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赤ちゃん物語ー1

生まれたよ

ありがとう、こんにちは!


ママは赤ちゃんへ

今日一日の祝福を!

そっと目を瞑り・・・おやすみのキスをする。

赤ちゃんはつぶらな瞳で、そんなママを見つめる。

まだ、まだ、眠りたくないよ~

赤ちゃんはグズグズ・・・

ママは赤ちゃんを抱きかかえ、頬と頬寄せ、子守唄を歌う

右に左にと優しく揺らし、小さな手を包み込む

そう、大切なたからものを想うように・・・

ママの温もりに抱かれて、赤ちゃんはすやすやと寝息をたてる




姉妹の不思議

「ねえ、ママ、赤ちゃんはどこから来たの?」

「どうして聞くの?あなたたちの妹よ。」

「だって言葉も通じないし、次は何をするかなんて、私たちにはわからないんだもん。」

「じゃあ、どこから来たと思う?」

「おそら・・・とおいおそらから・・・」

下の妹が自慢げに、上を指差した。

「ふふっ。お空ね、あなたたちと同じところから来たのよ・・・」


「ええー!そうか・・・ママそうだね」

姉妹は顔を見合わせて笑った。

赤ちゃんはと言えば、きょとんとした顔をして座っている。




姉妹の葛藤

ちょこっと・・・お留守番の姉妹とゆりかごで寝ている赤ちゃん。

「ねえ、もっと揺らしてみようよー」

年上のお姉ちゃんがそそのかします。

「え、でもお・・・赤ちゃん起きちゃわない?」

下の妹が顔を俯け、足をモジモジさせる。


「いいよ、私がやる。」

突如、ゆりかごがグラグラと揺れ出す

「うわあーん・・・うわあーん・・・」

赤ちゃんがパチクリと目を開き、身体がぐわんぐわんと揺れている。


「ねえ・・・お姉ちゃん、私が赤ちゃんの時もこうしたの?」

そう呟いて、ポトリと涙を落した。

ゆりかごはピタリと止まったが、赤ちゃんの泣き声は部屋中に響き渡った。


「お姉ちゃんの時も、誰かがこうして揺らしたのかな?」

妹の言葉は小さかったけれど、姉の心にぐぐぐっと刺さっていった。


「私・・・ママがいつも歌っている歌を歌うから、ゆっくり揺らして。」

妹はうんうんと大きく頷いて、小さな手でゆりかごを揺らした。


そうして・・・いつの間にか・・・

姉の澄んだ歌声とキィーッキィーッとゆりかごの軋む音だけになった。







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