アイテム無限バグ
「プニーはそっち座って。」
「ニュー。」
さてメシだメシだ。俺は今腹が減っている。水とホットドッグしか無いけどプニーと山分けしよう。
俺は木のコップを2個と木の皿を2枚を「建造」で作った。で、水のペットボトルを出してコップに注いだのだが。
「ん? ペットボトルから水が減ってない?」
コップに水を注いだのにペットボトルの中の水は満タンのままで減ってない。ペットボトルを傾けると確かに水が流れるのだが。
「なんだこれ? サリュ。わかるか?」
「んー。私達みたいにこの世界に来て「変換」されてるアイテムかな。……ってよく見たらそれペット■トルじゃない。じゃあそれ、ただのバグよ。」
ほう。ただのバグか。……いや、ただのってなんだ。……まあいいや。よくわからんが水が飲み放題という事だ。
「あっ、でもこの水はちゃんと飲める水か? 何でも聞いて申し訳ないがサリュ、わかるか?」
「うーん、そうね。これは……「神水」みたい。」
「神水?」
「そう。神水。すっごく体に良いらしいわ。」
「ふうん。」
すっごくとは? あっ、プニーが触手をストローみたいにして神水を飲んでる。するとプニーの体がどことなくテラテラも輝いて見えるようになった。
「ニュー♪」
プニーはもう一杯とばかりに空のコップをこちらに見せる。しょうがないな。まあ、飲み放題だから好きなだけ飲むが良い。
そして俺も神水を飲んでみる。味は普通の天然水だけど飲むと体の疲れがとれて力が湧いてくるような感覚がした。
「おお、これはすっごいな。」
調子に乗って3杯も水を飲んだ。そしてプニーは計10杯も飲んだ。若干だがプニーの体が大きくなったように見えるが。
じゃあホットドッグは?
と思いホットドッグを出すと。
「おお、ホカホカだ。」
出来たてのように温かいホットドッグ。
「ん? でも心のストレージにまだホットドッグがある。」
心のストレージには
・ホットドッグ ■個
とある。
試しにそのホットドッグを取り出してみると、もう一つの出来たての温かいホットドッグ。
なんと。
「持ち込み物はバグりやすいのかしら。」
と、サリュ。よくわからんがなるほど。
「ニュー、ニュー!」
見るとプニーがホットドッグをがっついて食べている。食べているというよりかは体に取り込んでいるというのに近いが。
ホットドッグがプニーの体に入ると潰されて混ぜ合わされて溶けて無くなった。消化したようだ。
「ニュー♪」
プニーはもう一個! とばかりに空になった皿をこちらに向けて来る。
わかったわかった。どんどん食べろ。若い奴が美味しそうに食べてる様を見るのはなんとなく気分がいいぞ。プニーの年齢はわからないが。
「プニーは23歳よ。」
サリュが答えてくれた。俺より年上かよ。
……まあ、いいや。
その後、俺もホットドッグをたらふく食べた。俺は3個も食べてお腹いっぱいになったがプニーは計10個もホットドッグを食べた。プニーはよく食べるなー。
ーー
ふう。お腹も満たされた。
気が付けば太陽はとっくに沈んで家の外は闇が支配していた。
でもこの家には「光源」がある。
昼間に採取した「光」を定期的に放出しているのだ。適当に採取したから結構な数がある「光」は1個ずつ出すとおよそ数十秒周りが明るくなる。
そして今は光が無くなると自動的に光がに放出されている。サリュに言わせると「心のストレージ」の物は気持ち次第で出し入れ出来るらしい。
だからずっと明るくしたいなーと、そういう気持ちでいると「光」が自動で放出されるようになった。便利だな、心のストレージは。
「よっしゃ。寝るぞ。プニー。「草のクッション」を作ったぞ。ここで寝るか?」
「ニュー、ニュー。」
プニー俺のベッドの上で跳ねる。なんと一緒に寝たいだと。
……まあ、いいか。プニーって思っていたスライムと違ってベタベタしてないし。ツルンツルンだし。
「じゃあ、明かり消すぞ。おやすみ、プニー、サリュ。」
「ニューニュー♪」
「おやすみー。」
ーー
さらに夜も更けた頃。
「……ュー! ニュー!」
プニーの騒がしい声で目が覚めた。