異世界用語辞典 ①
現時点で公開可能な情報を載せました。
最初は『コスモス』の教授達やアレス君に解説して頂こうと思っていたのですが、あまりに膨大で、、、
正直これ全部授業みたいに説明すると、10話じゃ足りない気がするので、とりあえず、辞書風にまとめました。
疑問点などがあれば、可能な限りお答えさせていただきます。
本当はシャルル先生の冊子に書いてある『危険世界』の情報を全部載せようと思っていたんですが、またの機会にさせて下さいm(_ _)m
《地理用語》
『始まりの世界』または『始めの世界』
ザクロ王国やその他の国々が存在する世界。
アトラス大陸という、巨大な一つの大陸の上に国々が連立しており、国土をめぐった戦争が絶えない。
アトラス大陸は大洋に囲まれており、航海技術の未発展や、大洋の先に島がある保証がないことから、アトラス大陸以外に大陸や島が存在するのかは、未だわかっていない。
詳しく述べると、パラドクス=コスモスが大陸外を捜索しに『翼』で飛んでいったことがある、と記録されているが、彼は何故か、ザクロ王国含め、国々に外の世界の情報を与えることはなかった。
ザクロ王国は、アトラス大陸南西部に存在しており、年間を通して温暖な気候である。
『アトラス大陸』
『始まりの世界』の大洋に浮かぶ巨大な大陸であり、中央にはセイント山脈があり、『聖神都市』はその頂上に存在する。
セイント山脈はアトラス大陸中の河川の水源が集まっており、安全保障と他国に対する外交カードとしての観点から、飲み水の元となるセイント山脈を自国の領土にしようと試みる国家は現代においても存在しているが、後述の理由より、侵攻は困難である。
現在、水源は『永世中立都市』である『聖神都市』が管理しており、後述の『国家原則』を破った国に対して、制裁の一種として、その国に流れる河川への水の流入を止めることも可能であり、まさしく生殺与奪の権利を保持している。
『幻想世界』
色彩は白。
始めてこの世界に来た者達は、何故かこの地を《アカデミィア》と名付けた。
各国が未来の人材を育成する為の教育機関を設置している。
歪な菱形をしたアトラス大陸の数倍の広さを誇る巨大な大陸であり、その中心部のアトラス大陸と同じくらいの面積の部分に、各国の教育機関が設置されている。
ちなみに、現在、各国に交付されている地図は、パラドクス=コスモスが配った物であり、周りは大洋に囲まれているとされているが、記録に残っている限り、大洋へ至った者はパラドクス=コスモスのみである。
それぞれの教育機関同士は、かなり離れており、領土を争う目的での戦争は滅多に起こらない。
学校同士での交流は行われているが、中には明確に敵対し合っている教育機関も存在する。
『始まりの世界』にて、隣り合う国の教育機関同士は、仲が悪いことが多い。
中心部(といってもアトラス大陸とほぼ同じ面積である上、それぞれの教育機関が占める面積は『始まりの世界』の国家領土より遥かに小さい為、ほとんどが手付かずの土地であるが)は生身の人間が快適に過ごせるほどの気候であるが、
中心部から離れるにつれて、環境はより過酷になっていく。
例えば、北の果てのノーザンアイス地方は年中を通してあまりに寒冷な土地であり、酸素が液化する地域も存在するため、人間が立ち入るのは危険である。
しかし、研究の為のサンプル採取や、資源を求めて、中心部を離れる研究者も多く、能力が未発達な状態での遠征により、命を落とすものもいるが、好奇心に駆られる者達を止めることはできないだろう。
『聖神教』 または 『聖神教会』
2,000年前から続く、アトラス大陸の人々の殆どが信仰している宗教(といっても、科学の進歩する現代において、神に祈る事が幸運をもたらす、といった考えを本気で持っている者は少ない。
しかし、『主神』である『デウス=フィクタ』は実在しているため、神の存在を信じていないものもほとんどいない。
アトラス大陸の中心にある『聖神都市』と言う都市を本部としており、
『聖神都市』は『永世中立都市』として、国家間の紛争を解決したり、『宣戦布告』の申請を受領したり、『国家原則』と言う、国家を対象とした法律の発布をしたりといった、国家の仲裁役を担っている。
これらの申請手順を無視しての開戦や、『聖神都市』そのものに対する政治的干渉が試みられた際には、『水止め』による制裁や、『天使』や『主神』による集中攻撃が行われる為、国家は『国家原則』を遵守する。
なお、過去に幾つかの国が『国家原則』を破った結果、滅亡しており、最も新しいものだと、後述の『ファルトス湾奇襲事件』が挙げられる。
また、社会福祉活動も行なっており、『聖神教』の教会は孤児院の役割も果たしており、そこで育った者達からの寄付や、国家から徴収した税金によって、数多くの孤児の命を救っている。
戦争の多いアトラス大陸では、戦災孤児となるものも少なくない為、彼らが果たしている役割は極めて重要である。
『聖神都市』または『聖神都』
『聖神教』の本拠地であり、アトラス大陸中の河川の水源が存在する。
どこの国の領土にも属さない土地であり、国家を超えた交流が行われ、世界中の物が取引される市場が存在する。
『聖神教会直属教育機関クリスタリア』が位置する。
『聖神教会直属教育機関クリスタリア』
『聖神教会教皇』が校長を務める最高峰教育機関。
校則 第1条第1項 『無知は罪である』
『選び抜かれた知的選良に、世界最高の環境を』を理念としており、教育機関としての格はトップクラス。
国を跨いで、各国の優秀な学生が集まっており、教育機関としての格では、『コスモス』と争うレベルである。
ザクロ王国第三皇子、マギカ=レジア=ザクロは、当初『コスモス』に入学する予定だったが、入学式当日の朝、突如『クリスタリア』に入学すると言い出し、現在は『クリスタリア』で学んでいる。
これはひとえに、彼の頭脳の優秀さを『クリスタリア校長』が認めているからであり、異例中の異例である。
(こっちでのイメージだとオックスフォードとかが近いかな。良くも悪くも伝統と格式を重んじている。)
『コスモス』または『ザクロ王国国立能力育成学校コスモス』
校則 第1条第1項 『無関心は罪である』
『幻想世界』中心部の南西部に位置する、ザクロ王国の教育機関。
『万人に学びを』という理念を掲げており、教育機関としての格はトップクラス。
校長及び創設者はパラドクス=コスモスであり、
実際の所名前とは異なり、ザクロ王国の管理下には無い。
パラドクス=コスモスおよび教授達による自治が行われている。
(こっちでのイメージだとスタンフォードに近いかな、良くも悪くも自由。)
『教授』
『教授』とは特に『コスモス』の教授を指す場合が多く、彼らは『コスモス』の自治を行なっている。
各々専門分野があり、普段は自治と教育と研究を業務としている。
医学科教授 パラドクス=コスモス
世界科教授 クロノス=レジア=ザクロ
・・・などなど。詳しくはそのうち話に出てきます。
《能力用語》
『魔臓』
『青い木の実』を食べる事によって、人の心臓の右に(心臓が右にある場合は心臓の左に)生成される臓器。
魔素のエネルギーを『自己領域』での改変に用いるために変換する臓器。
親和性の高い能力者はより高威力で、また、高い効率で変換を行うことができる。
『自己領域』
能力者の魔臓を中心として、球場に広がる領域。
能力者はこの範囲において、さまざまな現象を引き起こすことができる。
引き起こすことができる現象は、能力者として成熟するにつれて増えていき、
原子同士の結合を変化させたり、運動を変化させたり、エネルギーを奪ったり、加えたり、といったことができる。
この得意分野を表す物が『色彩』であり、『赤系』は『加速』、『緑系』は『炭素原子』と言った様に得意分野が分かれているが、その能力以外を使えないわけではない。
とはいえ、よほど鍛えない限り、自分の系統外の現象を引き起こす事はできない上、そちらを鍛えるのであれば、自分の系統の能力を伸ばした方が理に適っている為、多くのものは『炭素操作』や『酸素生成』、『着火』と言った、必須能力のみを身につけることが多い。
なおカラーサークルにおいて真逆に位置する能力、(例えば赤系については青系、緑系なついては紫系、黒については白)は『絶対に使うことができない』。
したがって、青系の能力者はライターを持ち歩かなければ火をつけることができないし、赤系は体温を意図的に下げる事はできない。
とはいえ、そもそも赤系は高温に強く、青系は低温に強いため、わざわざ防御する必要はないのだが。
しかし中には最悪のハズレ色彩も存在する。
『水素』と『酸素原子』を得意とする『藍系』の反対に位置する『黄系』で、『電子』を操る能力以外の者は、かなり不便な能力であると言わざるを得ない。
『黄系』は『赤よりの加速に分類される電気系』と、『生物の元素を操る黄緑寄りの毒系』に分かれる為、前者であれば電気分解により酸素を補給できるが、後者は酸素ボンベが必須となり、不便である。
ちなみに、中には重力を操ることができる者もおり、天使達は『絶対に使えない』真反対の色彩の能力以外はかなり自由に使える様である、しかしそれでも、
①『20年かけて訓練を積んだ緑系能力者』と、②『10年かけて訓練を積んだ赤系能力者』が、『着火』において競うならば、間違いなく『10年かけて訓練を積んだ赤系能力者』の方が勝つだろう。
これには魔素の変換効率k(無次元量)(または変換係数kとも言う)が関係しており、無限に魔素を使えるのでない限り、威力は必然的に落ちてしまう。
具体的な数値を考えるとすると、
『威力』=『魔臓に貯めておける魔素量』×『変換効率』 でも止めることができる。
① 2000 × 0.02 = 40
② 1000 × 0.95 = 950
これはあくまでイメージであり、実際に数値化するのは極めて難しい。
なお、変換効率kは『どれだけその色に近い色彩を持っているか』に比例し、最大値が1、最小値が0である。
ちなみに、後述の『天使』の場合、
《『自己領域』内の魔素を『魔臓を介さず』、『翼で直接』使うことができる》為、式は以下の様になる。
『威力』=ρVk [J]
③緑系の天使である『第5位』が『地獄』(後述の危険世界)で能力を発動した場合。
魔素密度(ρ[J/㎥]で表され、危険世界では概ね高い、例えば『地獄』では10である)
(Jは魔素の単位分子あたりの生み出すエネルギー、まあ、魔素によるエネルギーだと思ってもらえれば充分です。)
ρ=10[J/㎥]
『自己領域』の体積V
(第5位だと、半径30メートル(正直言ってバケモンです。達人でも5、6メートルが限界です。)の球ほどなので、円周率をπ=3.14として、
V=4/3 × π × 30 × 30 × 30 [㎥]
変換効率 k=0.02
『威力』=10 × 4/3 × π × 30 × 30 × 30 × 0.02
=22608[J]
となります。
これは『たいして得意でもない系統の能力』の場合です。
赤系統の天使(といっても、赤系統は
『熱運動』を加速させるのがメインの『加熱能力系』と、
『放物運動といった、物体としての運動』を加速させるのがメインの『加速能力系』
の2種類に分かれ、それぞれの天使がいますが、
ここでは『万物融ける火山世界』の奥地に引きこもっている、『加熱能力系』最高峰の『第7位』について考えさせてもらいます。
④赤系の天使である『第7位』が『万物融ける火山世界』で『着火』(もはや着火じゃすまない気がしますが)を試みた場合。
『危険世界』である『万物融ける火山世界』の魔素密度は
ρ=300 [J/㎥]
『自己領域』の体積Vは、半径25メートルの球より、
V=4/3 × π × 25 × 25 × 25 [㎥]
変換効率 k=1
『威力』=300 × 4/3 × π × 25 × 25 × 25 × 1
=19,625,000 [J]
これは『チャージ無し』での出力です。
チャージする場合、翼に溜めた量によってはこの数十万倍の威力くらいは出すことができます。
わかりやすく言うと、『第7位』が『翼』の保持できる最大量まで魔素を蓄えたとすると、
原子力爆弾1発分の威力で『着火』することができます。
(そう考えると、原子力爆弾が数万個あるだなんて、とんでもない世の中ですね。平和が1番です。)
『天使』
現時点で9人のみが至ったとされる能力者の頂点。
『翼』を持ち、『翼』を通して魔素を吸収する。また、魔素を貯蔵しておくこともでき、
それによって能力の威力を高めることができる。
ほとんどが、異世界にて活動しているとされ、『幻想世界』や『始まりの世界』にて活動しているのは『第1位』である、パラドクス=コスモスと、『第9位』のみであると言われているが、パラドクス曰く、近年『第3位』が『幻想世界』に度々訪れているらしいが、真相は不明。
ちなみに、この序列は『天使化』した順番を表しているため、必ずしも能力の強さと比例するわけではないが、いずれにせよ『天使化』していない人間が『天使』に勝つ事は極めて難しいだろう。
彼らは2,000年前の『聖神教』設立に関わっており、その後『天使化』した人物は存在しないことから、『天使化』の詳しい条件は明かされていない。
また、何故か彼らは老いが見られず、長寿である為、パラドクス=コスモスを含め、皆2000歳を超えている。
(ちなみに、エンジェルじゃありません。)
『天使化』または『羽化』
人間が天使となる事を指す。
詳しい条件は不明。
『水晶』
能力の色彩を見る事ができる鉱石のことを指す。
これらは『石壁の迷宮世界』に存在していた鉱石を削り出した者であり、パラドクス=コスモスの学説によると、
『魔臓にて変換された魔素の色を、我々の目で認識できる波長の光に変換する』らしい。
しかし、真相は謎である。
ちなみに、『門番』系統の能力者が手をかざした際には、その世界の色彩(例えば『幻想世界』ならば白)が、その世界を表す記号(アトラス大陸上の如何なる言語系統にも当てはまらない未知の文字)の形になって浮かび上がる。
パラドクス=コスモスの説では、この現象を説明できない為、学説の改良が求められている。
『カラーサークル』
中心を黒として、外縁を白として、時計回りに、赤系、橙系、黄系、黄緑系、緑系、青系、藍系、紫系、赤紫系・・・と並べ、白と黒の中点の彩度が最高となる様な円形の表。
これにより、色彩と能力の性質の関連が明確になり、例えば『加速』を得意とする赤の反対は『減速』得意とする青である。
攻撃的な能力を持つ者の色彩は黒に近く、攻撃的で無い能力を持つものの色彩は白に近いと言われている。
なお例外も存在する。
例えば『門番』系統の能力者の色彩は、これに当てはまらないこともある。
また、『灰色』と言った色や『黄金』と言った色も存在しており、学説を改良することが求められている。
(多分そのうちパラドクス君が新しい説を出すと思います。)
『色彩』
本人の能力の性質を表すとされている色であり、『水晶』に手をかざすことによって知ることができる。
髪や眼の色と同じ色彩を持つ者は、『自分に合った』能力を持っている可能性が高いとされているが、果たして?
なお、家族は似た色彩を持つことが多く、高貴な家系では特にその傾向が強い。
例えばザクロ王家に生まれた人間は『1人残らず』ザクロ色の髪と色彩を持つとされている。
ちなみに、現代でも色彩を元に結婚相手を決める家系もあり、例えば『赤系』のみ結婚相手として認めるといった家系も存在する。そういった家系に全く別の髪色や、眼の色を持った子供が生まれた場合、戸籍を登録せずに、捨てる、と言う前近代的な家は、今なお存在する。
『透過色』
『水晶』に手をかざした際、向こうが透けて見えるほどの透明度を誇る色彩のことを指す。
《『色彩』の影響が極端に大きく、良くも悪くも一分野特化になりがちな能力》
・最大出力 場合によっては6
・持久力 場合によっては6
・能力多様性 0
・射程距離 場合によっては6
・精神呼応性 一貫性なし
ー数字は特記すべき点がない場合、5が最大、1が最低ー
(シャルル先生の冊子より引用)
『世界』系統(異世界を扱う学問『世界』とは全くの別物)
《『自己領域』の領域が生まれながらに広く、能力の出力が特に大きい場合に発現しやすい。》
・最大出力 5
・持久力 1
・能力多様性 1
・射程距離 5
・精神呼応性 4
ー数字は特記すべき点がない場合、5が最大、1が最低ー
(シャルル先生の冊子より引用)
『暴君』系統
《『自己領域』の領域が生まれながらに狭く、能力の出力が特に大きい場合に発現しやすい。》
・最大出力 5
・持久力 5
・能力多様性 1
・射程距離 1
・精神呼応性 4
ー数字は特記すべき点がない場合、5が最大、1が最低ー
(シャルル先生の冊子より引用)
『門番』系統
異世界へと繋がるゲートを開ける能力。
ゲートを通る際、物は一旦バラバラになって、向こうの世界で同じ様に組み替え直される、とされているが真相は不明。
最初は、世界における『絶対座標』、すなわち、ゲートを置いた場所から動かすには、一度ゲートを閉じる必要があると言う、制約があるが、成長するにつれて、『相対座標』すなわち、『ある物体』を極として、動かすことができる様になる。
例えば、右手の動きに合わせて、ゲートを動かし、他者を無理矢理異世界へと送る、といったこともできるが、能力者の強さを表す『改変度数』が高い者や物に対し、ゲートをぶつけると、ゲートの方が壊れることもある。
国家運営において極めて有用な能力である為、一説には『門番』系統の能力者を国家が管理するために各国がこぞって教育機関を持っている、とも言われている。
『公共世界』の能力者と、『私有世界』の能力者に分かれる。
『公共世界』の能力
ひとつの世界に門番が複数存在しうる様な能力の保有者のことを指す。
例えば『幻想世界』や『始まりの世界』に繋がるゲートを開ける能力者は、これに該当する。
これらの世界の資源は、世界を跨いで輸送する事ができ、国家はこの能力を占有し、資源を独占しようとする。
また、ゲートの出る場所は原則として、『ゲートを妨げる固体が無く、互いの世界において、おおよそ対応する場所』となる。
例えば『始まりの世界』の北の大洋上でゲートを開くと、ノーザンアイス地方へと繋がる可能性があり、極めて危険である。
しかし、中には例外があり、ゲートの出現できる座標が限られている世界もある。
また、能力の法則を厳密に語るのであれば、
①どの異世界でゲートを開こうとも、ある特定の世界へのゲートが現れる。
つまり、『幻想世界』の『門番』は、
『石壁の迷宮世界』内であっても、『始まりの世界』内であっても、開いたゲートの先は『幻想世界』につながっている。
②もしも、自分のゲートの先の世界でゲートを開くとすると、ゲートの先は、今の世界以外で、自分が1番最後に居た『公共世界』になる。
と言うルールが存在する。
したがって、能力者が死んだ場合、食べるとその異世界への『門番』になれる、木の実が死体のそばにあらわれるが、そのゲートの先は、自分が最後に居た世界となるため、閉じ込められる事はまず無いだろう。
わかりやすい例え話しをすると、
『幻想世界』の『門番』が、『始まりの世界』から他人開いたゲートを通って、『石壁の迷宮世界』へ向かい、
これまた、『自分以外の』『幻想世界』の『門番』が開いたゲートを通って、『幻想世界』へ入った場合、『幻想世界』で自らゲートを開こうとすると、繋がる先は『石壁の迷宮世界』となる。
ちなみに、この手法によって、その世界が
『公共世界』なのか、『セーブ』型の『私有世界』なのかを判別できる。
『危険世界』
生身の人間が生きられない様な環境の異世界を指す。
『開界式』
未知の異世界へのゲートを開く儀式。
安全に関する観点から、『リセット』型の異世界で行われることが多い。
これは、魔素の多い『危険世界』への『非常に危険な』ゲートが、閉じられずに開き続ける、と言う最悪の事態を避けるための対策である。
『私有世界』の能力
これは1人だけがアクセス可能な世界を保有できる能力で、主に資源の輸送、または『開界式』時の実験用などに用いられる。
この能力は大きく分けて、
『ゲートを閉じる際に行き来した全ての物質が元のあるべき世界に戻る』ような『リセット』型と、
『ゲートを閉じても行き来した物質はそのままその世界に残る』ような『セーブ』型
に分かれる。
『リセット』型
ゲートを開く度に世界がリセットされる類の能力。
『開界式』等の実験用に用いられることが多い。
この世界から持ち出したものや、この世界入ってきたものは、ゲートを閉じた際に、元の世界へ戻される。
例えば、ゲートの向こうにレンガを投げ入れ、ゲートを閉じると、ゲートのあった場所にレンガが現れる。
たくさんのものを入れていた場合、互いに重ならない様に、世界に戻ってくる。
つまり、たくさんのものを入れた場合、たくさんのものが、互いに重ならない様に現れるため、屋内でこの能力を使う事は推奨されない。
また、ゲートの向こうから石材を切り出して、こちらの世界に持ってきたとしても、ゲートを閉じると、全て消え失せる。
かつて、『リセット』型の異世界から切り出した石材で塔を建てようとする実験が行われたが、ゲートを閉じた途端その塔は消失したため、建築業者は泣いたと言う。
この実験は、『愚者は一夜城を築かんとす』ということわざのもととなったことでも知られている。
あくまで、ゲートを閉じた瞬間、物質は互いに元々いた世界に戻るだけなので、
異世界における実験の記憶は人に残るし、異世界の石材で擦り傷をしたら、その傷は残る。
注意点としては、呼吸によって吸収された酸素は、厳密には『向こうの世界の物』に該当するため、『ゲートが閉じた段階で消失する』。
したがって、向こうの世界で呼吸をした後は、元の世界に戻ってからしばらく呼吸をしてからゲートを消さないと、血中から『酸素』が消失し、最悪の場合死に至る事がある。
まとめると、
・互いの世界の物質はゲートが閉じた瞬間、元々あった世界に戻る
・ゲートが開いている間に、互いの物体が与えあった影響は残る。
例えば向こうの世界で転び、膝を擦りむき、その後元の世界に戻ってゲートを閉じると、
ゲートのあった位置に、数滴の血(向こうの地面に付着した物)が残り、
膝の中にあった石の破片は向こうの世界に戻り、
怪我は残る。
能力の例としては、『聖神教会』に所属する能力者の能力、『実験世界』が挙げられる。
この能力によって開かれる世界は、『実験世界』とよばれ、
気圧、大気の成分、重力、気温等が全て、『始めの世界』と同じであり、
異なる点は、地面が硬度の高い真っ白な石材で出来ていて、無限に広がっている点である。
この性質を利用して、『開界式』に用いられることが多い。
『セーブ』型
ゲートを開いていなくても時間の流れる異世界を保有する能力。
他の異世界と異なり、かなり小さい世界である事が多い。
持ち込んだ物が残り続けることから、資源の輸送や、犯罪者の処罰等に用いられる。
必要最小限の食糧と水のみ空中高くに作ったゲートから落とし、刑務作業で作った品を小さいゲートから回収するという、脱獄の恐れのない完璧な牢獄を作ることもできる。
能力が成長するにつれて同時に保持できる世界が増えることが多い。
また、保持している世界に対し、何らかの影響を与えられる能力者もいる。
例えば、クロノス教授は、自身の保持している世界の時間の流れを変化させる事もできる。
異世界に送られた状態でゲートを閉じられた場合、元に戻る術は原則ないため、使い用によっては極めて悪辣な能力ともなりうる。
『緊急手術室』
『コスモス』に所属する校医の能力。
『一定期間の間、内部で人が死なない領域を作り出す』という能力である。
未だに能力の根本原理がわかっていない『神話級』能力の一種である。
『神話級』
神話の様な能力の事を指す言葉であり、威力の強さなどとは関係なく、
『現代の科学では、根本原理が説明できない』事を意味する。
あくまで、『起こる現象が科学で説明できるか』に焦点があり、『どうしてその現象が起こるのか』は関係がない。
例えば、アイシアの様な『冷却能力』は、『熱運動を減衰させる』能力であるである事はわかっているが、どの様にして干渉しているのかは現代でも説明できない。
しかし、能力によって『熱運動を減衰させている』という事は説明できる為、これは『神話級』ではない。
なお、『門番』系統に関しては、『神話級』に分類する科学者も居れば、分類しない科学者もいる為、絶対的なものではなく、あくまで便宜上の呼び名である。
『禁忌』
能力者に課せられるルール。
分不相応な能力であればあるほど、強い制約が課されており、
破った場合、最悪死に至る。
『自分の能力によって得た知識を、如何なる手段を用いても、他者に伝えてはならない。』
といった破らない様気をつけられる『禁忌』もあれば、
『敗北したら死ぬ』という、とんでもない『禁忌』も存在する。
『魔素原子論』
『 魔素は、『魔素原子』が互いに結合した分子、より厳密にはその結合が切れることによって生み出されるエネルギーである 』
とする学説。
パラドクス=コスモスが提唱。
『魔素原子双方一体論』
『 『実世』のモノが『虚世の入江』に落ちると、『虚世』でのモノとしての在り方に変様する。
そして、『虚世』から『実世の入江』に落ちたモノは『実世』中に散らばる『実世の入江』から、
魔素となって排出される 』
とする理論。
パラドクス=コスモスが提唱。
『世界の絶対法則』(後述)の『第1条』を破らないで、『能力』のエネルギーの由来を説明する画期的な理論。
噛み砕いて説明すると、『質量とエネルギーが互いに変換可能である』とするものである。
《歴史用語》
『世界大戦』
およそ二千年前と千年前、
『光の王』率いる『鉱石軍』と、
『主神』である『デウス=フィクタ』率いる『神聖軍』が衝突した戦争。
または、今なお続く、『鉱石軍』と『神聖軍』の戦争の事を指す。
文字通り、『複数の世界』で行われた大戦である。
中でも、主戦場となるのは『幻想世界』であり、アトラス大陸の数倍の広さを誇る『幻想世界』にほとんどの人々が定住しないのは、このある種の『災害』のためである。
故に、国王達は、『安全な』アトラス大陸の領土を求めて、『危険な』戦争を国民に強いるのである。
(世の中うまくいかないね。)
『デウス=フィクタ』
『聖神教』における『主神』
『光の王』
『地獄』と呼ばれる『異世界』の『世界の王』(詳しくは後述)
『鉱石人』を率いており、数百年ごとに『幻想世界』を侵攻してきた。
歴史上何度も『デウス=フィクタ』や『神聖軍』と戦い、甚大な被害をもたらしてきた。
『地獄』
色彩は『黄金』(パラドクス=コスモスによる情報)
『鉱石軍』の本拠地である異世界。
『地獄』へのゲートを開くことのできる能力者は今まで存在しなかった為、人々は『鉱石軍』攻めてくるのを待つしか無かったが、そのような状況下でパラドクス=コスモス主導の下、『デモニア侵攻作戦』が実行された。詳細は後述。
しかし、今年の『コスモス』にて、未知の世界への門番が発見され、その色彩が『黄金』であったことから、こちらから『地獄』を攻めることが可能となるかもしれない。
停滞していた歴史の歯車が、これから大きく動くことになるだろう。
『鉱石軍』
『地獄』に住む者達を総称してそう呼ぶ。
特徴として、
『光沢のある石でできた体』
『高い魔素適応性と、強力な能力』
『我々と同程度の知性』
『周りと体内から魔素が無くなると活動を停止し、沈黙状態となる性質』
『高い体温』
『体内に多くの魔素を保持し続けられる能力』
が挙げられる。
侵攻してこない数百年の間は、体内に魔素を貯蔵するために準備をしているものと推測できる。
『デモニア侵攻作戦』
パラドクス=コスモスが『門番』系統の能力の特性を活かして、『地獄』に攻撃を仕掛けた作戦。
まず『幻想世界』の門番を、『世界大戦』時に開いた『地獄』へのゲートの先へ行かせ、その後、帰還させる。
これにより『マーキング』完了し、その戦争の間、その能力者は『ゲートを開かないように過ごす。
その後、『冥府軍』の魔素の貯蔵が尽きはじめ、撤退し、ゲートが閉ざされた後、幻想世界にてゲートを開かせる。
これによって、ゲートの先は『能力者が最後に居た公共世界』、すなわち『地獄』へと通じるため、こちらから攻撃を仕掛けることができる。
戦争後であった為、向こうの世界に魔素の貯蔵は少なく、一方的に攻めることができた為、都市を一つ滅亡させることができた。
この攻撃は『鉱石軍』に、『こちら側から攻撃を仕掛けることができる』と伝えることにより、
《数百年に一度、全力で攻めてきていた、過去の様な戦い方は出来ず、
戦後の為の魔素の蓄えを用意しておかねば、『休眠中』で動けない間に攻めて来るかもしれない。》
と言う恐怖を与え、『鉱石軍』が戦争に対して慎重にならざるを得なくなった、という点で大成功であったと言える。
『ファルトス湾奇襲事件』
(詳しくは後日投稿する『記録水晶』をご覧下さい。)
『記録水晶』
『石壁の迷宮世界』にて、採掘できる鉱石であり、魔素を流す事で、一時間ほどの映像を残す事ができる。
再生時には、魔素を加える事で、立体的な映像が生まれる。
記録できるのは、『記録水晶』を中心とした半径1キロメートルの球内であり、音声も録音される。
仕組みは不明であるが、一説には『世界の記憶』を読み取っているのでは?とも言われている。
『世界の記憶』
世界には情報が刻まれ続けているとする学説。
爆発が起こった後、爆発によって生まれたエネルギーを『自己領域』内で、爆発後のチリに与えた所、『時が戻る様に』元の爆弾が出来たことから、粒子はかつて自分がどの様な結合をしていたかを記憶しており、適切なエネルギーを与えることによって、元に戻らせる事が可能である、と言う説が考えられた。
後述の『幻想化』によって、体を気体分子に変換した能力者が、一定時間が経ったのちに、元の人型に戻ることができ、その体を構成する原子の『同位体』が一致したことから、
『全ての原子が元あった場所に戻り、元通りの結合をする』
ということがわかり、学者達は困惑した。
情報が記録されている場所を粒子であるとする者もいれば、『世界のどこかに全ての情報が記された本棚が存在している』と考えている学者も一定数いる。
『改変度数』
能力者の技量に応じて、本人の周りに存在する物体に与えられる数値。
後述の『幻想化』に対抗することができる。
能力者本体を形成している原子は極めて高い数値を持っていて、能力者本人以外が影響を与える事は極めて難しいです。
また、能力者が長い時間を共にした物に関しても適用され、例えば愛用の剣なんかは、『幻想化』に対する耐性を持つこともあります。
自分自身の体や、自分の慣れ親しんだものを、『自分が』変化させようとする分には、定義されない数値なので、
『赤の他人』が別の人の物を変化させようとするときの『変化しにくさ』とでも捉えていただければ充分でしょう。
ちなみに、先述の『世界の記憶』と深い関係があるとされています。
『幻想化』
原子同士の結合を切断したり、再結合したりする技術。
例えば、剣や自分の体などを、気体分子として散らせ、その後に元通りに戻る、といった芸道もできます。
圧倒的な実力差がある場合を除いて、他者の体や、他者の愛用しているものを『幻想化』することはできませんが、もしそんな事をされた場合、その人に勝ち目は無いと言っていいでしょう。
ちなみに、単に結合を切断するだけであれば、高温にすれば良いのですが、その場合、元に戻すのが難しくなってしまいます。
『単なる破壊』ではなく、『器用な変形』といったもと、といえばわかりやすいでしょうか?
我々もスマホを壊すだけならば、ハンマーで叩けばいいですけど、バラバラの部品の状態になるまで丁寧に分解して、そのあとまたそれを組み立てる、となれば難易度は跳ね上がりますよね?
そんな感じです。
『世界の記憶』(後述)の理論に基づいて考えるのであれば、熱で融かした後に、然るべき方法でエネルギーを出し入れすれば、元に戻るわけですが、他人や他人の武器をドロドロに融かせるほどの熱を生み出せるのは『赤系』の能力者でしょうし、その場合、『冷却』は苦手、あるいは不可能ですから、考えるだけ無駄ですね。
ちなみに自分の体を『幻想化』することができる能力者はごく一部であり、極めて高い技量を持つことの証明になります。
実用面においては、敵から刀で斬られそうになっても、自身の体を『幻想化』すれば大抵の場合、無傷で済みます。
また、移動時に空気抵抗を減らすことができたり、『物体を別の粒子に変える』能力の場合、自分の体を『幻想化』した後、『別の粒子に変換』、
『その粒子の特徴を用いた』後、
『もとの原子に変換し直して』、
『元の結合に戻す』という手順を踏むことで、能力の使い道が格段に増えます。
先述の通り、一般的に『改変度数』の定義されるもの(例えば魔臓や他人、他人の愛用するもの)は、本人以外が『幻想化』することはできません。
そして、『改変度数』の定義されないもの(例えば使い捨ての銃弾や剣、能力の施されていない石壁など)は一定以上の技量を持つ能力者であれば簡単に『幻想化』することができます。
具体的には、『コスモス』入学して3年も経てば、大体の生徒は『改変度数』の定義されないものに限り、『幻想化』できるようになります。
《異世界用語》
『世界の王』
世界ごとにいるとされている、その世界のヌシ。
生態ピラミッドの頂点に存在しており、高い知性を持つことが多い。
なお、『世界の王』を殺害した者は、次の『世界の王』となる。
現時点の『幻想世界』の『世界の王』はパラドクス=コスモスである。
『実世』
『危険世界』や『幻想世界』を含む世界をまとめて指す。
我々が距離を理解できる世界であり、
『実世の入江』から出てくる物が『質量を持つ物質』である『魔素』である為、『質量世界』と呼ぶ学派もある。
『虚世』
『虚世の入江』の先にあり、
『実世の入江』の向こう側にあるとされる世界を指す。
我々が距離を理解できない世界であり(例外あり)、
『虚世の入江』に入っていく『物質』がバラバラの原子となって入っていき、『質量を失っていく様に見える』様子から、『質量世界』になぞらえて、『エネルギー世界』と呼ぶ学派もある。
しかし、我々の住む『実世』において、エネルギーが必ずしも質量を持つとは限らないことからも、『虚世』において、質量という概念が存在しないと決めつける事はできない為、誤解を生まないために、『エネルギー世界』と呼ばれる事は稀である。
『虚世の入江』
『虚世』へと続くとされている穴。
主に空の果てや、『寿命を迎えた世界』で見られる。
我々の知見は、パラドクス=コスモス主導の『寿命を迎えた世界』における観測実験をもとに得られたものである。
『実世の入江』
顕微鏡でやっと観測できる程度の穴。
世界中に散らばっており、魔素密度に影響を与える。
一般に、1㎥には数千の『実世の入江』があるとされ、
ごく稀に『実世の入江』が集中して存在する場所もあり、そういった場所は、強力な生物がナワバリとしていることが多い。
『幻想世界』では、外縁に近付くほど密度が濃くなり、危険な生物に遭遇する可能性が増える。
『危険世界』はこの密度が極めて高い。
『世界の絶対法則』
どの世界についても成り立つ、不変の法則。
今まで多くの知的生命体が、これを破ろうとし、罰を受けてきた。
破る事は許されず、この法則を破ろうと試みる者は『世界免疫』によって滅ぼされる。
現時点で、『第6条』まで存在が予想されているが、あくまで経験による『人間』の勝手な予想であるため、完全に正しい法則内容は未だ不明である。
第5条は第1条から第4条までのいずれにも該当しないものを一括りにしたものである。
『第1条』 『如何なるときも、世界のエネルギーの和は一定である』
『第2条』 『如何なるものも、過去を変えるべからず』
『第3条』 『如何なるものも、時を止めるべからず』
『第4条』 『如何なるものも、死を逃るるべからず』
『第5条』 『如何なるものも、世の道理を曲げるべからず』
『第6条』 『以上を以て『第4条』唯一の例外とし、絶対不変の法とする』
『世界免疫』
『世界の絶対法則』を破った際に生まれる、『世界による拒絶反応』である。
『世界の絶対法則』を破ろうと試みただけで現れる。
生き物の形をして現れることもあれば、災害として現れる事もある。
抗いようの無いほどの、まさしく『災害』といえるほどの破壊をもたらし、
仮に一度抗おうとも、間を置いて再び別の『災害』が送られてくる為、
『仮の安息』を得られるだけである。
『世界の絶対法則』を破ろうとする行為は、数少ない万国共通の『禁忌』、とされている。
『愚かな人間が』『歴史に学んだ』『数少ない事例の一つ』と言えるだろう。
以下、愚かで傲慢なもの達が禁忌を犯した事例をいくつか示す。
①カデミィアの丘の悲劇
カデミィアの丘にて、とある少女が『第4条』を破り、『死者蘇生』を実行した。
『世界免疫』によって少女の周りの世界がガラスの様に固まり、ひび割れ、
『虚世の入江』 が生まれた。
『虚世の入江』は消滅するまでに数秒掛かり、『そこは丘ではなくなった』
②花皇国の悲劇
とある世界を統一した『花皇帝』が、能力を用いて、その世界中の自国民に向けて放った演説にて、
『第4条』を破り、『不老不死』を目指す事を明言した瞬間、『太陽の尖兵』が現れた。
2秒後、半径1キロに渡って、気温が4000℃にまで上がり、
その数時間後、その世界の『花皇国』の存在した世界は、一度『融けた』。
その後、融けた土は固まり、もとに戻った様に見えた世界に、人々はこぞって踏み入った。
しかしその世界に踏み入ったものは、数分と経たずに死ぬのであった。
後に土から『致死量の放射線』が出続けている事をパラドクス=コスモスが発見するまでに、
『土に還った』人数はおよそ『4000000人』
生身の人の踏み入れられぬその土地には、今では極彩色の森が広がっている。
真っ青、ピンク、赤、黄緑、橙、紫、といった木々が入り乱れるその森は、
後に『極彩色の森林世界』と呼ばれるようになる。
『太陽の尖兵』
人の形をした『世界免疫』である。
『太陽神』とも呼ばれ、光と熱と爆発により、『世界の絶対法則』を侵そうとしたものを排除する。
③ エディア平原の悲劇
神域であったエディア平原にて、
とあるものが『第5条』を破り、世の道理を捻じ曲げようとしたため、『太陽の尖兵』が派遣された。
『太陽の尖兵』が送られた後、『太陽の尖兵』は消滅。
『大津波』が送られた後、『大津波』は消滅。
『虚世の入江』が送られた後、『虚世の入江』は消滅。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・このものは今も抗い続けている。
『寿命を迎えた世界』
『世界の絶対法則』の第4条通り、この世の全てのものは変化し続ける。
したがって、どの世界もいずれ『虚世の入江』が生まれ、崩れ去ることとなる。
『虚世の入江』が生まれる予兆としては以下が挙げられる。
① 『実世の入江』の個数が減少していき、0に近づいていく現象。
(通称、『薪切れ』)
この現象を観測することによって、その世界の寿命を知ることができる。
②外縁部のいずれかの方向に流体が動いていこうとする現象。
具体的には、時間帯によって変化するはずの風向きが、一定の方向を向き続け、日に日に風が強くなるなど。
極小の『虚世の入江』が生まれ始めている予兆であるという学説が主流。
(通称、『終わりの風』)
③人間以外の生物が、一方向に向かって『まるで避難する様に』大移動を始める現象。
②の『終わりの風』の逆方向である場合がほとんどである。
生存本能に基づき、『虚世の入江』から逃げているのかもしれない。
(通称、『ノアの方舟』)
いやー、『デモニア侵攻作戦』なんてよく思いつくよね。
ほんとパラドクス君の悪知恵には恐れ入るよ、まったく。
 




