夜半の談話スペース。
仄暗い廊下へ、いざ!
うーー。暗いです。怖いです~。
一度、扉を閉め、深呼吸をする。
僕は、探偵助手です!暗い廊下がなんだ!!
よし!と、気合いを入れて、廊下に飛び出して階下を目指す。
悪い事をしている訳でも、ましてや不法侵入してる訳ではない。
が、なぜか抜き足差し足、こっそりと。
だって、おおおお化けさんに気が付かれたら、大変じゃないですか!用心してるんです!!
カタリッ・・・。
ひぃいいいいいい。
小さく響いた物音に吃驚して、階段の途中で頭を抱えて蹲る。
神様!仏様!!キイチさまーーー。助けてくださいーー。
心の中で、必死に唱えていると、聞き覚えのある声に耳が反応した。
あ、あれ?サブオーナーさん?
「・・・本当に・・・ですよね?」
ボソリと内緒話でもしているように、小声で話している。
僕は、勇気を持って、階下、談話スペースを覗き見た。
そこには、サブオーナーともう一人の人物がいて、頭を付き合わせるように話をしている。
あれは・・。オーナーじゃないし。誰だろう?
でも、なんか親密そうだなぁ。
「大丈夫だ。約束・・・・。」
声をかけるにしても、そんな雰囲気じゃないし・・。
と、迷っているうちに二人は、スタッフルームへと消えた。
なんだ、スタッフだったんですね。
二人の消えたドアを見ながら、なんとなく安堵の息をつく。
それから、身を翻すと飲み物を買うのも忘れて、部屋へと戻ったのだった。
チュンチュン。チュンチュン。
雀たちが朝の挨拶を交わしながら、日当たりのよいお気に入りの場所へと集まる。
その声に起こされて、寝ぼけ眼を擦りながら欠伸をひとつ。
「ふあぁぁぁあ。」
キイチさんを起こそうと、自分のベッドから起き出して隣のベッドへ近づく。
すぅぅぅぅぅ。深く息を吸い込んで・・・。
せーの。
キイチさんメガケて、思い切りダーーーイブ!!
「ぐえ。」
潰れたカエルのような呻き声を上げたのは、キイチさん。
「か・・カナメ。」
腹を押さえて、拳を握る。
ごちん。
い・・痛いです。キイチさん。
「ドアホ!!ふつーに起こせっての。」
だって、ふつーじゃ、起きないじゃないですか!!
ぷーと膨れながら、殴られた頭をさする。
「もう、毎回起こすの大変なんですぅ。文句言うなら、ちゃんと起きてくださいよ。」
ぶーぶー言いながら、朝風呂を楽しもうとタオルを掴み、ドアノブを回す。
「・・・・オイ!中野!!」
ドアを開けると、そんな声が階下から聞こえて来た。




