6話
土曜日の朝。
4人は、谷原小学校の前で待ち合わせた。
「おべんとう、持ってきた?」
「うん。あと、ノートも。」
「ルーペ、借りてきたよ」
「ぼく、ふせんとテープ持ってきた」
4人は、地図をたしかめながら、光が丘公園へむかった。
春の風が、すこしだけつめたかった。
公園につくと、木がたくさんあって、空がひろかった。
鳥の声、風の音、葉っぱのゆれる音——
いろんな“音”が、そこにあった。
「まずは、葉っぱをさがそう」
結菜が、スケッチブックをひらいた。
陽翔は、しゃがんで、落ち葉をひろった。
「この葉っぱ、すじがすごくはっきりしてる」
湊斗は、木のかげにすわって、葉っぱを光にすかした。
「……光がとおると、道が見える」
大翔は、ルーペで葉っぱを見ながら、ノートに書いた。
「葉脈は、まんなかから左右にのびてる。水の流れみたい」
結菜は、ふせんに「地図みたい」と書いて、葉っぱにそっとはった。
4人は、しばらくのあいだ、しゃべらずに観察をつづけた。
それぞれが、ちがう葉っぱを見て、ちがうことを感じていた。
「ねえ、これ、にじににてると思わない?」
結菜が、ふとつぶやいた。
「うん。光のいたずら、また見つけたね」
陽翔が、笑った。
湊斗は、そっとうなずいた。
大翔は、ノートに「Project: 葉っぱの地図(光が丘編)」と書きくわえた。
それは、4人だけの、春の発見だった。




