眠い
……眠い。
マジで眠い。
眠いなぁ……。
くそ眠い。
よし、寝るか。
「……って、そんなわけにもいかねぇんだよなぁ……」
気合を入れ、重たい体をなんとかベッドから引き剥がす。
ちくしょう、なんでこんな日に仕事が入ってるんだよ……。
いやまあ、ギリギリまで仕事に行かなかった俺が悪いんだけどさぁ……。
「おはよー」
あくび交じりの声で、リビングにいたベルに挨拶をする。
「あ、エーデルさん。おはよう、ございます……?」
「ん? どうかしたのか?」
「いえ、なんと言いますか、夕方なのにこの挨拶はいかがなものかと……」
「まあまあ、細かいことは気にすんなよ」
窓の外は、もうすっかり赤く染まっている。
……確かに、この時間はやばいかもな。
ま、いいや。
「もしかして、昨日部屋に行ったの、迷惑でしたか……?」
「いや、大丈夫だよ。なんなら、あれで書類整理に区切りがついたくらいだ」
「そうですか……。それならよかったです」
ベルが来なかったら、あのまま朝まで起きっぱなしだった可能性もあったくらいだし。
「そういえば、ご飯はいかがなさいますか? 作りますよ」
「おっ、マジで!? じゃあ、お願いしようかな。今から仕事だから、なるべくあっさり目で」
「かしこまりました。……お仕事というと、殺しの依頼ですか?」
「ああ」
「でしたら、肉系は避けたほうがよろしいでしょうか?」
「いや、気にしなくていいよ。仕事後にステーキ食べに行くこともしょっちゅうだし」
「……慣れというのは、恐ろしいですね」
俺もそう思う。
「どうぞ」
その言葉とともに、食卓に彩り豊かなサラダとコーンスープ、さらにハムサンドが並べられた。
「おお、美味そう!!」
「本当に軽い食事なので、帰ってきたら、また別にお作りします」
「マジで!? ……なんか、至れり尽くせりで悪いな」
「起きになさらず。師匠の相手をするより、遥かに楽ですから」
そんなになのか。
俺の方が楽って、相当だぞ?
「――ごちそうさまー!!」
「お粗末様でした」
「いやー、マジで美味かったよ!! ありがとな」
「恐縮です」
これなら、今からの仕事も頑張れそうだ。
……仕事、仕事……。
……あ。
「良い事思いついた」
「……? どうかなさったのですか?」
「なあ、ベル。俺とハンターの間には、協力関係が結ばれてるんだよな?」
「ええ。それがどうかなさったのですか?」
「協力関係ってのは、つまり、お互いに助け合うってことだよな?」
「は、はい……。……ちょっと待ってください。いやな予感がするんですが……」
「なあ、ベル。今から一緒に仕事にいくぞ」




