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pure sweeten~その後~   作者: 新海 明加
5/6

おしとやかに見えて実は

「・・・汚い手でべたべた触るな!!」



言い終わると同時に、美菜が20㌢以上も背の高い男を、軽々背負い投げで投げてしまったのだ。


美菜は、ぱんぱんと手を払い、もう1人、私にしつこかった男を睨む。


男はビクッと体を震わせ、伸びてしまった男を引きずりながら逃げた。


だが渉は、まだ私を羽交締めにしながら、私の後ろに隠れるように下がっていく。


体をひねりながら



「・・・渉何してる

の??美菜ちゃんが怖いの?」



と聞いた。

しかし渉は



「違う違う!!美菜ちゃんの後ろ、後ろ。」



と言いながら指を指すだけ。


私はまた正面を向くと、怒りながら美菜に近づく少年を見た。


美菜の後ろに立ち、がしっと肩をつかむ。



「みーなーっ・・・。」


「亮!?」



少年は、美菜の彼氏=渉の弟の亮君だったのだ。


渉とは逆の印象を与え、スポーツ少年のイメージがあってカッコよかった。



(さぞかしもてるんだろうな・・・髪さらさらなのは一緒だ。)



そんなことを考えながら、亮と美菜を交互に見る。


亮はぶすっとしている。


美菜は美菜で、一生懸命謝っている。



「美菜!!いつも言ってるだろが!!危ないから手を出すなって。相手が伸びただけでよかったものの・・・。」


(・・・亮君の心配って相手!?)



私は思わず突っ込んでしまった。


そして



「それに」



と言って、目線が私に向いた。


正確には渉に。



「・・・兄貴!!仮にもこいつは女なんだから、助けてやれよ。」


「だって、美菜ちゃん手出されるの嫌いだって言ってたし・・・。」


「はい。嫌いです。・・・渉さんの行動は間違ってませんでしたよ☆」



にこにこと、話す美菜。


渉もそれに、笑顔で返した。


亮はこの2人を見て、顔を下にし、ため息をついた。


それから、顔を上げ私を見て



「はじめまして。こいつの彼氏でそっちの弟の亮です。いつも兄がお世話してもらって・・・。」



美菜をこいつと言い、渉をそっちと言う亮に笑った。



「はじめまして。渉の彼女をさせてもらってる、永田 咲生です。こちらこそ、迷惑をかけてるんで、お世話をしてるとは・・・。」



苦笑しながら言った。



「さっちゃん、もう行こう!!」



渉が手を引っ張りながら歩き始める。



「美菜ちゃん。今日は楽しかったよ。また今度遊ぼうね☆それじゃー2人ともまたね。」



言い終えたとき、亮が私を捕まえ、小声で言ってきた。



【兄貴、今まで女の子をあだ名で呼んだことなかったんだよ。それに、家でも甘えないし。】



そして



「咲生ちゃん、ばいばい☆」



と言って、美菜の手を引き行ってしまった。


呆気にとられていた。



「さーっちゃん。」



ボソッと言った渉の声に、ビクッと肩を震わせゆっくり後ろを向く。


目は笑っているが、本当の笑顔ではなかった。



「渉??」



苦笑しながら尋ねる。

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