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第2話  マラソン大会

 マラソン大会当日。

 一年生男子はスタート位置についてください、と放送が流れた。

 奏汰(そうた)祐羽(ゆうは)も位置につく。

 走る順番は、男子の次に女子だ。

 男子は三キロ、女子は二キロ。校門を出て学校の周辺をぐるっと回り、学校に戻ってきたグラウンドがゴール地点となっている。


「祐羽、調子はどう?」


「ん、まぁまぁかな〜」


「祐羽には、負けたくないな」


「俺も、奏汰には負けてられないな」


 と、会話を交わす。良きライバル同士だ。

 もうすぐスタートの合図がなる。



「一年生男子、よーい、パンッ」


 ピストルの音を合図に少年たちは勢いよく飛び出していく。奏汰も祐羽も運動はできる方なので先頭集団で走る。


「奏くーん、祐羽くーんがんばれー!!」


 冬菜(ふゆな)がぴょんぴょん飛び跳ねながら、声援を送る。その声を聞いた奏汰はやる気MAXだ。


「奏汰も、祐羽も、ファイトー!!!」


 美鈴(みすず)も負けじと声援を送る。

 学校から走っている人の姿は見えなくなっていった。





 距離も中盤にさしかかった頃、奏汰と祐羽は並んで走っていた。曲がり角にさしかかったときに祐羽がスピードをあげ奏汰を追い抜く。大きな物音がした。奏汰は驚き急いで祐羽のもとに駆けつける。


「祐羽?!!!?」


 祐羽は、走ってきた自転車と衝突し、頭を打ったのか意識がない。奏汰は祐羽をおぶった。

 奏汰は急いで自転車の人の連絡先を聞き、すぐさま学校に向かった。


「死んではないか……世話の焼けるやつだ。」


 と、奏汰はつぶやいた。祐羽は奏汰より少し背が高くおぶって歩くのは、結構しんどかった。が、そんなことを言っている場合ではない。学校に戻ると冬菜と美鈴が驚いた顔をして走ってくる。


「わ、私保健の先生呼んでくる!」


 冬菜が走って保健の先生を呼びに行った。


「いったいどうしたの?」


「自転車とぶつかって、倒れたんだ」


 美鈴が青い顔をする。

 もうすぐ、1年生女子のスタート時間も近い。


「私、走らないで祐羽が目を覚ますか見てる」


 と、美鈴が言う。


「ダメだ、走らなかったら、ペナルティだぞ。あとあと大変なことになる。俺が見てるから大丈夫」


 と、奏汰は冬菜に目線で一緒にスタート位置に行けと目配せする。


「行こう、みずちゃん」


 冬菜に手を引かれしぶしぶ、保健室を去っていった。


「1年生女子、スタート位置についてください。」


 こうなったら、さっさとゴールして祐羽のところに行こうと思う美鈴。隣で見てた冬菜にもそのやる気が伝わってきた。


「1年生女子、よーい、パンッ」


ピストルの合図で、飛び出していく。冬菜は転ばないように転ばないようにと思いながら、精一杯走った。







 美鈴は、一番乗りで学校に戻ってきた。そして、フラフラになった足を懸命に持ち上げながら保健室に駆け込んだ。


「奏汰、祐羽は?!」


「まだ、目は覚まさないけど、大丈夫だろうって、先生が」


「そう……ならよかった」


「美鈴、ちょっと祐羽のこと頼んだ」


 気を利かせ、奏汰が保健室を出て行った。

 眠っている奏汰と二人きりになった美鈴。胸がドキドキすると同時に心配で胸が弾けそうになる。




 祐羽は悪夢を見ているのか、うなされているように見える。




「……あ、すか……」


(あすかって誰?彼女?好きな人?誰誰誰誰誰??)


 苦しそうな顔をしてつぶやく祐羽を見ながら、美鈴は "あすか" が何のことなのか、気になって仕方がない。祐羽とは中学が違う。思えば、祐羽は自分のことを話さない。特に中学の話はしたことがない。



 冬菜もゴールして、冬菜と奏汰が保健室に戻ってきた。


「祐羽!?!!」


 三人同時に声を上げる。祐羽が目を覚ました。


「あれ」


「お前、自転車とぶつかったろ?それで......」


「あぁ、悪りぃ迷惑かけた」


 と言って祐羽が笑顔を作った。冬菜と、奏汰もひとまずホッとして喜んだ。

 ただ美鈴だけが、晴れない表情をしていた。













読んでいただき、ありがとうございます。

よろしければ、感想の方お願いします。アドバイスかあれば教えていただきたいです!




「冬の風が私に恋を連れてきてくれました。」のキャラクター紹介をします!※第1話時の設定です。身長伸びるかもしれないからね。


ご指摘いただきここに入れます!



成瀬(なるせ) 冬菜(ふゆな)

誕生日*12月6日

身長* 154cm クラス*1年6組34番

特徴*セミロング

ど天然、おっちょこちょい、

奏汰に迷惑をよくかけるが奏汰からすれば全然 迷惑ではない。



桐乃(きりの) 奏汰(そうた)

誕生日*5月23日

身長*177cm クラス*1年6組7番

特徴*長すぎず、短すぎずな髪型

意外と面倒見が良い。冬菜の母親のよう。祐羽と仲良し。冬菜大好きマン。基本誰にも優しい。



(さかい) 美鈴(みすず)

*10月14日

身長*160cm クラス*1年6組26番

特徴*ショートボブ

奏汰とともに冬菜の母親のよう。冬菜とは中1からの親友。高校入学時に一目惚れした祐羽に想いを寄せる。


*冬菜、奏汰、美鈴は、同じ中学出身



安堂(あんどう) 祐羽(ゆうは)

*9月15日

身長*180cm クラス*1年6組1番

特徴*少し長めな髪形(チャラそうな感じ、ロン毛ではない)

いつもヘラヘラチャラチャラしているが、内面はとても優しい。笑顔の中に隠された秘密が?

奏汰と仲良し。冬菜、奏汰、美鈴とは中学は違う。



"あすか"

猫?人?彼女?愛犬?祐羽の何者なのか。



てな、感じです。

文章中とかに意味わからん表現ありましたら、質問いただけると嬉しいです!

これからの、展開楽しみです!私が!!(笑)

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