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屋上でそいつの話を聞いて何となく思った事を言ったらしばらくしてそいつが後悔して俺が何となく慰めて終わる話

作者: 黒澤 白

俺の友人と言えるのかは、わからないが昼休みに屋上でよく一緒に話している奴がいる。

 そいつはネット小説と言うものを書いて投稿しているそうだが最近そいつが投稿するのが辛いとか言っている。

 詳しく話を聞くと何でもその小説のサイトにはポイントと言うものがあってそのポイントが最近誰も入れてくれないらしい。

 まあ、ネットの動画とかブログとかと同じで面白いかどうか、ポイントを入れるかどうかは見ている人の勝手だと思うし入らないのは仕方ないんじゃないのかと思う。

 俺は思った事を言うとそいつはもう三年以上も連載してエタらない? まあ要するに更新を止めずに投稿しているのに何故かポイントを誰も入れてくれない事に不満を感じているらしい。

 そいつは自分の小説がそんなに面白くないのかとか他の上位の作品と大して変わらないと思うんだがとか色々言っているが俺はそいつの作品を見た事がないから何とも言えない。

 だから俺はそいつからどんな小説を書いているのか、作者名は何て言うのかを聞いてその日家でそいつの書いた小説を見る事にした。






 次の日の昼休みに俺はそいつの投稿した小説の感想を言った。

 あくまで俺個人が感じた事だがそんなにつまらないと言うわけではなかった。

 まあ話数がたくさんあるからなのかもしれないがつまらないと思う話もあるけど面白いと思う話もあった。

 正直そいつの言った通り他の人気作家、要するにランキング上位にいる作品と本になっている作品を見てみたが正直その人達とそいつの何が違うのかがさっぱりわからなかった。

 例えるなら大人数のアイドルグループのメンバーが皆同じ顔にしか見えないと言う人がいるがそんな感じだった。

 本当に何が違うのかさっぱりわからなかった。

 よくプロの人達が素人の作品を見るとここがこうなっているからつまらなくなってしまうだとか、こんな感じの表現をすればもっと良くなるとか言うがそれを聞いても何となくそうなんだと思い、そう言われて見ればそんな感じがするとか言うが正直何でだかわからないのが俺の答えだと思う。

 プロの人達や書籍化した人達や上位の人達には失礼を承知だが本当にそう思ってしまうんだ。

 だから俺はそいつの小説と書籍化したり上位の人達と何が違うのかわからないのが正直な感想だ。

 上位にランキングされる人達の小説を見たがそいつと何が違うのかわからなかったし中には何でこんな話が上位に入るんだと不思議に感じてしまう作品もあった。

 もちろん面白い作品が多く締めていたのも確かだ。

 話を戻すが俺はそいつの作品の感想を言った。

 するとそいつは面白い話もあるなら何で登録してくれないんだよとか何でポイント増えないんだよとか言っていた。

 確かになぜ増えないのか、俺なりに思ったがポイントが多い作品を見ると最後のあとがきと言うのかそこにポイントや評価をお願いしますと書いてあるがそいつの作品にはそれが書いてない、読んでくれてありがとうとかそう言う事は書いてあるがポイントや評価については書かれていなかった。

 俺はそいつにあとがきに書いたらどうだと言ったが、そいつが言うには純粋に楽しんでくれる読者にそんなの催促するのどうかと思って書かなかったのに今更書くのもどうなんだと思われるのが嫌だとか心配しているようだ。

 まあ確かにこいつの話はもう数百話いってるしその数百話で一度も書かなかったのに急にそんな事書かれたら結局こいつもかと思われる気持ちもわからなくはなかった。

 でもポイント欲しいなら書いたらどうなんだと言ったらそいつは凄く悩んでいる顔をしていた。

 それで意を決したのかそいつは次の投稿であとがきに書いてみると言った。

 その日の夜そいつの作品が投稿されていたので見るとあとがきにはちゃんとポイントや評価などについての事が書いてあった。






 それからしばらくしたらそいつが滅茶苦茶不機嫌そうな顔をしていた。

 俺はその理由がわかっていた。

 それはここしばらくの間にそいつの投稿された話数は三十を超えていたが、ポイントも評価も変わってなかったのだ。

 何でだよ!! 何でなんだよ!! とそいつは怒りを露わにしていた。

 まあ気持ちはわからなくないよ、ここ三十話分見てみたがつまらない話しもあったが面白い話もあったし評価とポイントの事も書いてあったから多少は入っているのかと思っていたが、まさか変わっていないとは思わなかったのだ。

 世の中は甘くないと言うが本当に甘くないんだな。

 そんな事を考えているとそいつの怒りはまだ収まらないのか地面を勢いよく踏んでいた。

 どうしてなんだとずっと言っているから何となく俺は思った事を言ってしまった。

 話もつまらないわけでもないしエタらないで更新しているしポイントと評価も書いたし、それでも変わらないのは、単にタイミングが合わなかったからじゃないかと。

 するとそいつは目を見開いて俺を見ていた。

 俺は続けて言った、お前の作品はもう何百も何千も何万も出ている作品と同じ感じだから読者達もそれらと違った何かがお前の作品になかったから何となく読む人は増えてるけどポイントや評価をするほどかと言われるとって感じじゃないかと。

 要するにそいつにセンスがないと言ってしまったようなものだった。

 するとそいつはふらふらと立ち上がり教室に戻るのだった。

 あいつ大丈夫かよ。

 そう心配しながら俺も自分の教室に戻るのだった。






 その日の夜、俺はいつものようにそいつの作品を見ようと思ったがそいつの作品がどこにもなかった。

 履歴を見ると削除されたと出ていた。

 どう言う事だと思い俺はそいつの活動報告を見るとそこにはとんでもない事が書かれていた。

 お前等がポイントも評価もくれないから書く気が失せた!! こんな駄作消してやる!!

 





 何やってるんだよ、こいつ。

 率直に出た言葉だった。

 いやいや、いくらポイントも評価もされないからって消す事ないだろ。

 と言うよりそれやっちゃったらお前の作品を評価して感想もくれた人達に失礼でとんでもない裏切りだろ。

 ましてや頑張ってここまで書いたのに一時の感情で全て無駄にする事ないだろ。

 そう思ってもそいつの作品はもう削除されてるし、まさに取り返しがつかないと言う事だ。






 次の日の放課後そいつは酷く落ち込んでいた。

 どうやら作品を削除した事と活動報告にあんな事書いたのを後悔しているそうだ。

 そりゃそうだろうな、こいつは何も作品が書きたくないわけじゃなくて頑張った分の達成感みたいなものがちゃんとした形で出なかった事に不満を抱いていたんだもんな。

 まあ他人からすればただの言い訳にしか聞こえないかもしれないがそれでもこいつにとっては重大な事だったんだろう。

 だが後悔してももう遅い。

 だってこいつの書いた作品はもうないんだから、こいつの手で消してしまったんだから。

 後悔先に立たずとは言うが本当にそうだな。

 そして悲しいかな、そいつの書いた活動報告を見ると、何も書かれていなかった。

 こんな事書かれたら普通こいつの作品を評価していた読者から怒りのコメントなど来ると思ったがそれすらなかった。

 ここまで来るとこいつの事が何となくかわいそうに思って来てしまった。

 一時の感情で動く時は一旦冷静になった方が良いと俺は何となくこいつの行動から教わったのだった。

 俺はその日哀れに思ったこいつに慰めの言葉を掛けるのだった。




 

読んでいただきありがとうございます。


ある時急にそいつと同じ気持ちになったので書いてみました。


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