ケツのコイン 前編
勇者一行は、超大金持ちの家の前に居た。
「ここがあのオッサンのハウスか……」
そびえ立つ豪邸を前に勇者の溜息が漏れる。
「こんにちは〜」
勇者がいつも通りフランクに中へ入った。
「うむ、私がこの屋敷の主であるぞ!!」
金持ち臭満載の太ったヒゲのオッサンがお出迎え。
「単刀直入に話します。次のイベントアイテムをくれ」
ぶっちゃける勇者。
「なに!? あれは我が家の家宝であるぞ!!そうやすやすと渡すわけにはいかん!!」
怒るオッサン。 無理も無い。
「どうせ条件があるんだろ? 早く言えや」
お使いイベントが嫌いな勇者。段々面倒になってきた。
「うむ、代わりと言ってはなんじゃが、家のせがれもいい歳じゃ。そこで、誰か良い相手を探して欲しいのじゃ!」
ヒゲをいじりながら説明するオッサン。金ピカの指輪がウザい。
「どうも、せがれです」
と登場したのは、どう見ても40代の小汚い中年であった。
「(うわぁ…)」
心の声を何とか抑える魔法使い。
「せがれは私に似て、とてもハンサム!年は今年で24歳じゃ」
せがれの肩を抱くオッサン。
「好きなタイプは、キレイで、家事が好きで、母性本能溢れる人で、、、巨乳がいいな!!」
はっきり言い切るせがれ。おそらくは巨乳が全てだろう。
「そ、そうですかぁ〜。頑張って探してみます〜」
営業スマイルで一先ず退散した勇者。
「ちょっと!! そうするのよアレ!!」
怒り心頭な魔法使い。ごもっともである……。
「そ、そうだな。とりあえず作戦を考えようか……」
酒場へ入る勇者一行であった。




