馴れ初め
2月16日(日曜日)、晴れ。
今、私永田 咲生は、渉との待ち合わせ場所に向かってる。
決して遅刻してるわけではない。
昨日の帰り道、渉の弟・亮君の誕生日プレゼント買いを、弟君の彼女さん・美菜ちゃんに、私も一緒にと言うことでつき合って欲しいことを頼まれた。
「さっちゃーん!!こっちこっち。」
渉が手を振っている。
その隣には、美菜の姿が。
(・・・2人早い。これでも早く来た方なのに。)
私は、2人の方向へ歩いていく。
「咲生さん、こんにちは☆今日はすみません。」
「こんにちは☆全然いいんだよ。気にしないで!」
「ありがとうございます。」
美菜は、満面の笑みだった。
見ているだけで癒される笑顔。
守ってあげたくなるような娘。
もし自分が男の子だったら、絶対好きになってると思う。
そんな内面的かわいさも持った美菜と愛嬌を持ち、男女に愛される渉との行動が始まった。
最初は、他愛もない会話だった。
しかし話が進むにつれ、内容が濃くなっていった。
「出会ったきっかけは??」
「うーんと・・・私が次の授業に遅刻しそうで走ってたら、曲がり角でぶつかっちゃった時かな。」
「へぇ~。渉さんそうなんですか??」
「・・・ちょっと違うけど、そうだと思うよ。」
渉の返答は、少しおかしかった。
「えっ!?違う??」
「いや、いいんだよ。」
私は疑問に思いながらも話しを美菜にふった。
「美菜ちゃんは??」
「私ですか?私は、ただ単にクラスメイトです。」
「そーなんだぁ。」
美菜の少し恥ずかしそうに笑った顔を見て、私もつられて笑った。