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おめでとう、俺は美少女に進化した。  作者: 和久井 透夏
【スピンオフ】おめでとう、鰍はアイドルに進化したにゃん!
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第4話 面白そうだにゃん

「すばるはずるいにゃ~」

 すばるの手を握り返して呟けば、一瞬きょとんとした顔をした後、えへへ……と恥ずかしそうに笑ったにゃん。


 時々、すばるを見てると、鰍は将晴を男として好きなのか、女として好きなのかわからなくなるにゃん。


 最初は彼女という一番近い立場から、ただ将晴が振り回されてる姿を眺めつつ、面白おかしく引っ掻き回すつもりだったのに……本当に将晴はずるいにゃん。


 それから少しして、すばるがプライベートでやたら啓介と顔を合わせるようになったにゃん。

 将晴は普段男として生活してるから、すばるの格好で出かける事なんて、基本モデルの仕事がある時か、鰍とのデート位しか無いにゃん。


 なのに、その数少ないタイミング、主に鰍とのデートの時に偶然を装って声をかけてくるようになったにゃん。

 何が悲しくて、貴重なデートを恋人を狙ってくる元同級生に邪魔されなきゃいけないにゃん。


 週に三回将晴と会う機会があったのに、その三回全部で啓介とエンカウントした時、鰍はさすがに頭にきたにゃん。

 しかも、「友達の友達は友達だよね!」とでもアピールしたいのか、やたらと鰍に馴れ馴れしいにゃん。


 中学時代はむしろ自主的に舎弟か子分かのような態度をとっていたのに、エラい変わり様だにゃん。

 会話の九割がどうでもいい自慢話で鬱陶しいし、そのくせ、気のあるすばるにはチラチラ様子を伺いつつたまに話をふる位で何がしたいのかわからないにゃん。


「という訳で、今後啓介が本格的なすばるのストーカーになる前に、撃退しようと思うにゃん」

「いいんじゃないかな」


 思い切ってすばるの部屋に行った時に切り出してみれば、笑顔で頷かれたにゃん。

 まずは基本的に事なかれ主義のすばるをどう説得したものかと思っていたのに、随分とあっさり承認を得てしまったにゃん。


「あんまり周りを嗅ぎまわられても困るし、あのタイプは何言っても聞かなそうだから、手っ取り早く+プレアデス+に幻滅してもらうのが一番だよな。結構プライド高そうだったし、その辺を傷つけられるのが一番こたえるだろうな……」


 すばるは啓介の性格を分析しながら考え込むように腕を組むにゃん。

 出先から戻ってすぐで、女装したままなのに、その姿は可愛いというよりは妙に色っぽかったにゃん。


「すばるには彼氏がいるって説明する時、写真じゃなくていっそ一真さん本人に出てきてもらった方がインパクトがあるかもな。それは一真さんの都合次第だけど」


 言いながらすばるはおもむろにスマホを取り出すと、どこかに電話をかけ始めたにゃん。

「一真さんに会って相談したいことがあるって言ったら、すぐこっちに来てくれるって」

 電話を切って、すばるが笑顔で報告してくるにゃん。


 すばるは……というか、将晴は、こんなに活動的だったにゃ?

 一真さんはすばるの部屋のすぐ隣の部屋に住んでるのもあって、すぐに玄関の呼び鈴が鳴ったにゃん。


「……もしかして将晴、結構啓介に怒ってるにゃん?」

「うんっ、ものすっごく」


 玄関に向かおうとするすばるに尋ねてみたら、振り向きざまに弾むような声と可愛い笑顔で肯定されたにゃん。


 そのまますぐにすばるは玄関に行ってしまったけれど、鰍はあの反応に嬉しいと思えばいいのか、可愛いと思えばいいのか、少しの恐さを感じながら悩んだにゃん。


 でも、すぐに止めたにゃん。

 だって、なんだか面白い事になりそうだにゃん。

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