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7.よくある話とふとした疑問

『・・・これを受け、警視庁では広域捜査本部を立ち上げました。』

「物騒ねえ。」

 朝一のニュースが連続通り魔とは、なかなか縁起の悪いことで。朝食を食べにリビングに来たらえらい物騒なニュースがやってた。なんでも全国で通り魔事件が相次いでいるとか。手口が似ていて同一犯らしいとも言ってたけど、そこまでしてやるかな、普通。だって旅費も結構かかるだろうし、そんなポンポン移動してたら体が持たないっていうか・・・何真面目に考えてるんだ。

「赤い髪の人でしょ狙われてるの。なら大丈夫でしょ。」

「流れを見ればそうだが、いつ嗜好が変わるともわからないだろう。念のため気を付けた方がいい。」

 珍しく早起きの刀耶(とうや)お兄ちゃんが眉間に皺を寄せて言った。最近、研究の助手やらなんやらで忙しいから帰宅時間はもちろん休みの日もばらばらで、朝会うのは一か月ぶりくらい。

「気を付けるよ。そういうお兄ちゃんは大丈夫なの、忙しくてこんな時間に起きてるなんて滅多にないのに。」

『・・・続いては今週の天気です。今日は全国的に晴れ模様ですが、本州の早いところでは三日後から梅雨に入る可能性があります。』

「梅雨に入る前に終わらせなくてはならなかったんだが、目処が立って何とか落ち着いた。おかげで今日はいい目覚めだった。」

 そういうことらしい。まあ、なんとかなったんならそれでいいんだけど。にしても、梅雨かあ。梅雨も終わりってタイミングに学校祭がある。もちろん、梅雨時でも降らない時だってあるけど、それでもなんかイメージが悪い。

「そういえばお前のところは梅雨の終わりころだったな、学校祭。」

「そう。屋外でのイベントもあるし、できれば降らないでほしいけど。」

「そういえば、何年か前の学校祭で、あまりの大雨で前日祭がつぶれたって話があったな。」

「ちょっと、やめてよ縁起でもない。」

 冗談抜きでやめてほしい。そんなことになっては先輩と楽しめないではないか。

「まあ、今年は空梅雨になるかもしれないがな。」

「・・・どこも雨予想なんだけど。」

「はじめのうちだけだ。今年は太平洋側の高気圧が強めでな、このままの調子でいくとあっという間に北に抜ける。下手すればしばらく晴れ続きだ。雨より渇水の心配した方がいいかもしれん。」

「うどんの国の人たちは今年も大変そうだねー。」

「・・・阿鼻叫喚の地獄絵図だな。想像することさえはばかられる。」

 冗談のつもりで言った一言だけどお兄ちゃんにはそうではなかったらしい。前に研究の資料集めのために高知に行ったことがあって、その時に大変お世話になったとかで、思い入れなのか何かのトラウマなのか知らないけど、毎年水不足のニュースを聞くと手を組んで祈っている。お兄ちゃん仏教徒じゃなかったけ?

「そういう時って台風が多かったりしない?」

「機嫌屋のあいつらは必ず通ってくれるとは限らんからな。まあ、恵みをもたらすのは間違いない。」

この話の時はさも高知県民かのように話すけど、台風が原因の被害のこととか考えてないんじゃない?ほんと、いつから高知県民になったの?

「よくわからない話してないでちゃんと食べなさい。お兄ちゃん休みだからいいけど茜は学校でしょ。識遠ちゃん待たせるようなことはしないように!」

 おっと、そうだった。余裕はあるけどゆっくりもしていられない。ごちそう様をして戻ろうとした時だった。

「近いうちに空き時間を作れないか?」

「は?・・・えっ?」

予想外の声にテンパって反応できない。見かねたお兄ちゃんは話を続けることにしたらしい。

「はぁ・・・お前が今もてあましているものについいて話がある。一日丸々ほしい。都合のいい日を教えてくれ。」

しかし続けて出た話にまたしても困惑。何の話なのこれ?

「えっと、いまいち要領を得ないというか、何のことかさっぱり?」

「弓張に指摘されたんじゃなかったのか。自覚がないのか・・・これは苦労する未来が見える。」

問い返したら本気で頭を抱えられる始末。

「可及的速やかに時間を空けろ。いいな、今日の放課後までには決めておけ。」

そう言い残して片付けて行ってしまった。識遠先輩に何か言われたっけな・・・うーん、わからん。いづれにしても空きの予定はまだ分からないしなあ。先生が急用で部活が休みになるとかしないと空き時間なさそうだなあ。まあ、夜にならいくらでも時間作れそうだけども。なんかの研究?も落ち着いたとか言ってたから、お風呂後とか何とかできそうだなあ。

「いってきまーす。」

 とりあえずは学校で考えよう。一日もすれば考えもまとまるだろうし。






「部活休み?」

「そうなんだー。なんでも理科系の先生方の集まりがあるとかで出張なんだってー。顧問の先生いないと練習しちゃダメなことになってるから今日はお休み。明日もお休みだってー。一応筋トレとかはしててねー。」

 昼休みに斑鳩先輩がきて部活が休みになったといわれた。まさか本当に休みになるなんて。特に学校祭の準備もないから、今日明日大丈夫かお兄ちゃんにきいてみよう。さっききいてみたら誰も用事ないみたいだから今日はこのままお帰りだし。

「またねー。」

「うん、それじゃあ。ああ、帰り道気を付けなよ。なんか最近物騒な話聞くから。」

「うーん、確かに心配だけど、茜ちゃんなら大丈夫だと思うよ。かなり強いし。」

「まあ確かに。弓張先輩もいるしなあ。とはいえ、しっさいに襲われたらどうなるかわからんからな、気を付けるに越したことはないでしょ。」

「そういってる二人こそ気を付けてよね、まったく。」

 朝のニュースやっぱりそれなりに広まってるんだ。全国を転々としている通り魔なんて恐怖以外の何物でもないしなあ。

 さて、先輩のところに行って早く帰ろっと。でも用事があったら一人で帰らないと。さっき二人が言ってたことじゃないけど、いざとなると一人じゃあ心細くなっちゃうなあ。

「はあ・・・そういえば先輩お仕事してるって言ってたけど、どれくらい強いんだろう。この間の斑鳩先輩との手合せの時は見てただけだけど、見ただけで私のことわかってたし、誘導もされたし、一対一でやったらかなり強いと思うんだけど。」

 そこら辺のことはあんまり、というか一切聞いたことがない。強くないとできない仕事をしてるって聞いたけど、何の強さかの部分はさっぱりだし、それだって直接聞いたわけじゃあないし。

「普通なら腕っぷしとか腕力とかのことだと思うけど・・・頭の強さとか?まさかメンタルだったり?」

「おっと」

「あっ!ごめんなさい!」

「いえ、こちらこそ申し訳ありません。大丈夫ですか?」

 考え事しながら歩いていたらぶつかりそうになってしまった。見た限りでは二年の先輩みたいだけど。

「もしかして剣崎さんでは?」

「へ?」

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