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4話
ある日、結菜は学校の帰り道で、ふと足をとめた。
「この葉っぱ……」
道ばたに落ちていた、うすい黄色の葉っぱ。
ひらひらと風にゆれて、アスファルトの上に落ちていた。
ひろいあげて、光にすかしてみる。
すじが、まるで川みたいに広がっていた。
「……地図、みたい」
その夜、結菜は家で、ノートをひらいた。
葉っぱを紙のうえにのせて、そっと鉛筆でこすってみた。
すじが、うすく、でもはっきりと、紙のうえにうつった。
「わあ……」
まるで、知らない町の地図みたいだった。
まんなかに太い道があって、そこから小さな道がのびている。
その道は、どこかへつながっているように見えた。
「この葉っぱの中にも、命がながれてたんだ……」
次の日、結菜はそのノートを学校に持っていった。
「見て、これ」
4人の机をくっつけて、そっとノートをひらく。
「すごい……」
陽翔が、目をまるくした。
「ほんとに地図みたい」
大翔が、すじを指でなぞった。
湊斗は、しばらく見つめてから、ぽつりと言った。
「……この道、どこに行くんだろうね」
4人は、しばらくのあいだ、葉っぱの地図をながめていた。
だれもしゃべらなかったけれど、
それぞれの心の中で、ちがう“行きさき”を思いえがいていた。




