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EP48 まもなく終演

閲覧感謝です!

貴重なお時間にお邪魔します……

「くっそ……!!」


 魔王は颯爽と街中を駆け抜ける。


「我はバカだ……」


 今の魔王には転移魔法を使う暇が無い程とにかく夢中だった。


「魔王失格だな……」


 独り言をぶつぶつ言いながら走る魔王の顔は引きつりただただ不気味だった。


「どうしてこうなった……!」


 けれどその顔はどんな時も全力で楽しむ子供のようでもあった。


 時は1週間前に遡る。


「ふざけんなっ!そんなの納得出来るわけないでしょうが!!」


 いつものように衣装に着替えを済ませスタジオに向かおうとするとスタッフルームから間宮の怒鳴り声が聞こえてくる。


「ん?」


 気になってスタッフルームに顔を出すと、そこには霧島に掴み掛かり罵声を浴びせる間宮の姿が。


「これは……」


 周りのスタッフ達は必死で間宮を静止させようとしている。

 それに対し霧島は何も言い返す事も反撃しようともしていなかった。


「青柳よ。一体何があった?」

「何がって……もしかしてまおおにいさん知らないんですか?」


「ん、どういうことだ?」

「ならこれ見てください」


 青柳はとあるネット記事を我に見せてくる。


「これは!……」


 そこに書かれていたのは<いつララ>が急遽今月放送終了を報じる記事だった。

 それを見て以前霧島がそんな話をしていたことを思い出した。


「……なるほどな。てもなんであそこまで間宮はキレている。愛していた番組が終わるからって流石にアレはやり過ぎではないか?」

「勿論私や間宮さんも番組が終わることは悲しいですけど、あんなにキレてる理由はそれだけじゃありません」


「霧島さん!黙ってないでなんか言ってくださいよ!!」


 スタッフ達の静止も無視して間宮の勢いは止まらない。


「……私はプロデューサーとしてこの番組を守れなかった。全部私の責任よ。ごめんなさい……」

「っ!!謝んなよ……俺は別にアンタに謝って欲しいわけじゃないんだよ!!」


 間宮は周りにいたスタッフ達の静止を振り切り再び霧島の胸ぐらを掴む。


「……」

「…俺も素人じゃない。自分が担当した番組が終わるのはこれが初めてじゃないし正直慣れてるくらいだ。でもな、こんな気持ちになったのは初めてだ」


「……」

「俺は番組が終わる事に納得が出来ないんじゃない。それをアンタが俺達に教えなかった事が気に食わないんだ!!」


 間宮はキレながらうっすらと涙を流していた。


「ここにいる奴ら全員ネットの記事を見て初めてそれを知った。俺もこの業界長いけどこんな裏切り初めてだ。どうして言わなかった」

「…言う必要あった?」


突然開き直り逆に間宮に食ってかかる霧島。


「あぁ!?」

「言ったところで何か変わったわけ?変わるわけないでしょ。言う必要が無いから言わなかった。ただそれだけよ」


「アンタな!、」 


 激昂する間宮を再びスタッフ達が無理矢理取り押さえる。


「でもそれで傷つけたっていうなら謝るわ。それも全部私の責任だから」

「謝んなよ……謝んな!番組が好きだった俺がバカみたいだ……」


「そうね。なら辞めればいい。どうせ遅かれ早かれ辞めることになるんだからそれが少し早くなるだけ。好きにしなさい」


 霧島らしくない発言にその場にいた全員が耳を疑った。


「そうかよ……だったら今日辞めさせてもらう。行くぞ槇乃」

「え、でも、」


「槇乃!」

「はい……」


 霧島にうっすらと頭を下げると青柳も間宮と一緒に部屋から出ていく。

 それに続くように他のスタッフ達も全員部屋からいなくなった。


「アンタ達も帰っていいわよ。こんなんじゃ撮影も出来ないし、残りの放送回は総集編で繋ぐ事にするわ。私も久々の編集頑張らないとね」


 妙に口数が増える霧島。

 その様子に耐えられず隣にいた奈緒美が頭を下げる。


「……すみません。霧島さん。私があのままあの人と結婚していれば」

「さっきの間宮じゃないけど謝らないでよ。こうなったのはアナタのせいじゃない。それにあんな方法で助かろうとしていたのがそもそもの間違いだったのよ。寧ろ謝るのは私の方。本当にごめんなさい」


「霧島さん……」


 すると霧島が我の目の前にやってくる。


「なんだ」

「変わってないわね。出会った時から今に至るまで大した時間は経ってないけどアナタはずっと変わってない」


「当たり前だ。我は我だからな」

「そういうところよ」


 ここで今日初めて霧島の頬が少し緩んだ。


「アナタがいたから番組は変われた。ま、終わっちゃったらなんの意味もないんだけどね。でもアナタのお陰でこれ以上後悔せずに済んだ。本当にありがとう」


 先程まで逆ギレしていた人とは思えないほど彼女の瞳は真っ直ぐだった。


ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!



次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。

勝手に祈ってお待ちしております。

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