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4.少女の試合と異常な本領

一回データ吹っ飛んだので一から書き直したら二百字減った件。無駄が多いということでしょうか。

 今現在、弓道場の空気は張りつめている。道場の中央で茜ちゃんと斑鳩が竹刀を持って対峙しているのが原因だ。元を辿れば私が原因なのだが。茜ちゃんが剣道向きであるかどうかは実際に経験してみた方が早い思ったのでそうなるよう仕向けた次第だ。本来、弓道場、特に射場でふざけるのは厳禁なのだが、放課の生徒がいないうえに、これから行うのは至って真面目なものである。大目に見てもいいだろう。本当はよくないが。

 何処から竹刀が出てきたかというと茜ちゃんの携帯空間収納の中からである。なぜかは知らないが複数の竹刀を持ち歩いているようだ。

「師匠、斑鳩がだいぶ緊張しているようだが・・・殺気というやつか。」

「ケン先輩は把握が早くて助かります。茜ちゃんは並外れた殺気を特定の相手にのみ中てることができます。」

 これが茜ちゃんが剣道向きである理由の一つである。殺気を放つことができるだけでも十分なのだが、それが異常に強く、制御できているというのは修羅場を潜り抜けてきた人間にしかできないといわれている。

 しかし、剣道向きというのはどちらかといえばもう一つの方の茜ちゃんの特技に拠るところが大きい。それが如何に異常かわかるよう、斑鳩には仕込みと指示、茜ちゃんにも指示をしておいた。実は斑鳩の持つ竹刀には、相手に幻が見えるよう細工してある。相手には面、突き、小手、胴を同時に繰り出してきているように見える。斑鳩には、胴狙いで踏み込んだあと追撃をするように言ってある。斑鳩は大剣使いであるので竹刀ならば追撃に移るのも楽だろう。茜ちゃんには、なるべく避けて少ない打ち合いで決めてほしい、とだけ伝えてある。

「剣崎のセンスはこれだけではないのだろう、師匠。」

「もちろんです。ここからがすごいところですので、括目してください。」

 三十秒ほどしたころ、斑鳩が踏み込んだ。四人に見える斑鳩のうち、本物は胴を狙うものだけだ。面、突き、小手はほぼ同じライン上にあるため、左右への体捌きのみで避けることができる。実際、茜ちゃんは右へ避けた。

 ここで、私からのサプライズである。避けた先、ちょうど顔が来る位置に矢を放った。茜ちゃんからは顔の正面から矢が飛んできているように見えているいるはずだ。しかし、表情一つけえず、右へ体を落としつつ、顔を傾けることで矢を避け、胴を竹刀で受け止めた。続く斑鳩の回転切りを逆袈裟で弾き、竹刀を返して喉元に突きつけた。

「・・・参った。」

 絞るようにして出した斑鳩の降参宣言でこの打ち合いは終わった。ことが起きたのまさに一瞬だった。





「あれは、なんだ?」

「いわゆる、見切り、というものです。」

 茜ちゃんが剣道向きだという最たる理由は見切りができるからである。見切りというのは、相手の構え、初動などから動きを読み、適切な対処をするというもの。

「つまり、相手を見る観察眼、動きを読む動体視力と勘、それから対処を判断する速さと行動に至る身体能力、これら全てが揃っているということか。」

「そのような感じですね。魔法も含めればほぼ相手の動きを見切ることができると思います。」

「なかなかにデタラメな能力だと思うのだが。いつからこれができるようになっていたんだ?」

「詳しいことは何も。私自身、あれを見たのは初めてですから。」

「知っていて見せたんじゃないのか。」

「普段の動き方が普通のそれとは違う感じだったので動体視力や反射に優れているとは思っていたのですが、まさか見切りができるとは思いませんでした。」

「さも知っているかのように話していた気がするのだが。」

「それっぽく話しただけです。」

「これでよかったんですか先輩?」

 ケン先輩と話していたら茜ちゃんがこちらにやってきた。

「うん。完璧だったよ。それにしても、いつからこんなことができるようになったの?」

 返事のついでに聞いてみることにした。まあ、大方家族との練習中に突然といった感じだろう。道場にいる姿は見たことがなかったけど、家ではそれなりに練習していただろうし。中学生の時にできるようになった、位が妥当かな。早くて小学校高学年だろうとは思う。

「えっと、相手を脅かす方は中学に入った頃でしたけど、相手の攻撃を避けるのは小学入る前からできました。」

「・・・」

「・・・」

 ケン先輩と二人そろって絶句してしまった。

誤字脱字があるようでしたら指摘お願いします。

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