訪問者
久しぶりの更新で若干口調がおかしくなってるかもしれません。
その時は、ご指摘いただけますと幸いです。
そーっとドアを開け、家の様子を確認する。
……うん、ローレルの言っていたハンターどももいないようだ。
カルミアは寝てるっぽいし、先にベツレヘムのとこに行っとくか。
「……ベツレヘム、起きてるか?」
「うん。……どしたの、兄ちゃん?」
「……いや、なんでも……」
「…………正直に話して」
…………。
「ヴァンパイアハンターどもと協力関係を結ぶことになった」
「は!? まじで!?」
「…………ごめん」
しばしの無言が続く。
当然だ。
こいつの天敵のような存在と、兄が協力をするなど……。
「いいんじゃない、別に?」
「……えっ?」
「兄貴のことだから、なんか考えでもあるんだろ? 知識も経験も、兄貴の方が豊富なんだ。兄貴のした事だったら、全面的に信頼するぜ」
「ベツレヘム……」
…………。
「ありがとう、ベツレヘム。ちょっと頭の中を整理できた」
「俺は別に何もしてないけど、それならよかったよ」
「じゃ、おやすみ」
「ああ、兄貴も」
さて、カルミアにはどうやって話をつけようか。
……できれば、俺らのドロッとした問題には巻き込みたくない。
……なら、どうするか。
「寝よう」
面倒な問題なんかは、考えずに眠るのが一番だ。
きっと明日の俺が何とかしてくれる。
それでもだめだったら、明後日の俺が……。
「……面倒」
すべてが面倒くさい。
すべてに対する気力がなくなってる。
……でもまあ、今回のはある意味チャンスかもしれない。
何のチャンスなのかはわからないが、俺にとっていい方向に動くような予感がする。
……多分だけど。
そんなことを考えていると、俺の意識は次第に黒く染まっていき……。
あの日から数日が経過した。
結局俺は、カルミアに何も話さず、ベツレヘムともなるべくこの話題には触れないという暗黙の了解の様なものを得て、事態を収束させることにした。
「……で」
いらだった心と疑問符でいっぱいの頭を抱えながら。
「なんでお前はうちに来たの!?」
なぜか、前にローレルを連れて行った少女が家に来ていた。
「師匠からの命令です」
「師匠って、ローレルのこと?」
「はい」
ふざけんなああああ!!
「俺はな、ヴァンパイアハンターどもと関わるつもりはねえんだよ!! なのに! なんでここまで来るんだよ!!」
「命令ですので」
……くそが。
どうせ、監視とかのためなんだろうが……。
「こんなところではなんですし、上がらせていただいてもよろしいですか?」
「人の家をこんなところ呼ばわりするなよ」
「お邪魔します」
全然話聞かねえな、こいつ!
「……あ、あの、どちら様ですか……?」
「あー、今度の依頼に……」
「初めまして。ヴァンパイアハンターのベルと申します」
「……ヴァンパイアハンター……!?」
「お前はこれ以上話をややこしくするな!! ……ま、まあ、少し事情があってだな……」
「なぜ濁すのですか? 彼女は、ベツレヘムさんのことも……」
「知ってるけど! 知ってるけどさあ……! ちょっと、あとで話すから、お願いだから黙っててくれ……」
「かしこまりました」
「……てなわけだから、少しだけ部屋にいてくれないか?」
「は、はあ……」
「……で、なんで家に来たの?」
「命令です」
「……目的も知らされてないのか……?」
「はい」
「…………」
「ちなみにですが、数日、もしくは長期にわたってこちらにお世話になるかもしれません」
「……?」
「……」
「……!?」
「……」
「……はあ!?」
「というわけで」
「いや、どういうわけだよ! 無理に決まってるだろ、そんなこと!!」
「なぜですか? カルミアさんもいらっしゃいますし、女性を泊めることに関しては問題ないかと……」
「あるよ! 大ありだよ!! 第一、ベツレヘムがいるのにヴァンパイアハンターを家に置いておくなんて、絶対に無理だ!!」
「ベツレヘムさんには一切の危害を加えません」
「それを証明する方法は?」
「……ありません」
「じゃあ、却下だ。さっさとローレルの下に帰ってくれ!!」
「無理です。命令ですので」
埒が明かねえ……!!
「……今はお前らと協力関係を結んだが、お前がもしもベツレヘムに手を出したら、その瞬間に。全力で潰すからな? それを理解してるのなら……」
「ありがとうございます」
「まだ最後まで言ってねえよ!! ……ったく。あと、ここにいる以上は家事その他諸々をやってもらうからな?」
「承知しております」
「……じゃ、ベツレヘム達には俺から伝えとく。くれぐれも、俺を裏切ってくれるなよ?」
「はい」
……ああ、また面倒事抱えちまった……。
……なんか、あいつを見てるとどうにも昔の俺が重なるんだよなあ……。
くそっ、なんで俺はこんなにも押しに弱いのだろうか……。




