恥ずかしい
戻ってみると、満足そうに待っている美菜がいた。
「ごめんね!!待たせちゃった?」
「いえ!!ついさっき終わったところですから。」
「いいものは買えた??」
渉も話しかけた。
その質問に満面の笑みで
「はいっ☆」
と答えていた。
3人はお店を出ると、少し休憩する為、ファーストフードを食べに行くことにした。
しかし、行ってみると混んでいたので、渉が飲み物だけ買ってきてくれることになった。
「飲み物何がいい??」
「私はいつもので。」
渉は、少し笑って
「はいはい、さっちゃんはいつものね。美菜ちゃんは?」
「アイスティーお願いします。」
「オッケー。それじゃー行ってくるね。」
渉が、注文の列に混ざる。
それを見ていた私の横から、くすくすと笑い声が聞こえた。
隣を見ると美菜が笑っている。
「・・・美菜ちゃん??」
私は、ものすごく不思議がった声で聞いた。
「すっすみません・・・くっ。」
まだおかしいようだ。
「私、何かした!?」
「いえ!!・・・ただ可愛くて。」
そう言われた時
(美菜ちゃんの方が可愛いよ!!)
と心の中で思ったが、口には出さなかった。
美菜の可愛いが分からなかったので、聞き返してみる。
「何が??」
「咲生さんって、渉さんのこと愛してるんだなぁーって思って。」
「あっ愛してるだなんて!!」
思わず声が裏返ってしまった。
それにまた、美菜が笑った。
「いつも甘えてくる渉さんを、咲生さんは、少し突き放した言い方してるんですけれど、見る目は愛情が籠っているんです。」
「・・・美菜ちゃん。」
顔が熱い。
(絶対、今顔赤いし!!美菜ちゃんって唐突なんだもん・・・。)
美菜は、微笑んでまだ続ける。
「今も、買いに行ってくれてる渉さんを、心配そうに見ていたし・・・何より『いつもの』で通じる程なんで、そう思いました。」
「うーん・・・自分ではそんな風にしてるつもりはなかったんだけどなぁー。」
「私からは、そう見えました!!」
美菜は、絶対そうだと言わんばかりに言ってくる。
(・・・周りには、そう見えるのかな?確かに突き放した言い方するけれど、それは、渉が甘えてくるのが恥ずかしくてだし・・・。つくづく可愛くないな・・・はぁー。)
私は、自分のことから美菜に話を変えようとした時、第三者の声によって遮られてしまった。