63 ちゃぶ台の侍
どうぞお楽しみください。
『シ~ン……』
侍たちの待つ屋敷に帰ると、家の中は真っ暗だった。
「誰もいないじゃん?」と呟きドアを開けた次の瞬間――
「誕生日、おめでとうでござるぅぅぅ~」
ぱっと明かりが灯り、七人の侍たちによる万歳の合唱が起きた。
「んっ、誕生日……?」
意味が分からず固まっている私に、ボクデンが声を掛けた……。
「ダイサク殿、如何された? 鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしておられるぞ!」
「いっ、いえ、どうして皆さんが私の誕生日を知ってらっしゃるのかと思って……」
「いやいや、昨晩、酒を酌み交わしておる時、バイケンへ話をされておったではないか、『明日は私のはっぴ~ば~すが、なんやら』となっ」
「ハッピーバースデーですね」
「そうそう、その『はっぴ~ば~すで~で、誕生日がなんやら』と、バイケンと話しておったであろう」
「そっ、そうでした、そうでした」
――ごめんなさい……酒に溺れて全く記憶にございません――
「あらためて、誕生日おめでとう。ささやかではあるが、先日よりも少しばかり料理を豪勢にしておるので、皆でゆっくりと食おうではないか」
「おめでとう! おめでとう! おめでとうでござる♪」
「あっ、ありがとうございます。まさか、異世界で誕生日を祝ってもらえるとは……思ってもいませんでした」
バースデーケーキは出てこなかったけど、鯛や鮃などの新鮮な魚は膳に上がっているし、感謝で涙がちょちょ切れちゃいそうだ。
「ダイサク殿には大変世話を掛けた」
「いえいえ、そんなことはありません。過去はどうあれ今は皆さんのお世話になっていますし……世の中、持ちつ持たれつですよ」
「いいえ、そうではありません。ダイサクさんとお会いして己が目を覚ましていなければ、我々はモレアの漁村で一生涯を過ごすことになっていたやも知れません。本当に感謝しています」
ソウシは、はらりと落ちた髪をかき上げながら、さらりと格好よく礼を言った。
奴は容姿だけでなく言葉も端麗で、いちいち癪に障るぅぅぅ~。
――呪われてしまえ――
とにもかくにも、バイケン、コジロー、ソウシ、トウベイ、ジンスケ、インエイ、そしてボクデンの7人の侍に誕生日を祝ってもらい、楽しく得難い時間を過ごすことができた。
但し、今日の誕生会に関して一つ言わせてもらうと、料理は豪華だったのだが、何故か飲み物が酒ではなく白湯だった?
――個人的にはアルコールは苦手なので、何の文句もなかったのだが――
◇◇◇
食事が終わり暫くしてから、私は侍たちに連れられて剣道場に入った。夜の剣道場は、門下生も居らず、真っ暗でしんと静まり返っていた……。
「夜中の剣道場で何をなさるのですか?」とボクデンに尋ねた。
「申し訳ないが、今からやることはダイサク殿の誕生祝いというわけではない……」
「それでは、なにを?」
「ダイサクよ……まあ見てなって、うぃ~」とバイケンが茶々を入れる。
不思議なことに、水しか飲んでいないはずなのに、バイケンはいつも通り虎になっている。
「そこっ、どけっくれんや!」
体のごついトウベイが、直径2メートルはあろう、これまた大きな千年杉の『ちゃぶ台』を肩に担いでやって来た。
『ズン、ズッシ~ン!』
トウベイがちゃぶ台を道場の中央に置くと、侍たちはその周りにどかどかと胡坐をかいて座った。
「ボクデンさん、何が始まるのでしょう?」
「ダイサク殿、然らばその空いた席に座られよ」
7人の侍たちの視線のレーザービームが私を貫いた――
「は、はい、承知しました」
ボクデンに言われるがまま、私はその空いた席にちょこんと正座で座った……。
「それでは、例のごとく始めましょうぞ……おのおの方準備は宜しいか?」
「はっはっ、もちろん、ろん!」
「いざいざいざ~、えいえ~い」ボクデンが掛け声をかけると、
「お~お~お~」残り6人の侍が声を上げた。
「えいえ~い」
「お~お~お~」
「…………」
私はそんな皆の様子を、不可解な面持ちでじっと眺めていたのだが……。
『大悦眼!』
インエイは、にこりと微笑んで、私を優しく見入った……。
以前の仕合と同様、彼は目の力を抜くことで全身の力を抜き、自然体となり得たようだ。
――暗黙の勧誘かしら?――
「…………」それでも私が沈黙を貫いていると――
「おはんもやるがよ!」
『ドンッ』
トウベイが手のひらで私の背中を力任せに叩いて、無理矢理に彼らの同志に引き入れた……。
「えいえ~い!」
「お~お~お~ぉ~」
「えいえ~い!」
「お~お~お~ぉ~」
私は『円卓の騎士』ではなく、『ちゃぶ台の侍』たちに置いて行かれないよう、彼らの行為をいぶかしく思いながらも、スリップストリームに入って何とかとか付いていこうとしたのだが……ここに来て一気に引き離される羽目になってしまった。
『バサッ! バサッ! バサッ!』
突然! 侍たちは各々の懐から、2本のろうそくと1本の白い鉢巻きを取り出すと、鬼の角のように頭にさっと括りつけた。
「ええっ……八つ墓村!?」
――祟りじゃ~、八つ墓の祟りじゃっ――
それから、侍たちはお互いの蝋燭に火打ち石で火をつけると、鼻から大きく息を吸った後、口からゆっくりと息を吐き出して呼吸を整えた……。
「ダイサク殿、儂らは魔法が使えぬ。それは魔素を自身の身体に集め蓄えることができぬからだ。よって、例え儂らが魔道具を手に入れたとしても、長い時間それを使うことはできん……魔道具に十分な魔力を補充することなどできはせぬのだ……故に儂らは魔法具の自然回復に頼るしか道がない……何が何でも魔力の消費をできる限り抑えながら戦う必要があるのだ!」
「その通りです。そこで、私たちは魔法の武器を手に入れた時のことを見据えて、皆で魔法の使い方を日々鍛錬しているのです‼」
そう言って、又もやソウシがさらりと美味しいところを持っていった。
――やはり、呪われてしまえ――
「魔力消費を抑えるとは?」
「なぁ~に、簡単なことだ……それには相手を斬る一瞬にだけ、魔力を込めれば良いのだ」
「一瞬ですか?」
「その通り、刹那だ! どこぞの勇者や賢者のように無尽蔵の魔力を持っていれば、魔力残量なぞ気に掛けずとも良いのかもしれぬが、儂らのように魔力のないものはそうは言って居れぬ。しかし、千の蓄えに対し、百使えば十の時しか使えぬが、壱しか使わぬならば千の時は使えるであろう……」
「それは……ボクデンさんのおっしゃる通りですね!」
――流石のボクデン、伊達に侍たちの番を張っていない……少しは算数ができるようだ――
「そのために儂らは訓練をしておるのだ……でなければ、将来迷宮に挑んだ際、最後の最後で魔法の武器が使えなく恐れがある……切り札とは最後まで取っておくべきものだからな」
「……たしかに、切り札は最後に使ってこそ、切り札となり得るのですね」
傍から見ると異様な風姿には違いないが、ボクデンたち七人の侍は、来たる迷宮踏破の日に備え、しっかりとした理念を以って日々鍛錬を行っている様子であった。
『スススッ~』
それから、コジローがちゃぶ台の縁に7つの燭台を並べると、ジンスケは交互に薩摩揚げと藁人形を挿し立てていった……。
「て、てんぷら、ですか……さっき鯛や鮃をご馳走になって、今はもうお腹いっぱいなのですが……」
「食うのではない、切るのだ!」とジンスケが言った。
「そうさ、切るんだよ、このちっぽけなナイフに魔力を込めてな、うぃ~」
そう言って、バイケンは刃渡り10センチに満たない小さなナイフを手に取ると、くるくると回した――
「こらバイケン、魔法のナイフをそのように粗末に扱うでない! それこそはジノーバ侯爵より直々に拝借している貴重なものぞ!!」
「わかってるよ、うぃ~」
ボクデンに叱られても、バイケンは酔拳でそれを上手く受け流したように見えたが……。
「いいえ、バイケンさんは全く分かっていません。魔法の武器は大金を払っても容易くは手に入らないのですよ。真剣にやってください!」
ソウシはバイケンを重箱の隅に追いやって言葉の三段突きを入れた。
『クルクルクルッ~』
「ソウシよ、おめえは相変わらず堅物だなぁ~ういっ」
「バイケンさん!」ソウシがきりっとバイケンを睨みつけると――
「わかった、わかった……ちゃんとやるから……こうやって、くいと魔力を引き出してっと、うぃ~にゃぁ~」
『グニャッ!』
薩摩揚げは見事にひん曲がった。
「ちっ、違う、しっかりと魔力を通さねば、このなまくらでは蒟蒻すら切れぬぞ……見ておれ、こうやるのだ……ふぅぅぅ~」
ジンスケはバイケンから魔法のナイフを取り上げると、腹から息を吐いて全集中した――
『ポッワ~ン――ススッ……ポトンッ』
ジンスケが魔法のナイフに魔力を通すと、それは青く淡い光を放ち、そして次の瞬間、彼は見事に薩摩揚げをけさ切りに落としていた。
――むむ、こ、この薩摩揚げの切り口は……『ごぼう天』だな――
「つぎはおいがやっちゃるきに! チェストォォォ~」
『ガタ~ン!』
トウベイは力に頼り過ぎたためか、遺憾ながら藁人形と一緒に燭台を倒してしまった……。
「……我がゆく」
道場の天井を仰いで、飛んでいないはずの燕を眺めていたコジローが、ゆっくりと魔法のナイフを手に取った……。
『シュッシュ! パサッパサッ!!』
コジローは刃物全てにおいて天賦の才があるのか、薩摩揚げよりも遥かに切るのが難しいであろう藁人形を、容易く3つに斬り落した。
「わかった、わかった……今度はちゃんとやるから……こうやって、魔力をナイフの刃先に込めて青く点灯させて……あちっ、あちちぃ~蝋が垂れて目に入りやがった。うぃぃぃ~」
『ピコ……ピコ……ピコ……』
魔法のナイフは、青から黄、黄から赤へと点滅しながら色を変える――
『グニャッニャニャッ!』又もや、薩摩揚げは切れずにひん曲がってしまった。
「こら、バイケン、ちゃんとやれ!」
「バイケンさん、確りと集中して刃先に魔力を!」
いかに武術の達人と言えども、使い手の獲物によって得手不得手があるように、私には見受けられた。
私は小さな魔法のナイフ一本でもって、皆に攻められているバイケンを見かねて、とっておきの助け舟を出すことにした……。
――そもそも、虎になっているのが、いけないと思うのだけれど――
「皆さん、一つ提案があるのですが……」
「はて、提案とな?」とボクネンがいの一番に尋ねてきた。
「はい、提案です……その趣旨は、皆さんで魔法のナイフを使い回しするのではなく、各々方に私の手持ちの魔法の武器をお貸ししますので、それでより実践に近い練習をされては如何でしょう?」
『ユ~ラユラ、ユ~ラユララ~』
私が『円卓の騎士』ならぬ『ちゃぶ台の侍』にそのように声を掛けると、額のろうそくの明かりが一斉に揺らいだ……。
「なっ、なんと! 本当でござるか」とボクデンが大きな声を上げた。
「さほど大した魔法具ではありませんが……」
「ほっ、本当に、てっ、手持ちの魔法具を借して頂けるのか……かっ、かたじけない!」
「但し……」
「たっ、但し……」侍たちはオウム返しで唾を呑みこむ――
「私がお貸しする魔法の武器は、現時点では魔力満タンですが、空になってから魔力が自然に充填されて満タンになるまでに、最低でも数週間は日数を必要とします……お気を付けください」
「なんでぇ~、この魔法のナイフなら一時で満タンになるんだぜ~うぃ~」
そう言ってバイケンが魔法のナイフをくるくる回しながら茶々を入れた。
「高価な魔法具でも、1日あれば魔力は一杯になるはずなのですが?」
一方、ソウシはそのように呟いて、私の説明に疑問を抱いているようであった……。
「すみません。購入したものではなくダンジョンの拾い物でして……」
「なんでぇ~拾いもんかぁ~」
「バイケンさん、そう言わずに使ってみてください。バイケンさんの得意な、鎖鎌によく似た魔法の武器もありますので……」
「わあった、わあった、おめぇがそうまで言うなら使ってやるよ。うぃ~」
「それにしても……ダイサク殿、貴殿は魔法の武器を如何なる迷宮で手に入れられたのだ?」
「そ、それは……秘密でお願いします」
私はいつものようにポーカーフェイスから、にやりと笑って答えた。
「承知した……これ以上は何も聞くまい……何はともあれ大切に使わせてもらおう……で、どのような武器を貸して頂けるのであろうか?」
そう言ってボクデンが身を乗り出すと、他の侍たちも『ちゃぶ台』を覆い引っ掻くように一斉に身を乗り出した。
「どれどれ、どいつが俺に合うっていう武器だぁ~うぃ~!」
そう言って、一匹の酔っ払いがボクデンの顔に爪を引っ掛けて現れた。
――バイケンさん、虎になってますね――
「それでは、初めにはバイケンさん……この魔法の武器を試してみてください」
私は一等五月蠅いバイケンに一番初めに武器を渡して、黙ってもらうことにした……。
「なんでい……そりゃぁ?」
「この魔法具は『アルゴスの盾』です。鎖鎌を使うバイケンさんには、ぴったりの魔法の武器だと思いますよ♪」
「……ア、アルゴスの盾だと~……そりゃ~聞き捨てならねぇな。うぃ~」
「アルゴスの盾は、魔力で伸び縮みする鎖を使う、攻防一体となっている武器です。遠くに投げるとそれだけ魔力をたくさん消費するので、バイケンさんの鎖鎌と、同じくらいの間合いが良いと思います」
「そうか、でぇ~こいつはでえやって使うんだ、うぃ~」
「使い方は『バッ』と投げて、『シュッ』と引いて、『バチコーン』です。バイケンさんが鎖鎌の感覚で操作すれば、アルゴスの盾は直ぐに自由自在に使えるようになると思いますよ」
「そうかい、そうかい。うぃ~それならそいつは俺が預かっといてやる……うぃ~うがごぉぉぉ~」
そう言う間もなく、バイケンはいつもの一升瓶の代わりに、アルゴスの盾を腹に抱えて寝てしまった。
――バイケンさん、とっとと、ゆっくりお休みくださいませ――
「次は~」
『ゴクリ』残りの6人の侍たちが、ほぼ同時に生唾を飲み込む……。
「ジンスケさん」
「すっ、すまぬな……お先に御免」
「ジンスケさんには、この『斬鉄剣』をお貸ししましょう」
『オオオッ!』侍たちが歓声を上げる。
「この『斬鉄剣』は……使いこなすことができれば切れない物はなく、時空すら一刀両断にする……みたいです」
「ほっ、本当でござるか?」ジンスケが私に問いただす。
「ごめんなさい。そのような話を、誰かから聞いたような聞いていないような……」
「うむ……然らば、つまらぬ物を斬らぬようにせねば」
そう呟いてジンスケは一人納得しているようだった……。
「『蜻蛉連撃』を得意技とするトウベイさんにはこの魔法具を!」
「これを、わいに貸してくるうか、黒と黄色の彩の何とも恐ろしか刀ばい!!」
「はい、この剣の名は『鬼蜻蜒!』 魔力を重力に変えて、如何なる魔物も一撃で粉砕します……するはずです」
「なんばいこの刀は……ほんに、恐ろしか~」
「それから、ソウシさんにはこちらの『妖刀村雨』を……この刀は魔力を冷気に変換することで、霧を発生させて相手の視界を奪い、斬った相手を凍らせ、それから……『呪い殺す』そうです。
「え、呪い殺すのですか……」
「はい、毒殺ではなく呪殺です。あとは……取り扱いには十分に注意してください」
「『妖刀村雨』には他にも何か秘密があるのでしょうか?」
「はい、誤って己の身体を傷付けてしまうと……使い手自身が呪い殺されてしまうかも知れません」
「…………」ソウシは何時になく肝を冷やした顔を見せた。
「そうそう、私は、そ、その顔が見たかったんだよ~」と私は小さく呟いた。
――ふふふ……ソウシよ、呪われてしまえ! ア~メン―
「コジローさんにはこの『はやぶさの剣』をお渡しいたします」
「かたじけない。……然れば、この長刀は?」
コジローはゆったりと片手で長刀を受け取ると、私にそう質問した。
「この『はやぶさの剣』は風神の力を操ることができると言われていて、上手く魔力を込めて振ると、その斬撃が風の刃となって相手を切り裂くそうです」
「斬撃が風の刃とな?」
「私は剣の扱いがまだまだ未熟で、この『はやぶさの剣』を上手く使いこなせませんが、剣の天才のコジローさんならば……」
「ふむ……斬撃が風の刃となるとは……実に面白い。有難く風神の力を借り受けよう!」
インエイとボクデンがこれでもかと言うほど身を乗り出して、二人の大きな顔が眼前に迫ってきた。
「ブービーのインエイさんには、こちらの『ロンギヌスの槍』です」
「おおっ」インエイが感嘆の声を漏らす横で、
『ガクッ、ズルッ、ガンッ!』
ボクデンは両手を滑らせて、ちゃぶ台の上面に顎をひどく打ちつけた……。
「『ロンギヌスの槍』は、魔力を熱に変換して、神すら焼き尽くす程の極上の炎を発生させるそうです」
「なんと~突けば槍、薙げば薙刀、引けば鎌――我が『新十字架殺法』、躱せるものなら躱してみせよ! はぁぁぁぁぁ~」
「…………」インエイの本当に神すら殺しかねない迫力に圧倒されて、私は暫し言葉を失った……。
『大悦眼!』
「で、この槍はどのように使えば良いのじゃ?」
インエイは再びにこりと微笑んで、私に優しく尋ねた。
「ロンギヌスの槍は……魔力を込めて突くと、ヘッドが高速回転して格好いいです。インエイさんの必殺技『螺旋突破』に魔力を乗せて突く感じが良いでしょう。それから、魔力を込めて薙げば、魔力が熱線となって、地平線に連なる敵すら一瞬で焼き払うとも言われています」
「ほぉぉぉ~、狐に騙されているような、にわかには信じがたい逸話でござるな?」と言ってインエイは眉に唾を付けた。
「そして、最後に大トリのボクデンさんへお貸しする剣は……この神剣『エクスカリバー』でございます!」
「ダイサク殿も人が悪い、やっとでござるか、で~、『せぐすかりば~』とな?」
「いいえ、『エクスカリバー』です。あの円卓の騎士の王様、アーサー王が使っていた剣と同じものだったらいいな~です。」
「あ~さ~おう、とな?」
「まぁ、魔法の武器には間違いないようなので、狸に化かされたと思って使ってみてください」
「何はともあれ、かたじけない。さっそく使わせてもらおう。しかして、この『えくすかりば~』にも、ダイサク殿は何がしかの謂れを作ってござるのであろう?」
「はっ、はい? 伝承では……『エクスカリバー』は闇を払う『光の剣』だと言われています」
「ふむ、光でござるか」
「そう、光です。魔力を光に変換して、聖なる光で闇の衣を照らし、いかなる悪にも正義の光の刃を届ける……みたいです」
「光……光、私に闇を照らす光になれと! すなわち、我々に百姓の如く額に汗して、お天道様の下でまじめに生きるのだと……神様が導いておられるのか……あっ、ありがたい」
「ボクデンさん……それは違いま……」
――勝手に何か勘違いしているみたいだけど……今のところは放っておこう――
七人の侍は、恵比寿顔でその日の魔法の鍛錬を終えたのだったが、後でこれらのレンタルした魔法の武器の性能を知って、ぶったまげ~ることになり申したのであった候……。
『今宵は、これにて御免!』
ありがとうございました。
次回は、キングコングの牙を求めてジュラシクの森へ突撃~です。




