番外編 約束だよ
ユニーク数が1000になった記念ということで、番外編です。
奏汰と冬菜の昔のお話。
三歳の冬菜は幼稚園に通い始めて三ヶ月。隣の家の奏汰と友達になった。毎朝二人は一緒に幼稚園バスを待ち、一緒に幼稚園へ通っていた。親同士の仲がいいのもあって、すぐに打ち解けた。
「冬菜〜、外で奏汰くん待ってるわよ」
いつものんびり支度をしている冬菜を冬菜の母親が急かしてなんとか間に合わせるのが日課だった。冬菜は「行ってきまーす」といい、玄関を飛び出した。
「奏くーん!!おはよーござーいます!」
「おはよーござーいます!」
すでに奏汰は外で幼稚園バスを待っていた。二人はいつものようにペコッとお辞儀をして挨拶を交わす。母親同士も挨拶を交わし、三人で幼稚園バスを待った。少しするとバスが到着した。二人は母親たちに手を振り笑顔でバスの中へ駆け込んでいき、二人並んで座った。
「冬ちゃん、見てこれ!」
と、奏汰はカバンを開け、内側に菓子パンについてくるシールがたくさん貼ってあるのを冬菜に見せびらかした。
「おぉ〜、すご〜い!奏くん」
冬菜は手をパチパチ叩きながら目を輝かせた。そんな冬菜を見て奏汰は満足な顔をした。
バスが到着し、二人はいつものように手をつなぎながら歩いていた。
「冬菜ねー、昨日パパと結婚する!って約束したのー!」
冬菜は突然、昨日の出来事を嬉しそうに話し始めた。
「パパはママと結婚してるから、冬ちゃんはパパとは結婚できないよー!」
奏汰は小さい頃から冬菜よりはしっかりしていた。いつも冬菜のことを隣で見ていた。冬菜は、父親とは結婚できないと奏汰に言われ、少し悩んでから言った。
「そっかぁ〜、じゃーあー、冬菜奏くんと結婚するー!これならいいでしょー?」
「僕も冬ちゃんと結婚すーるー!!約束ね!」
二人は結婚がどんな意味かは、よくわかってはいなかった。
「ゆーびきりげんまん嘘ついたら針千本のーます!指切った!」
二人は小指を絡めて指切りげんまんをし、約束をした。
***
あの約束をしてから11年後、二人は中学の卒業式を迎えていた。卒業式が終わり二人はいつもみたいに家まで並んで帰っていた。
「そういやー、冬菜、なんか昔約束したような気がするけどなんだっけ?」
奏汰がふと思い出したように尋ねた。
「え、そうだっけ?忘れちゃったよ!」
冬菜は頑張って思い出そうとしたが、約束をしたことすらも思い出せなかった。それでも奏汰は何となくいい思い出だったような気がした。
「何のことかわからないけど、その約束守れるといいな!」
「そうだね!その約束を守ると約束しよう!奏くん!」
二人は知らない間に結婚の約束を二度もしていた。
友達になったばっかりの冬菜と奏汰でしたが、どうでしたか?たぶん2人は出会った時から高校生になるまであんな感じで、過ごしてきたと思います。
もう1つ、菓子パンについてくるシールは何のことかわかりましたでしょうか?アレですアレ(笑
小さい子を表現するのは難しいですね。
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