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VS市電

ダイエットには有酸素運動が重要。

とばかりにジムにあります自転車やクロストレーナー。更にはトレッドミルを用いまして

きつくは無いけれども効果的な脈拍数で行われる

適度な拷問を受ける形で体脂肪の燃焼に励むのでありますが

当初。その機械に乗るまでがしんどいのだけれども。

でありましたこれらの運動が

ある日を境にしまして

この運動をしないと落ち着かない。

になりまして

最終的には

有酸素運動をしなければ気がおかしくなってしまう。

に至る。

ある意味中毒。でも合法。

となってまいりまして、

折角走ることが出来るようになったのであるのならば。

と外をジョギングするようになり、

人間は欲深い生き物でありますので

更にはタイムを求めるようになる。

でも学生時代の頃のような心肺機能の限界に挑戦するような運動をしてしまいますと

この世とあの世の境目をふらつくことになる。

良いペースメーカーとなるモノは無いものか?

と豊橋にあります

プロ野球の公式戦が開催される運動公園にクルマを置きましたところ

ちょうど目の前に現れましたのが


豊橋市電。


東海地方最後の路面電車として親しまれております

豊橋鉄道市内線。

運動公園前から終点の豊橋駅前までの距離。4.7キロを22分で走破する。

表定速度に換算しますと時速13キロ弱でありますので

普段より多少きつめのペースにはなりますが不可能なタイムでは無いぞ……。

と判断しまして

モノは試しとばかりに路面電車に沿う形でスタート。


市電の時速が13キロ

とは言いましても

これは客の乗り降りや路面電車は一般道の信号にも制約を受ける。

その辺りのことも勘案しましての所要時間でありますので

スタートと同時に置いて行かれることになりました私。

(……まぁこんなモノだろうな……)

と既に企画倒れに終わったと思いながら

(……でも折角だから)

とテクテク歩を進めていましたところ

起点の運動公園前の次の電停。

井原で私は、市電に追い抜くのでありました。


なぜか?

豊橋の市電には幾つか曲がるポイントが存在します。

その曲がるポイントを進む際、市電は

普通乗用車のように目の前の信号が青になれば曲がって良いわけでは無く、

それとは別に設けられました鉄道会社の黄色の矢印の信号に従わなければなりません。

その矢印の信号が出るのは全ての乗用車が停まっている時。

加えて井原の電停では豊橋市電の2つの系統が合流するポイントに位置し、

更には単線区間でありますので

場合によりましては

2ないし3つの信号をやり過ごさなければならなくなることもある

足止めを喰らうポイントでありまして

そのポイントをジョギングしている私は、信号無しで左折することが出来る。

……でしばらくリードを拡げることが出来ていたのでありましたが

敵もさる者。持ち前のスピードを駆使しまして

再び私を追い抜き、東田の坂を使い私との差を拡げていくのでありましたが

坂を下り切りました東八町の電停で電車は突如。足を停めるのでありました。


何故か?そこは国道一号線との合流地点。

運が悪ければそこで3ないし4の。それも

国道一号でありますので

長時間の信号停止を余儀なくされる箇所であるからであります。


(これはチャンス。)

とばかりに私は

東八町の交差点で歩道橋に遮られることの無い唯一の箇所である北側に

あらかじめ渡っていたことが功を奏しまして1つ目の信号で通過。

ただ如何せんスピードでは負けるため

そこで一度振り切られるも

次の左折ポイント。2つ先の市役所前の電停で3たび市電が足止めを喰らっているところを

(そこも歩道橋がありますので、あらかじめ信号で反対側に渡ることにより)

歩道橋と信号を回避した私は

市役所前の電停で市電に追いつき、逆に差を拡げるのでありました。


でもここで勝負が付いたわけではありません。

スピードで市電に勝つことは出来ないのでありますから。

そんな私が

(……勝てるかも?)

と思ったのが市役所前から2つ先にあります

新川の電停で最後のカーブ。右折のポイントがあります。

私としましてはその右折のポイントの前の信号で

道路の反対側に渡り、

右折信号をノンストップで通過したい。

そうすれば

信号で否応なく停止を要求される市電を少しでも離すことが出来るから。

と祈るような気持ちで走っていましたところ

偶然。

(……広小路との交差点だったかな?)

の交差点を渡りきったところで信号が変わり、

ほぼロスタイム無しで右側に渡ることが出来、

右折のポイントを信号無しで曲がり切れたところで


(……勝てる!!)


そこからの駅前大通り。

勿論。交通ルールを守りながら

通勤されるかたがたが私のことを

どのような目で見ていたのか定かではありませんが

出来得る限りのスピードで走り、

豊橋駅のデッキを駆け上がり、

そのデッキから電停に通じる階段を下り、

競争相手の市電を汗だくになったオッサンが出迎え。

その電車に乗って運動公園前まで戻る。


(……私は何のために豊橋駅に来たのでありましょうか?)


走った直後のロングシート。

座ることは出来ましたが

骨盤にダメージ残りましたね……。


ダイエットのこと考えましたら

(……走って戻るべきだったのかな……)。

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