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「おい、どういうことだ」


レイ・ヴァレーは圧倒されながら呟いた。


龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍、龍

目の前に、この世で最も強い生物のまるで蟻のような大群が広がっていた。敵意を向けられていなければ、壮観な光景と楽しむことができたであろう威容。一般人ならこの光景だけでも自失してもおかしくない。


だがこれだけならレイは別にどうとも思わなかった。これまでの龍との戦いは常にこうであり、結果もまた常に勝利で終わっていたからだ。


レイが圧倒されたのは、龍の大群ではない。

理由は大群を構成する龍一体一体にあった。


「おい、あんなでかいの見たことあるか?」

「それよりやばいのは周りの連中だろ、武装してやがる」


目前の群れには、小山が混じっていた。亀のような甲羅を背負った巨大な龍だ。如何にも頑強。膂力は考えるまでもなく最強。こちら側の龍にはその半分に達しているものもいないだろう。そんな巨躯の龍が、相手側には何十体もいるのに。


その小山の龍の周りにいるやや小型な二足歩行の龍は、別の意味で驚愕だった。武装しているのだ。槍と鎧、盾。どれも意匠はシンプルで、でこぼことした石や鉄板や皮を木の棒や板に張り付けているだけ。だが問題はそこではない。脅威なのは、龍が武装していること自体だ。これまでの裸で突っ込んできているだけの龍達を猿の集団としたら、目の前の龍は原始人だろう。原始人であろうと人は人、猿とは隔絶した知能だ。


武装するだけの頭がある。考えれば考えるほど背筋が冷たくなる。この武装龍がまるで小山の龍の警護についているように見える、冷たさを脳幹まで上がってくる。


レイは景色を見るように、戦場全体をみた。いくつもの山々をまたがう焼け野原全面にまんべんなく広がる小山と武装の龍。対するは前方を竜、後方に弓を構えた人間が詰めるという人類必勝の布陣。少なくともこれまでは。薄汚れた龍と清潔な水と香で磨かれた竜を比較しては笑っていたこれまでは。


小山か武装の龍と、多様な種類がいるが、己の爪と牙を誇るだけの竜を見比べ、レイは自分の顔から血の気が引いていく様をただ感じていた。それは周りの人間皆そうなのか、隊長クラスがなんとか戦争のための声を上げているだけで、静まり返っている。


思考が半ば凍結したまま、先陣同士が衝突一歩手前まで近付いた。ふと空を見上げると、月の光が陰っていた。翼竜の大群だ。誰も気付いていないのか、気付いても何もできないのか。


どこか力ない竜の咆哮の後、先陣同士がぶつかった瞬間、勝敗は決した。轟音と共に人間側の竜が何体も宙を舞い、同時に隣の男がばさりと倒れた。パートナーと人の二体一命の関係、前の竜が一体死ねば、そのパートナーも死ぬ。レイは周りを見回した。倒れたのは数人だけ、だが残る面々の目には陰があった。これが絶望か。


人と竜の悲鳴の中を、陣を割って迫る小山の龍。屈強な竜がまるで障害になっていない。だがそれ以上に、レイはその周りの武装龍を見て、弓を持つ手から力が抜けた。その槍の切っ先は、小山の龍に取りつこうとする竜に優先的に向けられていたからだ。小柄ながら急所を庇う皮と鉄の鎧を付け、石製の槍でしつこく牽制し、小山龍を守る無数の武装龍。戦術だ。戦車と歩兵。目の前の龍はこれまでの龍と違う。この戦いは戦争なのだ。そしてそのことに気付いたのは、遅すぎた。


「なにこれ」


誰ともない呟きを横に、レイは首筋に氷の粒が辿っているような錯覚を覚えていた。もしも龍が戦術を用いて戦ってきたら人類は――いやしかし何故いきなりこんな戦い方を――


「おい! 翼竜が来るぞ!」


声に反応して反射的に視線を上げた。月を覆い隠さんばかりの翼竜の内、一団がこちらに近付いてきている。人類側の布陣の内、竜の帯を飛び越え、その先の人間側の帯へ、つまり自分達の目前へ滑空してきている。弓を打とう、いや、もう遅い――


だが直前で翼竜の集団は首を上方に上げた。こちらに腹を見せ、上空へと方向転換。そのまま宙返りして、翼竜の群れの後方に戻っていく。


助かった? そう声が出かかったところで、レイは気付いた。上空へ飛び去った集団が、皆一様に後ろ脚に布のようなものをばたつかせていることに。そしてそのばたつきに合わせるように、月の光に反射してきらめく無数の小さな星のようなものが――


それが何か考える前に、レイの耳にはズサズサズサズサとまるで鶏肉に包丁を突き立てるような音が入ってきた。途中で腕に鋭い痛みが走った。


「投石だ!」


音が止んだところで、レイは腕を見た。尖った石。もろい層状の石を剥離させただけのものか。これを布に包み、投石してきたのか。それも弓の届かない距離から。竜の肌には効かないが、人間のやわ肌には致命傷になりかねない。周囲を見回す。レイのところからは見えないが、悲鳴と微かなうめき声と、なにより空気で伝わってくる。レイの腕に刺さっている石は、流れ弾。直撃を受けた場所は――


「逃げようぜ! そうだ、森のあたりまで――」

「馬鹿野郎、パートナー置いてか!? ――が指示出すんだ――」

「――んなこと――」


悲鳴と怒号の喧噪に混じって聞こえてくる中、レイは呆然と空を見上げた。

月の光を埋め尽くさんばかりの無数の翼竜。その先陣で滑空を始めている、先程の三倍以上の集団。


逃げよう。レイはそう思った。自分が死んだら、パートナーも死ぬ。それはダメだ。

後ろに脚を一歩踏み出そうとした。だが突然足裏の間隔が消えた。視界が回転し、どこか遠い後頭部の痛みと共に、真っ暗な星空が目に写しだされた。


力が入らない。ああ、これがパートナーの死か。小山の龍につぶされたか、武装龍の槍に刺されたか。夜空に無数の流れ星が――いやこれは投石だろ――










一週間前と同じように月と星が輝く夜空の中、みゆきは飛び出していったリズの後を追っていた。追いついた先はテント間をあけただけの空き地の飛行場で、リズはリンドヴルムの背中に乗りながら、小柄な女性に指示を出していた。


「全員集合させて。私が返ってくるまで待機。絶対ね」

「待って、私も行く。危ない」

「……なら早く。私より前には出ないこと」


みゆきがイレイネの背に乗るや否や、リズは飛びあがった。みゆきも慌てて後を追う。


「……やられた」


遅れたのは数秒ほどだったが、追いついたときには、リズはそう呟いていた。唇を軽く噛んでいる。目には青い紅蓮が渦巻いている。


リズの視線の先を目で追うと、見えたのは人類の敗北だった。統率だった巨大な龍と武装した小型の龍、上空を渡り鳥の集団のように覆う翼竜の集団、そして崩壊した人類側の戦線。地面に転がっているのは龍ではなく竜ばかりだ。アーサーが稜線にそうように焼いた跡も、歩が走りまわった草原も、既に龍に踏み荒らされている。


「先にやられるなんて、思っても見なかった」


独り言のようなリズの声。意味がわからず尋ねると、リズはぴっと翼竜の集団の先を指した。


「あれは多分、人間のみを狙って投石をしてる」


みゆきは微かな月明かりを頼りに目を凝らすと、地上の龍達に先行する形の翼竜、その先頭集団がまるで魚の群れに襲い掛かる鳥のように滑空しているのが見えた。滑空は逃げまどう人間達の少し手前のところで急に上空に折り返されており、ここから見ると翼竜の群れの形はめくれた一枚布のよう。そしてその一枚布のめくれた部分の下には、無数の人間が――


みゆきはうっと喉元からこみ上がってきたものを呑みこんだ。こめかみのあたりが大きく脈打

っている。落ち着こう、落ち着こう……


思えば、初めてだった。無残な人間を見るのは。この一週間でも死体を見ることはあった。曲がりなりにも戦場なのだから当然だ。しかし見たのはパートナーをやられて死んだ人だけで、それも一人一人手厚く手当てされた人間らしい死体だった。同じ死でも、こんなに違うなんて、想像の範囲を越えていた。


「あの滑空から折り返すところで、布か何かで包んだ石を飛ばしてるんだと思う。その位置からだと反撃されないし、人相手なら十分な威力が出る。あちらにも知恵のあるやつがいたのね」


冷静なリズの声に、思わず強い声が出る。


「それより早く助けないと!」


少しの間の後、リズはそうね、でも冷静に、と呟くように言った。


「対策をしっかり練り、心構えをした上でないと、ただ突撃しても、渦に巻かれるだけになる」


冷静な意見だ、でも余りにも冷たすぎるじゃないか。そう思って、きっとリズを見て、頭がすっと冷えた。


リズはじっと戦線を睨んでいた。表情は柔らかく、目の中の瞳を何かで渦巻かせて。猛禽類のように、一点にポイントを絞って凝視しては、また別の一点に移しては凝視する。ひたすらその繰り返し。翼竜の集団、その先頭、投石して折り返した先。地上はほとんど見ていない。自らが何をすべきかを理解し、目的を果たすための作業以外の全てを押し殺す、壮絶な女の瞳。


その目を見て、みゆきもまた自分が何をすべきかを理解した。

ここに来たのは、歩を連れ戻すため。だけど目の前の惨状を放置なんてできない。


「よし、降りよう」


そう言って降下するリズの後を、間髪いれずについて行く。


「アーサーが発案して、私達がやろうとしてたことの内の一つなの、今相手がやってること。空戦部隊による戦術」


着陸するまでの十秒ほどでリズが一気に言いきった。


着陸箇所には、部隊所属の全ての竜使い、九十六名が集まっていた。騎乗の準備をしている最中の人もいたが、ほとんどは完全装備のパートナーを隣に、手を後ろに回して立っている。が、顔の色は皆一様に白い。


「全員集まってるね!」


着陸した余波の埃が納まらない内に、リズが声を張り上げて言った。


「戦場がどうなっているか、見た人はいる?」


誰も声を上げないのを見て、リズは更に声を張り上げた。


「総員、対空戦の装備を! 相手は翼竜! 五分以内!」


さあ行って、とリズが言ったが、百近い白い顔は動かなかった。パンと手を鳴らして慌てて散り始める。その内、五つがリズのところにやってきた。小隊長だ。


「みゆき、私とあなたの剣持ってきて」


五人の小隊長とすれ違う形で、みゆきはテントに向かった。副官としてのみゆきの役目は部隊のまとめ役ではなく、リズの隣にいること。常寸の剣を腰につけた後、壁にかけられたリズの大太刀を掴む。意匠の施された槍ほどの長さの柄と、そこから伸びる無骨な刀身。ずしりと重い。


発着場に戻ると、大部分が戻ってきていた。皆みゆきが抱えるものと似た大剣を持ち、竜の隣に立っている。その顔は青に近い白。


リズは渡された大剣を軽々と脇に抱えると、鐙を使わずにぱっとリンドヴルムに飛び乗った。続いて九十六名も一斉に騎乗する。本来であれば晴れの舞台だが、とてもそんな気配はない。森の生物すら息をひそめているかのようで、聞こえてくるのは微かな竜の断末魔のみ。


みゆきは私についてきてと言った後、リズは部隊の先頭へ向かった。そしてリンドヴルムに部隊の方を向かせると、まるで演説場に立つように、その背も立ちあがった。


「正直な話、私達はこれから最悪の体験を得ることになる! 相手はこれまでとは違う圧倒的な龍! 戦況は最悪だ! 地上は壊滅しつつあるし、空には月を覆い隠すほどの無数の翼竜がいる! 人も竜も、無数の死体がやつらによって生み出され、踏みつけられている! なのにそこに向かう私達はまっさらな新兵! それも竜に乗って人も現地に向かうという、馬鹿げた戦法の! 全くもって最悪だ! 生きて帰ってきただけで、周りは奇跡と言うだろう!」


ネガティブな内容だ。だがそうとは感じさせないほど力強い声。


「しかし、私はそうは思わない! 地上が壊滅状態? そんなの知ったことじゃない! 私達が見るべきは空! 戦場は無限の空のみ! 下がどうであろうと関係ない! 無数の翼竜? よく見ればわかる! やつらの大半はただ石ころを運んでいるだけだ! ただの荷係だ! やつらを守る役目の飛龍もほとんどいない! 学び、訓練し、血へどを吐いて身体に染み込ませたことをするだけで勝てる! 私はそれを保証する!」


リズの顔色は悪い。歩の一件からよく眠れていないのだろう、金髪もどこかくすんでいるし、戦場のほこりに晒された服はぼろぼろ、頬は化粧ではなく土埃がはりついている。

だがそんな姿でも、目を煌々とさせるリズは壮絶に美しかった。


「ここに帰ってきたとき、私達は変わっている! ただの竜使いから戦士へ、龍と戦かった人間へ、龍に勝利した人間へ、変わっている! 私達の前には何もなく、私達の後ろには無数の竜使い! そんな光景が待っている!」


剣を掲げろ、とリズは号令した。月明かりをきらめかせる百の刃が掲げられる。百の竜と人と刃。目を怪しく光らせる竜と、頬を紅潮させた人間、そして白い刃。


誰かが一度叫ぶと、それはそのまま部隊に伝播していった。おおおおお、うおおおおおおお。男も女もなく、ただ叫ぶ。竜も叫ぶ。まるで怯えるかのように大気が震えている。


「総員、飛翔!」


震える大気の中を、一番にリズが飛び上がった。続いて五つの部隊長が後を追い、みゆきも続く。ぐんと身体に重圧がかかり、それは空高く舞い上がるまで波打つように強弱を繰り返す。全身に力を入れこらえながら見た最後の九十騎、一斉の飛翔で地上に竜巻のようの土埃を渦巻かせていた。


一度大きく飛び上がった後、今度は逆に地上へ向かって下降、速度を増したところで、序々に角度を水平に回し、滑空へ。重圧に代わる浮遊感とさわやかな風の音の中、みゆきはリズの隣までイレーネに進ませた。


「みゆきは無理をしないで」

「大丈夫、短い間だけど、私も訓練はした。邪魔をしない位はできる」


視線は正面に合わせたまま言った。積乱雲のような翼竜の大群が見える。なんとなく後方を振り返り見た。五つの月とそれぞれにつき従う二十の星、綺麗な隊列だ。


「無理はしないでね。歩とアーサーを救えるのは私達だけなんだから」


あと一分でぶつかる位の距離まで近づいたとき、翼龍の大群の端が切り離された。ナイフで裂かれた雲のように。その切れ端は宙でぐるりと形を整えると、こちらに向かってきた。


「総員、抜剣! 落ち着いて訓練通りに! 狙うのは翼! 深追いはしない、パートナーに無理はさせない、徹底して! 少しでも傷つけたら勝ち、少しでも傷つけられたら死!」


衝突まで三十秒まで近付いて、相手がよく見えるようになった。竜というよりも、翼のある爬虫類や毛のない鳥といった感じだ。細長い頭に流線形の胴。クチバシがあるのもいる。前足はないが、後ろ脚には鋭い爪が光っている。目をこらすと、首や胴体を茶色の革で覆っている。


衝突寸前、お互いに散開し、個人戦へ。広がった翼龍の群れは、まるで津波のよう。押し寄せる灰色や茶や黒の濁流と、ところどころできらりと光る目、牙、クチバシ、そして爪――


衝突、その直前にばさりと翼をひるがえし、後ろ脚の爪をつきだしてきた龍に対し、みゆきは静かに剣を走らせた。翼に触れる一瞬だけはしっかり構え、ぶつりと感触がしたら、後は表面を撫でるように剣を沿わせていく。手元にはほんの少しの布を裂くような感触――だがこれで十分だ。


しかしその感触の間も、思考は次の濁流へ。無数の翼竜の中、正面の複数の光点に視点を合わす。飛行軌道はイレーネに任せている。思考はシンプル、相手にひっかけられないように、剣を走らせる。


翼、翼、回避、頭、翼、回避、回避、回避、翼、目、回避……


最後の一体をかわし終えると、圧迫感が消えた。ひとまず生きている。よし! そう沸き上がってきた喜びは、すぐにしぼんだ。目の前の光景が意識に入ってきたのだ。無数の人間と竜の死骸、その上を進む亀のような巨大な龍と武装したお付き。そしてその上にたたずむ暗雲のような翼竜の群れ。暗雲は既に裸の山のほとんどを呑みこんでいた。その奥の森までさしかかろうとしていた。長年の戦争の舞台となった場所は全て竜と龍の炎にさらされ、木一つなくなっている。つまりその森はこれまで人類が守り通してきた最後の一線――


「みゆき!」


はっとし、慌てて手綱を引き、イレーネに軌道を変えさせる。寸暇の後、すぐ横を鋭い音と共に何かが擦り、抜けて行った。


「そのまま速度上げて――」


すぐ横で、ばさりと豪快な羽音が減速してきた。もはや聞き慣れた音。リズの乗る、勇ましいリンドヴルム。


「後ろからも追ってきてる、撒くよ。大丈夫、こいつら私達より遅いし、弱い」


口ではそう言うが、首を回し見たリズの横顔は固かった。そのまま視線を後方へ回すと、人を乗せた騎竜の隊列、およそ百。損害はほとんどない。いても片手に満たないだろう。だが片手に満たなくても、それは人とパートナーの数、負傷しても上手く逃げてくれているといいけど――


「二手に分かれよう。二小隊と私達で前の集団に、残りの三小隊で後ろを。二小隊四十人でも、撹乱だけならいける」


みゆきは頷いた。目の前の暗雲のような大群は優に千を数える、それに四十人で突っ込む。無謀なようだが、先程の翼竜に対し、いけると判断したのはリズだ。そして実際にいけた。私のやるべきことは、リズを信頼することだけ――


そう思い視線を正面に戻そうとしたとき、目の端が何かを捉えた。同時に冷たい予感が走る。第六感というには余りにも鋭い、これは、と目を覚まさせる、錐のような感情。


そこは空ではなく地上だった。整然と進軍する龍の群れ。その中の一カ所、奥深くのど真ん中に、流れのよどんだ箇所があったのだ。絶望的なまでに穏やかな川の中の、孤独で静かな渦のような。


夜陰でよく見えない。しかし目を凝らせば、見える、気がする。光を吸いこむような黒色が――


余りにも見慣れたようで見慣れない、龍殺しの竜の黒が。


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