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ケツの仲間

 *****************

 *スライミーが仲間になりたそうに*

 *こちらを見ている。      *

 *****************


「やった!!」


 ガッツポーズを決める勇者。ここ最近で一番嬉しそうだ。


「スライミー? 雑魚じゃない?」


 魔法使いが怪訝(けげん)に嫌そうな顔をした。


「いいんだよ。俺を慕って仲間になるって言うんだぞ」


 スライミーと熱い抱擁を交わす勇者。


「ま、良いけど。あんたが面倒見るのよ!」


 やれやれと言った感じの魔法使い。



「……しまった。どうしよう魔法使い」


「今度は何よ」


 急に神妙な面持ちになる勇者。


「パーティは4人までって決まってる。馬車も無いからスライミーの居場所が無いんだ!」


 半泣きで訴える勇者。


「何よ、別に5人でもいいじゃない」


 呆れ顔の魔法使いは深く溜息をついた。


「駄目なんだ![憲法47条 勇者の在り方]にも書かれている。パーティ過多は懲役10年以上の大罪なんだ!!」


 驚愕の事実を説明する勇者。


「えっ!?法律で決まってるのそれ?」


 混乱する魔法使い。


「知ってた僧侶?」


 魔法使いの問いに黙って頷く(うなず)僧侶。


「……ならスライミー諦めたら?(きっとスライミーと離れたくない!とか言うんでしょうけどね…)」


 魔法使いが何となく嫌そうな顔をする。


「いやだ!」


 顔をブンブン横に振る勇者。


「酒場での正式な手続き以外でのパーティ離脱は、[憲法54条 仲間の扱い]で禁止されているんだ!!違反すれば300万の罰金だ!!」


「そっちかい!!」


 1人突っ込む魔法使い。僧侶に目配せすると、僧侶は黙って頷いた。どうやら本当の様だ。


「じゃあ どうするのよ!!」


 魔法使いが苛立ち始めた。



 しばらく考える勇者。一陣の風と共に名案が浮かんだ。


「そうだ!!」


 突然スライミーを掴んだ勇者。一気にケツにスライミーを押し込む!


  ──スポッ!


 スライミーは勇者のケツの中に消えてしまった。


「これで解決だ!」


 満足げな勇者。


「あんたがそれで良いならいいわよ…」


 呆れる魔法使い。仲間とはいったい…………。



 そして少し歩いた僧侶に戦慄が走った!


「(私もいつか勇者のお尻に入れられてしまうかも!!??)」


読んで頂きありがとうございます。

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何でもお待ちしております。

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