22.親子…?
「ここの地盤が緩くて──」
「育ちやすい作物が──」
「日照りが何年も続いて──」
村長の家に行くと、2人で村の状況を洗い出した。
侯爵家の書庫にあった資料とも照らし合わせ、この村に何が足りないか、どう援助すれば作物が育つかを考える。
村長と話していると、悲惨な状況でも足掻こうとしているのが伝わってきて好感が持てるわね。
もう既に諦めていたらここまで話がスムーズにいかなかっただろう。
とりあえず作物をどうにかして育てる環境を作らないと。
天気が最大の難敵だ。
定期的に雨を降らすのが一番手っ取り早いんだけど…数回降ってくれれば雨水を溜めて活用できる。
…あの人なら解決できそうなんだよね。問題は──。
「俺は認めねえからな!!」
バーン!!
と、突如家の扉が開け放たれ一人の男が入ってきた。
今いいところなのに誰よ邪魔したのは。
村長も戸締まりくらいしっかりしてよね…そう思って彼を見たら、驚きすぎたのか腰を抜かしていた。
ちょっと、おじいちゃん驚かせたらダメじゃない。心臓麻痺にでもなったらどうすんのよ。
「こ、侯爵様…申し訳ありませぬ…其奴は儂の息子ですじゃ」
わお。なんと息子だったか。孫にしか見えない年齢差だけど…もしかして村長意外と若かったりする? それならおじいちゃん扱いしたことは謝らないと。
「調子良いことほざきやがって! どうせ裏切るくせに!
俺は騙されないぞ!!」
村長の実年齢を予想していると、私と村長の間に割って入ってきた少年。
ああ、誰かと思ったらさっき最後まで私を睨んでいた子ね。
絶対後で奇襲受けると思っていたけど、自分の家に帰ってきたにしては遅かったな。何してたんだろう…長時間私を信じるか否か迷っていたのなら中々可愛いな。
「これ! やめんか! こんなに熱心にこの村のことを考えてくださっている侯爵様に失礼じゃぞ!」
そう、その口調よ。見た目もさることながら、その口調が余計おじいちゃんっぽさを助長させているのよね。
でもこんな若い子が息子だとすると、子どもができたのがかなり遅かったってこと…?
でも前世では医学が発達していたから不可能なことではなかったけど、この世界じゃ結構難しいんじゃない?
だとすると、やっぱり見た目に反して相当若い…?
「だってさ! じいちゃんは先々代侯爵様の統治を知っているから先代にも期待して裏切られただろ! こいつに期待したって先代の二の舞になるだけだ!」
「侯爵様に向かってこいつとはなんじゃ! それから儂のことは父と呼べと言っているじゃろ! じいちゃん扱いするでない!」
「どう見てもじいちゃんだろ! 今さら見栄を張るな!」
「うるさい! 儂だっていつまでも心は少年なんじゃからな!」
「そういうのを若作りって言うんだよ! 村の人らに白い目で見られてるの気付いてないのか!?」
「何!? 何処のどやつじゃ!! とっちめてやる!!」
…あの、うん。
そんなことどうでもいいけど村長が父親かじいちゃんなのかははっきりさせてほしいな…。
気になって今日も眠れない…。




