瑞恵の兄
「それでは本題だ。」
「「…」」
「正確には、ミズエ、君に関することだ。」
瑞恵…?
「…」
瑞恵は無言だ。しかし、長年一緒にいた僕はわかる。内の動揺を抑えようとしてると。
「…未来を見ようとしても無駄だよ。いや、神としての権能でわかる。わかっている。もし、君がここで未来予知を使ったら、君は帰る事を選んでいた」
「…っ」
「口に出してほしいかい?…君の未来予知は能力だから僕に封じられる。あの糞鬼ばばぁは自分の力で予知できるから僕にも封じられな『《エクストラスキル…次元震 改 肉弾式 威力減衰最大強化 振動強化》だれだい?クソババぁなんて言おうとした曲者は』ぐっ…ハァッ…あのやろ自動化してやがるっ…《エクストラ・リジェネヒール》」
「《解呪》」
「ちょっと、なんでだよ!…あのBBAっ…変なこと教えやがって…まあいい。痛いのも余興だ。」
ジダレはそう言って血を払う。
その笑顔は胡散臭くて…邪神らしかった。
「君のお兄さん。異世界にいるよ?」
「ッ…」
えっ?え?え??えーーーー!?
「…わかってた。わかってたよ。未来が見えないから逆に。」
そう言う瑞恵は…静かに涙をこぼしていた。
その表情は、泣いているのに壊れそうなほど美しく、触れようがなさそうだった。
「列車の事故なんかでお兄ちゃんが死ぬはずがない。死ぬはずがないよ…お兄ちゃんは、世界で1…2番目に強い人だもん。」
その言い直しの意味は?
「先に一つだけ訂正させてもらおう。彼は死んだ。それだけは忘れてはいけないよ。」
「ッ…グスッ…うぅっ」
また泣き出した…いや、勇さんは世界で本当に1番強い人だったよ。わかる。わかるよ。小さい頃からとても優しく、心が広く、そしてまっすぐな強さがあった人だったよ…
「…ケントくん。私にはどうやら慰めることはできそうにない。頼むよ。」
そう言って神は目を瞑った。
…いや、自分で泣かせただろうよ。
それから泣き止ませるのに体感2時間かかった。




