おねぇさまに聖女のお役目を取られた理由
「おねぇさま! どうして、本当はわたしが聖女なのに、そのお役目を取るの?」
わたしはおねぇさまに縋りつき、一生懸命に訴える。
お母様に言ってもお父様に言っても、聞いてくれない。
『もう、黙っていなさい』『おねぇちゃんに従いなさい』『わがままを言わないでくれ』と聞き流してばかり。
だから、わたしは、もうおねぇさまに直接訴えるしか手がないのだ。
「わたしのお役目を返してください!」
「いい、リリィ。これはあなたの為なの」
そんなわたしを見て、おねぇさまはギュッと眉をしかめた。
イライラしている顔だ。
『どうして、この子は何度言っても、分からないんだろう』って顔にも、見えた。
わたしは叱られるかもしれないと怖くなり、ぎゅっと亀のように肩をすくめる。
「大体、聖女というのはね、お遊びじゃないの。あなたには絶対にできないわ」
「わたし、それくらい知ってるわ!」
呆れかえったようなおねぇさまの言葉に、わたしはついムッとして言い返す。
「いいえ、分かっていないわ」
「そんなことない!」
おねぇさまはいつも、こうだ。
わたしをいつも子供扱いするのである。
そして『あなたの為なの』『あなたには無理』といって、全部取り上げてしまう。
酷いいじわるなのだ。
「いい、あなたはね・・・・・・聖女としては、有能すぎるの」
「優秀ならいいじゃないですか」
「いいえ、優秀じゃない。有能。神殿にとって、とても使いやすいという意味よ」
「・・・・・・使いにくいより、使いやすい方がいいのでは?」
わたしが上げた疑問の声に、おねぇさまは首を振る。
どうして首を振るのだろう。
つかえない人間よりも、つかえる人間の方がずっといいはずだ。
ミリーも、ライラも、そう言っていた。
「いい、リリィ。この家からは私という聖女がでた。だから二人目は取ることができない。これでいいのよ」
「よくないです! だって、本当の聖女はわたしなのに! どうして、私のお役目を奪うのですか!」
わたしは必死におねぇさまに抗議する。
そう、せっかく、わたしがおねぇさまよりもスゴいと示すことができるチャンスなのだ。
なのに、どうして、そのお役目まで奪うのだろう。
どうして、わたしの可能性を試すことすら、許してくれないのだろう。
どうして、お母様もお父様もおねぇさまの味方をして、わたしの言葉を聞いてくれないのだろう。
視界が滲む。
涙がでてきた。
「・・・・・・あのね、リリィ。まず、聖女というのは沢山居るの。そして、もちろん私にも聖女の才能はある」
「でも、わたしの方が!」
そこまで言って、わたしは慌てて口を閉じた。
これを言ってしまえば、おねぇさまを傷つけるかもしれないと思ったのだ。
おねぇさまは意地悪だけど、わたしはおねぇさまが嫌いなわけじゃない。
傷つけたいわけではないのだ。
「そうよ、リリィの方が私よりも才能がある」
だが、おねぇさまはサラリとそれを認めた。
「リリィ、有能すぎる聖女は神殿に連れて行かれるのよ。だから、あなたは確実に神殿に連れて行かれる。そして、もうこの屋敷には戻ってこれなくなるでしょうね」
「え」
続いたおねぇさまの言葉に私は目を見開く。
みんなは聖女のお役目は素晴らしい、聖女様は偉大だ、聖女様を目指しなさいと言う。
そんなことは、一度だって聞いたことがない。
本当に本当なのだろうか。
聖女のお役目が欲しいおねぇさまが、わたしに嘘をついているかもしれない。
「有能な聖女は国のためだなんて安い言葉で洗脳されて、死ぬまで働かされてる。だから、皆十代で亡くなるのよ。過労死よ、過労死。有能すぎる聖女は皆そう。
大体、あなたはまだ五歳よ! そんなあなたに、これから死ぬまで聖女(重労働)をさせるなんて、冗談じゃないわ!」
おねぇさまの言葉に私は頬を膨らませ、地団駄を踏む。
「リリィ、子供じゃない!!」
「子供!!」
「子供じゃない!!」
「子供!!」
「おねぇさまだって、本当はおにぃさまのくせに!!」
「シーッ!!」
ギャンと泣きわめくわたしをおにぃさま・・・・・・おや、おねぇさまが抱き上げて揺さぶり始める。
赤ちゃんをあやしているかのような動きだ。
「リリィ、赤ちゃんじゃない!!」
わたしは更に大きな声で抗議した。
これをもって区切りとし、なろうさん以外のサイトでのコンテスト参加や賞応募に切り替えようと思うのですが
色々な賞に応募している人って、ジャンル切り替えミスしたり、頭が混乱したりしないんだろうか
僕に至っては、サイトにアップしたら、十万字超えだったはずの文字数から一気に四桁文字減って、失神してます
これってさぁ・・・・・・サイトにアップせず、直で出版社に送った原稿は・・・・・・(失神)




