ケツの仲間
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*スライミーが仲間になりたそうに*
*こちらを見ている。 *
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「やった!!」
ガッツポーズを決める勇者。ここ最近で一番嬉しそうだ。
「スライミー? 雑魚じゃない?」
魔法使いが怪訝に嫌そうな顔をした。
「いいんだよ。俺を慕って仲間になるって言うんだぞ」
スライミーと熱い抱擁を交わす勇者。
「ま、良いけど。あんたが面倒見るのよ!」
やれやれと言った感じの魔法使い。
「……しまった。どうしよう魔法使い」
「今度は何よ」
急に神妙な面持ちになる勇者。
「パーティは4人までって決まってる。馬車も無いからスライミーの居場所が無いんだ!」
半泣きで訴える勇者。
「何よ、別に5人でもいいじゃない」
呆れ顔の魔法使いは深く溜息をついた。
「駄目なんだ![憲法47条 勇者の在り方]にも書かれている。パーティ過多は懲役10年以上の大罪なんだ!!」
驚愕の事実を説明する勇者。
「えっ!?法律で決まってるのそれ?」
混乱する魔法使い。
「知ってた僧侶?」
魔法使いの問いに黙って頷く僧侶。
「……ならスライミー諦めたら?(きっとスライミーと離れたくない!とか言うんでしょうけどね…)」
魔法使いが何となく嫌そうな顔をする。
「いやだ!」
顔をブンブン横に振る勇者。
「酒場での正式な手続き以外でのパーティ離脱は、[憲法54条 仲間の扱い]で禁止されているんだ!!違反すれば300万の罰金だ!!」
「そっちかい!!」
1人突っ込む魔法使い。僧侶に目配せすると、僧侶は黙って頷いた。どうやら本当の様だ。
「じゃあ どうするのよ!!」
魔法使いが苛立ち始めた。
しばらく考える勇者。一陣の風と共に名案が浮かんだ。
「そうだ!!」
突然スライミーを掴んだ勇者。一気にケツにスライミーを押し込む!
──スポッ!
スライミーは勇者のケツの中に消えてしまった。
「これで解決だ!」
満足げな勇者。
「あんたがそれで良いならいいわよ…」
呆れる魔法使い。仲間とはいったい…………。
そして少し歩いた僧侶に戦慄が走った!
「(私もいつか勇者のお尻に入れられてしまうかも!!??)」
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