覗くと大きな魔物クラゲが4匹。こいつらは長い触手で痺れさせてくる卑劣なやつらだ! 過去に逃げられずに全滅したこともある(3敗)
「勇者!雷の杖と癒しの杖を!!」
杖には戦闘中に使うことによって、魔法の様な力を発揮する物がある。雷の杖は電気を発し、癒しの杖は傷付いた者を治してくれる。
「ああ!」
勇者は躊躇いもなく、ズボンを下ろしケツから杖を出した!!
その光景を直視した僧侶は思わず目をそらした…。
「ほらよ!」
魔法使いは杖を受け取ると呪文を唱え、魔物クラゲに電気をお見舞いした。一方、僧侶は杖には触れず身を守っていた。
(俺が僧侶の立場なら、まぁ躊躇うわな…。ごめんよ僧侶)
勇者は癒しの杖を自分の服で拭き、僧侶のそばに置いた。
「うおおおお!!」
勇者は下半身丸出しのまま、魔物クラゲに斬りかかる!
何とか魔物クラゲを倒した勇者。
ズボンと杖を持って船の中へ行き、杖をケツに入れ、ズボンを履いて戻る。少々気まずい。
そうこうしている間に、船は次の目的地へ着くのであった。