ケツの服
吊り橋から落ち、川に流された勇者。気が付くと洞窟に流されていた。
「くそぉ!ここはどこだ!」
ケツから松明を取り出し灯りを付けた。
洞窟の中は暗く、奥まで続いている様だった。
「行くしか無いのか…」
仲間に目的地は伝えてあるが、一度も行ったことが無いので、移動魔法が使えない。自力で合流するしかないのだ。
カツ、カツと勇者の足音だけが洞窟内にこだまする。
「一人旅なんていつ以来だ…。モンスターが出なければ良いが……」
何時になく弱気な勇者。しかし彼は1人では無い。
「そうだった!!」
思い出したかの様にケツの中を弄る勇者。
「ピピーッ!!」
ケツから何時ぞやのスライミーが現れた。
「ははっ!ごめんごめん、忘れてたよ」
スライミーと熱い抱擁を交わす勇者。ケツの中に居たからか、妙に生暖かい……。
意気揚々と2人旅を始める勇者。幸いにも出てくるモンスターは勇者1人でも倒せる程であった。
何もしなくてもLvが上がっていくスライミー。心なしか逞しい顔付きになった様な気が…。
「何かスライミーにも装備出来る物は無いかな?」
再びケツの中を弄る勇者。弄る度にケツの中からガラゴロと音がする。お目当ての物を見つけた勇者。少しずつケツの中から引っ張り出す。
「じゃん!」
と、小さめの服を取り出した。それをスライミーに被せる勇者。
「おおー!似合う似合う!!」
スライミーもご満悦の様だ。飛び跳ねて喜んでいる。そして洞窟を抜けると、周りを山に囲まれた小さな広場へ出た。広場の先には小さな小屋があり、小屋のそばに薪やナタが置いてある様は、誰かが住んでいる様であった……。
「とりあえず行くか……」
勇者とスライミーは小屋へと向かった。
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