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人生が余りにもクソだったので、とりあえずネット小説を書いてみた  作者: 瞳夢
第一部 人生は絶望だけじゃない!
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第4話「エロ要素を考えるべし」

第4話目になります。思った以上にハイペースで投稿できそうですので、引き続きご閲覧のほどをよろしくお願いいたします。作品の面白さも加速していけるようにしたいと思っております。

      第4話「エロ要素を考えるべし」


 あれから、学校の日課は無事に終了して、今は放課後になっていた。


 なんというか、今日はいつも以上に濃い一日だったな。


 一日で色々なことがありすぎた。特に梨衣先輩絡みではあったが。


 正門に行くと、咲姫がそこで待っていた。


「悪い、咲姫。待たせたな」


「本当だよ。お兄、一体かわいい妹を待たせてなにをしてたの?」


「自分でかわいいとか言うなよ」


「なによ、かわいくないの?」


「いや、かわいいけど」


 つうか、このやり取り朝にもしなかったけ?

 

 俺は微妙なデジャブを感じながら、スーパーに向かうために歩き出す。咲姫も俺のあとについてくる。


「別に咲姫は先に帰っててもいいんだぞ」


「ううん、咲姫もついていく。もしかしたら、スーパーに行ったら食べたいものも変わるかもしれないから」


「あいよ。そんじゃ一緒に行くか」


「うん」


 俺はそんな咲姫を連れてスーパーに向かった。


***********************


 結局、咲姫の要望で夕食は生姜焼きに決まりそれを二人で作ってそれを食べていた。


「ああ、咲姫。ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」


「ん? なにお兄」


「もし俺が咲姫の着替え中に部屋に入って来たらどうする?」


 俺がそう聞いた瞬間、ご飯を食べていた咲姫の手は止まり、次第に咲姫の綺麗なルビ色の瞳は、ゴミを見るような目になっていっている。


「いきなりなに? お兄まさか童貞拗らせて、ついには妹に欲情しちゃったとかそういうオチ? でも、さすがにそんなことをされれば問答無用でぶん殴るよ」


「色々と言いたいことはあるけれど、答えてくれてありがとう」


 うーん、やっぱりこの反応は某妹小説で読んだのと、同じリアクションか。それなら……


「だったら、兄貴におっぱいを揉まれるとしたらどうだ?」


「お兄、本当にさっきからなに言ってんの? 警察に捕まりたいんだったら、喜んで通報してあげるけど」


「待て待て! 俺がこうして妹にセクハラしているのには、ちゃんとした理由があるわけでだな」


「セクハラ行為をしていることは認めるんだね」


 咲姫の俺を見る目が一層ひどくなっている気がするが、今は気にしてはいけない状況だよな……多分。


「それでどうしてそんなことを聞いてきたの?」


 それでも咲姫は理由を聞いてくれるみたいなので、俺も素直になぜ今その質問をしたのかを話した。


 話を聞き終えた咲姫は大きなため息を吐いた。


「お兄、バカなんじゃないの!」


「はい、おっしゃる通りでございます」


 やっぱり、現実はライトノベルのようにはいかないか。


 それから俺は咲姫にこってりと小一時間ほどの説教をされてから風呂に入り自室に戻っていた。


 ああ、疲れた。あんなり怒んなくてもいいのに。でも、やっぱり、現実なんて非情だよな。


 俺はそう感じながら、スマホで小説投稿サイトのマイページを開いていた。今日あげた最終話の反応を見るためだ。


 どれどれ、どんぐらい見てくれてるのかな。っと、アクセス数は250か。そしてptは24ptと。やっぱり、凡人は凡人なのか。感想のところを見ると、2件の感想がきていた。きっといつも感想をくれるHimeさんとPearさんだろう。

 感想のところを開いて二人の感想を見てみると、いつも通りの温かいコメントが書いてあった。

 Hime『ふん! 最後の最後まで自己満足小説だったけど、Naruらしい作品だったとは思う。次の作品も楽しみにしてる』


 Pear『Naruさんの小説が終わってしまうのは、とてもとても寂しいですが、次の新作を待っていたいと思っております。半年間、本当にお疲れさまでした』


 片方は生意気な感じの人だったが、感想からいつも楽しんで読んでくれているのが伝わってきていたので読んでいて嬉しかったことを覚えていた。そして、Pearさんに関しては、Himeさんに比べて言葉が丁寧で分かりやすく感想をくれるので、読んでいて自身の作品の参考になっていた。


 この二人のためにも、なるべく早く新作を完成させないとな。


 俺はそう思い自分に気合を入れ直した。とりあえず、ラブコメと方向性は決まったので、ラブコメ要素が強いライトノベルをぱらぱらと読み漁っていく。


 たしかに綾人の言う通り、そういった作品を読んでいくと、ラッキースケベ的なお色気要素がふんだんに散りばめられていた。いわゆる、さっき咲姫に聞いたことなども含まれている。

 それを踏まえて自分の作品を振り返ってみると、これらの作品に比べると、お色気要素といった概念がまったくと言っていいほどなかったと思い直した。


 学園ラブコメを書く上で、やっぱりこういった要素は外せないよな。でも、それじゃあ、キャラはどうしよう。大まかな内容や入れる要素は浮かんできたが、肝心のキャラがまだ定まっていない。

 

 うーん、そう考えるとキャラはどうしたものか? 以前使っていたキャラを再利用するっていうのもありではあるけど、そんなことは絶対にしたくない。そんじゃあどうするかね。


 俺が考えあぐねていると、部屋の扉が外からノックされた。


 ん? 咲姫か。こんな時間にどうしたんだろう?


「お兄、入ってもいい?」


「ああ、いいぞ」


 俺がそう答えると、控えめに扉を開けて咲姫が中に入ってきた。


「どうした? 咲姫」


「うん、ちょっとお兄に聞きたいことがあって」


「聞きたいこと?」


 俺は疑問に思いながらも、寝間着姿に着替えていた咲姫にベッドに座るように促した。

俺的には立ち話もなんだからの意味で言ったつもりなのだが、咲姫はそうは思わなかったみたいで。顔を真っ赤にすると、腕で自身の体を守るように抱いた。


「咲姫を隣に座らせて、押し倒して襲うつもりでしょう! お兄のエッチ! スケベ! 変態! エッチ!」


「違うわ! 誰がそんなことするかよ! それにエッチってなぜ二回も言った! さすがの俺も傷つくからね!」


「うっさい! ド変態! じゃなきゃ、さっきもあんな質問してこないでしょう!」


「だから、あれは小説の参考にするためだって言っただろう!」


「信用できるわけないじゃん! 次第には、咲姫がいない間に部屋に忍び込んで、咲姫の下着の匂いを嗅ぐつもりなんでしょう! もう咲姫はお嫁にいけない!」


「待て待て! 勝手に話を加速させるなよ! いいか、咲姫! 兄貴が妹に対してエッチな感情は抱かないことは、某有名な妹ライトノベルで証明されただろう!」


「そんなの根拠になるわけないでしょう!」


「ああ、もう! それじゃあどうしたら信用してくれるんだよ!」


 俺が半ばやけくそ気味にそう叫ぶと、咲姫はにやりとした笑みを浮かべた。俺はその咲姫の笑顔を見て、背中に冷や汗が流れるのを感じた。なぜだか、すごく嫌な予感がする。それはまるで、昼休みに先輩が訪ねてきたときみたいな。


「お兄、咲姫に信用してほしいんだよね?」


「ああ」


「じゃあさ、今から咲姫がする質問にすべて正直答えてくれたら信用してあげる」


「質問って?」


 咲姫はもう一度笑うと、俺のベッドに腰を下ろしてから一つ目の質問をしてきた。


「お兄、今日生徒会長から告白されたでしょ?」


「ぶっ!」


 俺は思わず吹き出してしまう。どうして、咲姫がそのことを知ってるんだ?


「あのね、あの生徒会長が告白したことが、学校内で話題にならないわけないでしょ。でも、その反応を見る限り事実みたいね。それじゃあ、二つ目の質問。生徒会長とキスしたって本当?」


「ちょっ!」


 咲姫は一体どこまで知っているんだ。なんとかして誤魔化そうと思うが、咲姫の目を見ると、言い逃れは許さないといった感じで見ていたので、俺は正直に生徒会室であったことを話した。

 

 咲姫は終始無言で俺の話を聞いていたが、聞き終わったあとにはため息を吐いてベッドに寝っ転がってしまう。


「おい、咲姫?」


「咲姫、今日はここで寝るから」


「はっ? お前いきなりなに言ってんの? 駄目に決まってんだろ。部屋に戻れって」


「ちなみに、無理やり返そうものなら、学校でお兄にセクハラされたって言いふらしてあげるから」


「ぐっ……それは卑怯だぞ。でも、まぁ、俺が床で寝ればいいことか」


「ああ、そうした場合も言いふらすからね」


「はいぃぃ! お前それはおかしいだろ!」


「咲姫にセクハラを働いた罰だよ。いいから、早く寝なよ」


 どこが罰なんだよ。それになんだか腑に落ちねぇ。だけど、今は咲姫に従うしかなさそうなので、俺は仕方なく咲姫の隣に入った。


「こうして眠るのって久々だね」


「久々も何も俺とお前は一緒に寝たことがないだろう」


「むぅ、ロマンがないなぁ~。そこは普通小説書いてるんだったら、気の利いたセリフとか言うものじゃないの」


 咲姫は不満そうに俺のことをジト目で睨んでくるが、俺はそこで一つ言いたいことがあった。無茶を言うなと。だって、咲姫の奴、意外にも育つところは育っていて、そしてシャンプーの匂いなのか咲姫自身の匂いなのかは分からないが、さっきからいい匂いと肌と肌が当たる感触とかが伝わってきているので、俺の心には気の利いたことが言えるほどの余裕はどこにもなかった。


「でも、お兄の隣って意外と安心するかも」


 またこいつは人の気も知らないで、そんなことを。


 俺は咲姫に文句を言おうと横を向いた。そしたら、すぐ近くに咲姫の顔があってびっくりとしてしまうと同時に、無防備に寝入ってしまった妹に対しての心配がまた増えただけだった。


「まったく、ちっとは警戒しとけって」


 呆れるのと眠気がやってきたのは同時ぐらいで、俺は一気に夢の世界にとらわれていった。

面白いと思って頂けましたら、ブックマークや評価のほどをよろしくお願いいたします。

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新連載始めました。よろしくお願いいたします。 錬金術師と幼な妻~俺に嫁が出来ました~
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