紫丁香花
最近よく耳にする、ライラックの花にのせて。
薄紫の彼の花に
あの春の夜の夢を見る
月に映えるその花は
夢に集う我らとともに
輩と舞う月の下で
あの頃に見た夢を想う
白から赤へ移ろえど
激しく燃ゆることはなく
無邪気に描いたあの頃に
今は遥かあの時に
願った夢をもう一度
けれど
恋に浮かされたようなあの頃とは違う
愛に焦がされたようなあの頃とは違う
けれどあの熱はまだここにあるように
彼の花の香りは、まだ知らないけれど
きっとその香りはあの頃の夢の思い出
ゆくあてもなく進む今もココロの中に
紫丁香花の彩を想いその時を待つのだ