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夜の王都、夜の森

一話目!

もう一話できるかな……

もしかしたら、0時過ぎちゃうかもしれません。

「…………」


あのあと、僕は王都内をウロウロしていたらなんとか宿屋に着いた。

ウチのメイドさんからものすごい説教の嵐が来たが、部屋に残った封筒をみつけると、最後に励ましの言葉を貰った。

正直、今日は悪いこともあれば良いこともあった高波のような日だった。


僕は今王都を散歩している。

まぁ気分転換だと思って貰って構わない。


夜になっても王都は賑やかだ。

カールフィンデン領では夜更かしは禁止だから夜は静かだけど、王都は夜もまるで昼のように騒がしい。


昼のように迷子になってはいけないので、メイドさんから転移魔法の晶石を貰った。

晶石は魔法の使えない者でも魔力を流し込むことによって付与された魔法が使えるようになるもので、今回は転移魔法、そして転移先は宿屋の部屋に設定してある。

これでチンピラに絡まれても大丈夫だと、メイドさんに言われた。


「………ここは暗いんだ」


少し歩いてるとお昼にフィストさんに会った裏路地に来ていた。


相変わらず大通りからの賑やかな声が聞こえて来るが、ここは静かだ。


ただなんとなく、裏路地を歩いて行く。

チンピラなどが来るとは思っていたが、ここは誰もおらず、何か落ち着く。


と思っていたら、誰か木箱の上で座っているようだ。

暗くて顔はよく見えないが、わずかに見える華奢な体格から、女の子だと予測される。


「あの……ヴィル、でいいのかな」


そのまま素通りしようと思ったら、その子から声をかけられた。

しかも、なぜか僕の名前を知っているようだった。


その子に対し、僕は振り向く。


「君は……?」


そう聞いたら、雲に隠れていた月が出てきて、よく見えなかった顔が露わになった。


黒髪のショートで前髪を二つのヘアピンで留め、身長は僕と大体同じ(でもちょっとだけ低いかな)。

そして目も真っ黒で、ここらでは珍しい黒髪黒眼だ。

……いや、確か勇者も黒髪黒眼だったか。

あと、年齢も僕と同じくらいだろう。


「私はスズネ。よろしくね」

「え、あ、はい、よろしくお願いします」


自己紹介されこちらも頭を下げたところ、彼女……スズネさんは笑顔になった。

その笑顔は非常に可愛らしいもので、一瞬だが彼女に全てを持っていかれると錯覚したほどに。


っと、いけないいけない。

僕にはまだフィナ達がいるんだ。

僕は彼女達を信用すると決めたではないか。


……それより、なんでスズネさんは僕のことを知っているのだ?

名乗った覚えは……ああ、昨日の喧嘩事件か。

あの時は見物人もそこそこいたし、彼女もそのうちの一人だったのだろう。


「それで、僕に何がご用ですか?」

「………」


彼女は無言でボーッとしている。


「スズネさん?」

「………………」


時よりニヤついたり、不満な顔になったりとしている。

なんか僕が悪いことでもしたのだろうか?


「あのー、大丈夫ですか?」

「え、あ、うぇっ!?ご、ごめん。私、最近あまりちゃんとした会話をしなかったから!」


急にオドオドし始めたスズネさん。

なんだこの子かわいいな。

よく見たら顔のパーツは整ってて、つぶらな瞳は可愛らしさを引き立てていて、スリムな腰と華奢な脚が良い体を証明している。

胸はぺったんこだけどね。


「………」


なんか目線が鋭くなったような……

やっぱり胸が無い女の子はこういうのに敏感なのだろうか?


それにしてもちゃんとした会話を最近してないって。

この子が普段どうしているのか気になる。


「それで……スズネさんが僕を呼び止めたご用はなんですか?」


聞くと、彼女はふうと息つき、何かを確認したように頷き、僕にまた笑みを浮かべた。


「いいえ、なんでもありませんよ。ただ、確認したいことがあった……ただそれだけです」


確認したいこと……?

それは何か聞こうとしたら、彼女はまた暗闇へと帰って行っていた。


なんだろう……奇妙な子だったな。


フィストさんといい、スズネさんといい、ここはミステリースポットなのかと思ってしまった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



「ふんっ」


夜中………森の中で二人、いや一柱と一体で魔物を狩る俺とフィスト。


魔物はこの世界に蔓延る寄生虫の中でも一番害悪に近いだろう。

元々魔物は生命というサイクルの中で突然変異したウィルスであって、魔王が総ているわけでは無いのだが……

なぜか人間達は魔王が魔物を操り攻めて来たと思い込んでいる。

魔王が総るのは魔族だけだというのに……


魔族と魔物はそもそもの存在原理が違う。

第一魔族は人間と同じく子供を産み、成長し、疫病や老衰で死ぬ。

魔物は生物、もしくは物質や大気中の魔力が変質して現れる存在だ。


平ったく言えば魔族はどちらかというと人間よりなのだ。


ただ魔族はエルフよりも保持する魔力が多く、魔物の発生率を微量ながら高くしてしまい、魔族にしか使えない特別な魔法『使役魔法(サモン)』で魔物を手懐けることができることから、人間達は魔族=魔物=その王である魔王こそ害悪だと決めつけてしまうのだろう。


それは魔族側でも言えることで、人間が我々を理由なく攻めると勘違いし、魔族側から人間に戦いを売ることが多くなった。


全く……誤った知識が意味の無い争いを生み出すとは……愚かだ。


話を戻そう。

我々は今、魔物の密集するこの森で、とある『魔物』を探している。

俺はたしかに神ではあるが他の神のように奇妙な力は使えない。

神といえど全能では無いのだ。

その代わり、俺は実体ありでの戦闘が得意だ。


人々からは『信念』を司る神だとか言われているが、ただまっすぐな性格なだけだ。


よって、索敵にはフィストを使うしか無いのだが、フィストも俺と同じく全能では無く、実行できる空間操作も範囲が限られている。

そのため暗い森の中わざわざ探しに来ているというわけだ。


しっかしあのアナ姉妹、ヴィルのことを見るのは良いがせめて『ヤツ』がどこにいるのか情報くらい欲しいものだ。


ため息をつきながら俺は探し物をする。

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



作者「春休みの課題が多くて鬱寸前の作者でふ」


ヴィル「で友達と遊んだりこの作品更新したりで結局始業式の数日前に集中するんでしょ?」


作者「遅れなきゃいいんだよ」


ヴィル「君は向上心というものが」

作者「ありませーーーーん!」


ヴィル「即答かい……」

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