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カトゥオール シアンティフク 12  作者: 双鶴


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3/8

3話

「ねえ、見て!カブトムシの幼虫、五ひきもいた!」


教室のうしろで、男子たちがさわいでいた。

4年生の理科で「春の生きもの」を学んでから、クラスでは昆虫さがしブームがはじまっていた。


「わたしも、バッタつかまえたよ!」

「アリのすあな、ほったら、たまごがあった!」


みんなが虫かごを持ってきて、休み時間になると校庭にとびだしていく。


でも——


「……わたし、虫はちょっと……」

結菜は、そっと目をそらした。


「ぼくも、あんまりさわれない」

湊斗も、すこしだけ顔をしかめた。


「じゃあ、べつの“はる”をさがそうよ」

陽翔が、にっこり笑った。


「たとえば、これとか」

大翔が、ランドセルからノートを出した。

中には、いろんな葉っぱのスケッチがならんでいた。


「これ、すごいね」

結菜が、ページをめくると、あるページで手がとまった。


そこには、葉っぱのうらがわが、うすい紙にうつしとられていた。

まるで、木の血管みたいに、すじが広がっていた。


「これ……きれい」

結菜が、つぶやいた。


「葉っぱの中に、道があるんだよ」

大翔が言った。


「水がとおる道?」

「そう。葉脈っていうんだって。」


陽翔が、葉っぱを手にとって、光にすかしてみた。

「ほんとだ……光がとおると、もっときれい。」


湊斗は、じっと見つめていた。

「……これ、にじに、にてる。」


4人は、虫かごのにぎやかな教室のすみで、

しずかに、葉っぱの中の“ひみつの道”を見つけていた。


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